フジファブリック 手紙 MUSIC VIDEO FULL Ver. について

MVの最初に出てくる丁寧に書かれた緊張感ある「フジファブリック 手紙」のタイトル文字は山内くんの手書きっぽい。何回も書いた中から選んだのを想像してしまう。

山内くんがツアーファイナルのMCで「手紙のMVの完全版が完成しました!完全版が完成したのに公開されるのはショートバージョンですけど(笑)」って不思議そうな顔で言ってたけど、ほんとなんでショートバージョンしか公開しないんだろう。

手紙のMVのフルバージョンの監督は茜色の夕日とポラリスを撮った山口保幸さん。あの2つは曲のイメージとちょっと違ってあまり好きなテイストではなかったなぁと思ったりとかしてて。

ライブの夜、公開されたショートバージョンを見て「きれいなMVだな」と思った。そのきれいにはいろんな意味が含まれていて、映像がきれい、人をきれいに撮ってくれている、そして「きれいに整えられた」ふるさとの風景だな、と思った。

そして山内くんが茨木の街を歩きまわって撮影した、山内くんの歩行でドコドコ画面が揺れる、とても素朴であったかいトレーラー映像が思い出されて、あれに継ぎ足して完成させてくれても良かったんだけどな・・・と思ってたんだけど、

今日オフィシャルモバイル会員サイト FAB CHANNEL内で期間限定配信されたフルバージョンを観て、ものすごく感動してしまった。

最初は昨日と同じ「きれいだな」という気持ちでボーッと見てたんだけど、山内くんが交差点に立って歩き出した時から景色が急に動き出した。(交差点×山内総一郎っていうサムネイルもいいなぁ)

知らない街の風景が、山内くんが歩いて通りすぎるたびに鮮やかに色付いて命が吹き込まれるみたいに見え、どんどん大切で愛しい風景に変わっていった。

この街が好きだなぁ。君が映り込むこの街の風景が。

この街がこの人を育んだ事が何も言わない背中から伝わってくる。ずんずん、というよりさらっと街を流れていくように歩いていく姿を、表情はあまり映さず背中をずっと追っているのがいい。

そして最後の最後に川縁で立ち止まってゆっくり振り向く、その表情。

時々、山内くんが撮ったトレーラーを下敷きにしたような映像が出てくるのもいい。自分の影とか、揺れるブランコとか、グラウンドとか。やっぱり逃げる猫。笑

公園の小山を登って下る時に、何か人生のような深みを感じてしまった。

高いところからの視点とか、これドローンが山内くんのうしろずっと付いていってる?(かわいい)

歌唱パートで最初は初めて買った青いストラトが最後相棒の赤いストラトに変わってるの、過去から現在へって感じでわかる人にはグッとくるすごく素敵な演出だなー。

これ、このまま山内くんのひとりMVになるのか?いやいや、いくら個人的な作品だからとはいえ、最後にメンバー出てきて欲しい、最後に出てくる、映像が引いて、その隣にはきっと二人が……!と思ったら、パンッと画面が切り替わって山内くんの両側に二人がいる三人の演奏シーンに。「支えてる」っていうのがそれだけで伝わってきてジーンときた。

大袈裟でもドラマチックでもなく、過剰な演出もせず。

またひとつ大好きなMVが増えた。山内くんのルーツと歴史が盛り込まれたほんとに素敵なMVを作ってくれてありがとう山口保幸監督。

だからこそ、なぜこのMVをショートバージョンで公開したんだろう?という気持ちでいっぱい。こればっかりは、フルバージョンで観ないと伝わらない。(実際、最初私は伝わらなかった)山内総一郎は青いストラトだけでは完成しない。

大阪城ホールの看板みたいな存在になるであろう手紙という曲のMVを、このMVこそ、フルバージョンで、たくさんの人に見てもらって一人でも多くの人に大阪城ホールに足を運んでもらうきっかけになるよう配信して欲しい。