ゴールデンタイム / フジファブリック

アニメBORUTOのオープニングテーマと発表された時はすごい仕事来たと思った。こういうのって海外とかでも放送されたりするのかな?と思ってワクワクした。

少年アニメのオープニング曲に加藤さん作詞作曲というのが意外だった。直近の加藤慎一作詞作曲作品は前進リバティ。笑 ということはないにしろ、加藤さんが王道系を作るイメージがあまりなくて、どんな曲を作るんだろう?と。

2019年3月30日 FEVERMANツアー 金沢エイトホール。
加藤さんが加藤さんの地元で「特別な事をしたい」って言ってゴールデンタイムを初披露した。自分の地元で自分が作詞作曲したタイアップ曲を初めて演奏するなんてとても粋だ!と思ったし、そのサプライズめちゃめちゃ嬉しかったけど、曲を聴いて、ん〜…??ってなって、その感じはオープニング映像と合わさったのを観ても拭うことは出来なかった。

「○○(他のアーティスト)っぽい」って思ってしまったのがつらかった。せめて、Bメロがなぁ……。

いつもタイアップ先に寄り添うけど、今回は特に強く寄り添った作品だと思った。「すごい少年アニメの主題歌っぽい」って思ったもん。

でもまあアニメで初めて出会う他の誰かの心に刺さればいいやーとか思って。そんなこともあるよねとかって。

2019年5月19日 午前0時に配信開始の通知が届く。急だな!

こうやって配信中心になっていって、シングルというのはリリースされなくなっていくんだろうな。何月何日発売!って告知されてワクワクその日まで待つ、みたいなスタイルではなくなって、いきなり降りかかるように新曲に遭遇する。でも結構こういうの、嫌いじゃない。アートワーク見たり歌詞眺めたりするの好きだったけど(そういうのはアルバムではまだしばらく生き残るだろうし)あんまり抵抗ない。(とか思ってたけどすみませんゴールデンタイムはCMで配信日告知してたのすっかり忘れてました…。ワクワクして待ってた人もいたね…。)

新曲だけど、いつもより普通のテンションでヌルーッと聴いて。

ん、

・・・・・かっこいいな。これ、ちゃんと掘り下げて聞き込みたいな。と思った。

配信された作り上げられた完全版を聴いて、ライブで聴いたのともテレビで見たのとも違う新しい感触があった。(ライブでは初披露で演奏も歌も明らかにこなれてない感じがあったし、こっちも初聴きでまともに聴けてなかったけど)

意外とシンプルで、芯のある曲だと思った。

完全版でライブでもテレビでも聞こえてなかった音が聞こえてきて、それが曲のイメージをガラッと変えてた。特にサビで予想外の動きをするキーボードの音に惹かれた。(挙ーげろーとか駆け抜けて〜あたりの動きにキュンとなる……。)ベースの見せ場があって(粋!)そのあとパーン!と弾けて転がり出す間奏に希望と切なさを感じて、加藤メロディをふんだんに取り込んだギターソロがそこからいきなり笑顔が溢れる感じで、チャーミングでとても素敵で嬉しくなった。

メロディ展開もちょっとだけ想像からずれる感じ、それもおもしろかった。アニメのオープニングで聴いた時、Bメロからサビへのつながり方が少し強引に思ったけど、音源で聴くとよい違和感がありつつ馴染んで聞こえる。Cメロ(Cメロもちょっと今までにない感じ)からのサビも飛び石みたいで、この強引さ、結構好きかも。前奏のかっこよさは言わずもがな。それにしてもライブで聴いたの意外と覚えてないもんだなー。全体を聴いた時のビシッとした感じに、○○っぽいという感覚も消え失せた。

そして山内総一郎の歌がいつになく硬派だ。強い顔して歌ってる感じ。そして最後、クライマックスに向かう歌詞と声に心震えるんだよ。潔い、かっこいい声だなぁ。時間だー、のあとの「越えろ越えろ越えろ〜 吠えろ吠えろ吠えろ〜」からそれ以降すべて最高。

いつもよりも滑稽なおもしろさとかかわいさ成分は抑えて、少年漫画フジファブリックって感じ。新機軸。

気持ちが躍動する。
オーバーライトとはまっったく違う方法での夢への進み方。

やあ、やあ、やっぱりフジファブリックは一筋縄ではいかないね。