フジファブリック LIVE TOUR 2018 "帰ってきた!!三日月ADVENTURE"@横浜 BAY HALL

公演日 2018.02.03 (SAT)
会場 横浜 BAY HALL
開場 17:00 開演 18:15 終演 20:30

ツアー初日、横浜 BAY HALL。余白を楽しい楽しい楽しい!!!で書き殴って埋め尽くされるようなライブだった。ヒィ……楽しい……。記憶喪失の人が記憶を取り戻すように「ああ……そうだ……フジファブリックのワンマンってこんなだ……」って思い出していくみたいだった。

頭の中が吹き出しでいっぱいになって煙が出そうなライブの帰り道が好きだ。

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海は見えないけど港近くのはずれの方に立ってるライブハウス。
フジファブリックには珍しく最初からものすごい圧迫&ツアー初日。
記憶が全然ない。


かくれんぼ

ラフな感じで軽くギターをじゃらっと弾いたあと、あ・・・あのいざなうギターの音だ。エレキギターのかくれんぼ、これだ、これがほんとの姿だと思った。Green Birdとかもそうなんだけど、こう熱く歌う歌をすごく求めているかもしれない。

鬼はやめるよ のあとの音源よりもずっと長い静寂。そのあとの爆発力。「曖昧な感情は、全然いらなかったんだ」の強い調子。

声が聴きたかったの前のスィッ!て息継ぎ。歌を歌う時、声を吐き出す前、、こんなに息吸い込むのか・・・・

山内くんの歌がほんとに凄くて、金澤君は、なんでこんな・・・、山内くんの歌を一歩先へ行かせる歌を作ったの。山内くんの歌い癖とか知り尽くしている人が山内くんの歌の一番いいところを引きだして更に高みへ向かわせるような。

すごいな、フロントマンて、ボーカリストって、こんなに自分の中にあるものを限界まで吐き出して晒さなきゃいけないんだ。

かくれんぼのアウトロのギター。ボーカルギターとギタリストはやっぱり違う生き物なんだと思った。混ざって同化したようで、混ざってない。飾りとか捨てて、捨てて、捨てて、どんどん研ぎ澄まされてその姿を剥き出しにしていくギタリストを見た。


春の雪

雪にまつわる歌をやります、と言うのでStockholmかAnthemあたりを思い浮かべて身構えてしまった。Anthemは別に雪出てこないけど。CHRONICLEのDVDのせいか、あのアルバムの曲はストックホルムの雪の中ってイメージ。

ふわ〜っとした感じでフェイドインみたいな雰囲気で始まった春の雪。自分はライブで初めて聴く、ライブDVDを観てはずっと憧れていた曲。山内くんの低い声が心地いい。あわのようにはじけてしまいそうになったいま〜〜〜〜って次の歌い出しが始まるまでずっと伸ばしてた。夜を越えるの歌いにくそうなところはそのまんま。

聴きながら、どんどん暖かいものが流れ込んでくる。フジファブリックのライブは輸血みたいだ、と春の雪を聴きながら思った。瀕死の自分をじわじわ生かす。そして同じ型の人は世界中でこの人達だけ。

いつまでも君にとって のあとの
ふあーんなんてな/ぁーいよーぉなーー を
ふあーんなんてー/なーいよーぉなーー って歌ってた。

間奏の「ハッ」「ハッ」「ハッ」「フッ」フジファブリックの声だけで構成される部分、CD音源よりもちょっと歪なのが愛しい。そのあとの間奏で山内くんが金澤君の方を見ながら緩やかに笑う。VOYAGERツアーでこの山内くんの「ハッ」とか冷静に見てた人、すごいな。正気でいられた?

