ポラリス/PRAYER

ポラリス(初回生産限定盤)(DVD付)

ポラリス(初回生産限定盤)(DVD付)

ポラリス

ポラリスを一番最初に聴いたのはスカイロケットカンパニー宇宙初オンエア。気分によっては「新鮮味が……」と言いながら発売日まで我慢したりする事もあるけど、最近はだいたい聴きたいに負けて初オンエア聴いてる。

前奏を聴いた時点で、ん?となって、聞き続けていくうちにんー・・・となって、最後はちょっと頭抱えてしまった。Small Worldをすごく薄めた感じ。言葉も音も全然引っかかるものがなくスルーッと抜けてった。唯一印象に残ったものといえば最後グアーッと伸びていく歌唱。そこだけはいいなと思った。DJのマンボウやしろさんがいつものように熱く感想を語っていたけど、その言葉も自分の心にはピンとこなかった。

ちなみにSmall Worldの初聴き(まだはまってはいない頃)の時も「可もなく不可もなく普通。」って印象だった。その後、はまって、ライブでの伸びやかな感じを知って好きーってなる訳だけど。

その日はアラバキに山内くんが出ると発表された日でテンションが高かったんだけど、そのテンションを落ち着かせるような出来事だった。翌朝目覚めた時に「あれこのちょっと沈んだ気持ちはなんだろう?」と思い返してみたら新曲聴いたからだ、という事に気付いてちょっと凹んだ。新曲を聴いてちょっとテンション下がってる自分に凹んだ。そこまで……?

初聴きの感覚はのちに大きく変わる。BOYSとかGIRLSの時もそうだけど、自分でもあとから振り返ってみたら「何言ってんの???」「なんだこの的外れな感想は。あ、自分か」みたいになるし、たくさん聴いたりライブを経たりして、もうあの時のあれは自分ではありませんレベルで変わるんだけど(BOYS/GIRLSは今現在は1枚の中によくこんな振り幅作れるなと思うし、1年を経て夏にBOYS聴いて、きっと冬にGIRLSの季節が来て、聴く度に深みを増して、正直溺愛してます。)まぁ単に「この曲を聴いた当時のファンの反応ってどんな感じだったんだろう?」と思う事があって、でもそういうの残ってなくて、自分の分残しておこう、そしてあとからギャップを楽しもう、ぐらいの感じなんだけど、今回は残すのもいやになるような自分の反応だった。

GIRLSを作り終わったあと「次は自分たちのスタンダードになり得る作品を」って言ってたのを読んで「どんなフジファブリックが見られるんだろう!?」って次の一手をとてもワクワクして待ってたから、このアニメのタイアップがなかったらそれをちゃんとを見られたのかなーとかそんな事を思ったりもした。

何より歌詞、言葉に何の引っかかりもないのが辛かったなー。何か1ワードでもいい、その人しか表現できない言葉があったなら。サビの掴みの一番大事なところが「全身全霊」かぁ…。

結局最終的には好きになるのわかってんだけど、しんどいなーと思った。

そんなんで、どう転んでもいいやと思って新鮮味とか考えず発売前ラジオとかで流されるままに聴いてたら、なんか好きになっちゃった。好きになった理由はよくわからない。でも好きになっちゃった。

フジファブリックの作る音と大好きな(に、なってしまった)あの声に随分と救われているなーとは思うけど。それもそれで、音楽を好きになるのに間違いではない……と思う。

話はそれるけど、山内くんの歌がギターの表現力に追いついてない時も、ギターに山内くんの声は随分助けられたんじゃないかなーと思っている。ギターの技術が、フジファブリックの演奏力が時間を稼いでくれていたというか、フジファブリックの音の中でのびのび山内くんの歌が育っていったような。(とはいえ昔の映像見てもやっぱり山内くんの歌はおおもとの部分は完成しているけど)

MVとかミュージックフェアで最初のリフのギターの手の動きを見て、あのリフギターでこんな風に表現してたのか!とビックリして、三日月アドベンチャーツアーで実際それを演奏しているのを見て衝撃を受けた。目を離せなかった。ライブだと歌の最後もっとグアーーーッてなるかと思ったけど、とりあえず基本バージョンって感じだった。それでもやっぱり新曲独特の勢いを感じたし、ドキドキした。いままでいろんな曲が突然変異を起こしたように、これから歌われていって曲がもっとパワー持つようになるんだろうなーと思うと楽しみ。

フジファブリックの曲は(映像ものもそうだけど)自分の傾向としては1周まわって2周まわって3周まわって感覚が激変する。自分は意図に気付くのに少し時間がかかる。初聴きの感想は単なる記録。なので新曲聴くたびこの調子かもしれないけど「この曲嫌いなんだな」とか思わないでもらえると幸い・・・必ず覆るので。

ライブに行って時間を重ねて分かる事がちょっとずつ増えていくというか(だってフジファブリックの音には情報ありすぎぃ)、今でも全然間に合ってないしこぼしまくってるけどちょっとずつ一回で抱えられる分が増えていっているというか、知る事で視野が0.1mmずつぐらいは広がっていっているのかな?という気がするし、そのたび音楽の聞こえ方が違ってくるから楽しい。


PRAYER

弾き語りで聴いた時「丁寧に作られた綺麗なメロディだなぁ」と思ったけど、バンドバージョンは更にいいなと思った。みんなで重ねた音があったかくて、この、音が、好きだ………!!!なんちゅー美しい音なんだ……。キラキラキラキラ。そのものが直接光ってるというより反射しているほわほわした光。どこか牧歌的で、新しさも感じて、最初は日だまりの中カーテンがゆらゆら風にそよぐ窓際でスイスみたいな緑の風景見てるみたいだと思った。山内くんの歌声がひどく穏やかで、あの人の中になんでこんな淡々として静かな風景が広がっているんだろう?と不思議だった。永遠のしあわせみたいなの感じた。すごくシンプルな曲だけど、自然のきれいな景色を眺めていてずっと飽きないみたいに、そういう感覚でずっと聴いていて飽きない。

Cメロで左側から聞こえてくるコーラスにすごく耳を奪われる。
渋公DVDでペダルスチール弾いてる映像めっっっちゃ好きなので、ペダルスチールギターを演奏している姿を見たいなー……。

ポラリスとPRAYER、どっちも違うやり方で力を与えてくれる曲だなー。


特典映像

メンバーの頭にカメラを着けてレコーディングという企画。PRAYER演奏する手元見られるー!と楽しみにしていたんだけど、なんかごはん決めてる映像ばかり??最初ちょっと笑ったけど、あれ?終始この調子?と思いながら見続けていたらやっと最後オフショット映像にのせて「PRAYER」が流れ始めて、「Anthem」MVの始まりっぽくて「ここから本気の映像がっ!」とものすごく期待したんだけど、途中からさっき見た蕎麦を食べる映像が流れ・・・、結局ふざけて終わり、DVD止めた後ちょっとイラッと……。笑 もうちょっと曲を大切にしてくれー。

Small WorldとVOYAGERのレコーディング映像は本当に素晴らしいもので、何十回も見返してて、そんな音楽に対する思いが更に膨らむような映像だったらいいなぁと思ったんだけど、頭にカメラ付けてレコーディングするのはやっぱり集中出来なかったので(頭痛いって言ってたし)こういう形に収まったのだと思いたい。

歌入れブースの中で格闘している姿ってすごく好き。ああいうのでいいんだよー。