美しいなぁ。美しい、ハーモニーだなぁ。


かくれんぼが終わった後、長い拍手があって、山内くんが「長い拍手嬉しいです。」って照れながら言って、春の雪でも長い拍手になって、「さっき言ったからって毎回長い拍手でなくても……」って山内くんが笑いながら言ってたけど、言われたからしてるわけではなく!ほんと一曲一曲長い拍手したくなるような演奏の連発なんだもの。


ライブ数日後、あ〜〜春の雪聴きたいと思って(ライブ後よくある現象)CD音源聴いたら、うわ〜なんか全然感触が違う!まず声が違うし、音というか構成がつるっとしてるというか、音源ってきれいに整えられてるなぁと思った。(それはそれでいいんだけどね)あの、ライブで聴いた時のモワッとした感じ・・・ノイズが霞みたいに全体を覆ってる感じ、ざらっとした感じ、との違いを感じていた。チェロの部分どんなアレンジだったっけな〜〜また次のライブの時意識して聴こ。


マボロシの街

そうかー今だと君はこんな歌い方するのかーとじーんときた。


MC中、山内くんはよく曲順表があるらしき足下を見ていた。

たぶん電光石火はこの場所ではなくて、山内くんは曲順間違えてそれに導くMCをしてたんだけど、完全に話しきるまで放置する二人(笑)。話し終わった後

金澤「……ほんとにそれ演るの?」
山内「……!!!!」(キャ!間違えた!みたいな顔。笑)
客:笑 あ〜あ〜あ〜〜
山内「なんで途中で止めてくれへんのよ(笑)」
加藤「いや、途中で気付くかなと思って放っといた(笑)」

そんな突発的な出来事にステージ上で打ち合わせしてんのがリアルで、それを押し通してしまえる強さ!
「やるかー!」って感じでここで新曲やった!


電光石火

Jスポーツのサイトで試聴した一部分のイメージより数万倍パワフルでカッコ良く、最新曲かくれんぼに並ぶ今一番のエネルギーに溢れていて完全に今回のツアーの核だと感じた。15周年を来年に迎えようとするこの年にこんな曲を持ってこれるフジファブリックすごい……!

途中で金澤君が歌い出してビックリした。とうとうメンバーも音源で歌い出すのか……と一瞬「ウッ」と思ったけど、そこまでの拒否反応はなく。相変わらずメンバーが歌う事は望んでないけど。そう思えるようになったのは、弾き語りソロとかを通じて山内くんにおける歌の重みとかボーカリストとしての存在感が去年一気に増したからだ。だからあの頃のような不安はそんなにもうない。

(と初聴きの時は思ってたけど、その後ツアーで何回か聴いてたら、あれは完全にコーラスだね。)


盛り上がりゾーン「これからモンスターとか出てきたりしますけど大丈夫ですか?」みたいな事言うからMonsterやるかと思ったー。聴きたいよう山内のかしまし娘っこ。あの曲調山内くんに絶対はまると思うんだけど。

hereは今回も聴けないですか。もしかしたら山内くんがドラムをライブでお披露目する日まで聴けないんですか。こんなに長い間聴けないとは思わなかったー!レア曲にはしないで欲しい、いい曲だからたくさんやってほしい・・・


Splash!!

「ブッッとばしてよ」が気持ち良すぎ。さっきのMonsterもそうだけど、フジファブリックのこういうハード系たくさん聴きたいというのはもうずっとある。もうこれは個人的な好み。


アンコールで小分けした袋に入った豆(30袋ぐらい?)を三人がプラスチックの白いボウルからやさしく投げてた。節分なので。
最初山内くん鬼の面付けてたけど誰もつっこまず(つっこむようなものでもないのか・・・?)、途中でそっ・・・と外してた。


1/365

あの数小節で終わるかと思われた「1/365」もフルサイズで聴くと加藤さんらしいひねりがあってすごくおもしろい曲だった。最初、サビの「日々日々歩いていけば答えは・・・・」のあとすぐ歌わないところがニクい!

ファブリックシアターで聞いた時はもうあのまま短いままでもいいのではないか(あの小節でコンパクトに完結している。付け足すと冗長になるのではないか。他のミュージシャンでもそういう数秒の曲あるし。まぁネタ的になってその後あんまり歌われる事はなくなるけど)と思ってたけど、フルで作ってほんと良かった!フルの方が断然いい!

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ツアー初日MCという名の山内迷宮

「来年はバンドがデビューして15周年になるんです。なのでそれに向けて勢いをつけるツアーにしたい」というような事を言ってたので、大阪城ホールワンマン開催の照準は来年の15周年に定めて、今年はそれに向けての一年になるのかな、と思った。(個人的な感想です)


SET LIST
覚えてない