【ライブレポ】フジファブリック I Love Youツアー Zepp Namba

2021/6/18 フジファブリック I Love Youツアー Zepp Namba
開場 17:30 / 開演 18:30 / 終演 20:35


天気 パラっと雨。検温ももぎりもスムーズに入場。いつもはザワザワとしているフロアはグッズ売場がある以外は閑散としている。(ここにたまらないで席に行ってくださいとスタッフの人がアナウンスしてた)ズラーッと座席番号がライブハウスのフロアに並べられたパイプ椅子の背に貼ってあってあれ今日は隣に人がいるパターンなのか?と一瞬思ったけど普通に隣ひとつ開けだった。座る席に一枚フジファブリックのフライヤーが置いてあった。開演時間には座席が埋め尽くされた。

セットにたくさん置いてあるFABRIC THEATER 3の映画ライトみたいな低い位置にあるライト、あれは目潰しライトにならないか・・・!と心配したけど全然大丈夫だった。

18時30分、定刻に暗くなって、鍵盤が主体となったようなごきげんなSEが流れてきて、加藤さんを先頭にいつもよりぬるっとメンバーが出てくる。加藤さんの手には青く光るバングルライト。最後に山内くんが出てきてマイクの前に立って、「こんばんはー!フジファブリックです!」って言って珍しく最初にメンバー紹介。


LOVE YOU

それぞれのソロパートが楽しい。


SHINY DAYS

LOVE YOU~SHNY DAYSはちょっと崩せないぐらいライブの掴みにぴったりすぎる流れなのよね。メンバーのソロ歌唱パートがいい感じになってる。場数を踏んで歌唱力が上がっている…?


efil

ファ~っと音が流れてきて次の曲は何だろう?という期待の中、デデッ、デデッ、って音で即efilだとわかってギャーーーッッてなった……。I Love Youツアーでefil聴けるなんてまさかまさかだよ。

自分がフジファブリックにはまったのはLIFEツアー観たからだけどその中でもefil聴いたのがすごく大きな要因になっているので久しぶりに(LIFEツアーぶり?)に生で聴けてほんとにほんとに嬉しかった。しかも痺れるぐらいゴリゴリにカッコよく進化してて、「これが2021年のefilか……」と呆然としてしまった。この間、ヤバイヤバイヤバイしか思ってない。

efilはね……今の歌声に、はまる!!!

歌が終わってからの後奏~エンディングの演奏のバンドの塊感がめちゃくちゃ気持ち良かった。最後のフーウーウーウーってコーラス好き。

山内くんが膝折り折りしながらギター弾いてるの久しぶりに観た。バンドのライブさえなかなか観られない中、これまでは年に2回ぐらいイベントとか共演者との演奏とかで観る事が出来た、フジファブリックでギター弾いてるのとは違う種類の「ギタリスト山内総一郎」が全然観られなくなってしまった。そういう時に感じてた感覚を思い出すような弾き姿だった。


会いに

今の思いがすごくこもった選曲だーと笑顔になった。会いにの伊藤大地さんのドラムがとてもエモーショナルで、こんな風にこの曲を叩いてくれるんだ、伊藤大地さんとはこんなドラマーなんだと感動した。I FAB Uツアーの時より今回のツアー更に伊藤大地さんのドラムがはまってるように感じた。また一緒にツアーをまわる事が出来て良かった。


MC

山内「こういう状況なので声を出したりとかは出来ないですけど、拍手とか、手拍子とか、笑ったりとか、ふ~ふ~ふ~ってハミングみたいなのは大丈夫なんで・・・♪フフ~フフ~フフフフ~フフ~(軽いギター伴奏付きのたりないすくないのサビを実演 笑)」
客:笑


たりないすくない

わー再びI Love Youタイムが始まった……!しかもフジファブリックだけで演ってるのを配信でも聴いた事が一度もない「たりないすくない」、あの世界をどんなふうに表現するんだ……?とドキドキしてたら始まった山内総一郎による歌い出し。うぉぉ・・・当たり前だけど、1人でたりないすくない歌うんだ・・・!

「この世の終わりってあるかな?」

ッッッッッッッ

・・・いやー、りらちゃんパートを山内くんが歌うのはかなりの衝撃だぜ・・・?

基本的には幾田りらさんの音源ではなく金澤くんが少し小さめの裏声でコーラスのように合わせてたと思うので(りらちゃんの声みたいにかわいい 笑)、あの浮遊感は損なわぬままデュエット曲ではなく一人の曲として成立してた。

で、りらちゃんパートを歌う山内くんはなんなの・・・・ちょっと眠そうで甘いんだよ・・・・。

山内くんが歌うりらちゃんパートを聴くのめちゃめちゃ楽しかった。「エゴイズム」は音源の山内パート通りなんだけど、音源では自分の耳がりらちゃんパートに引っ張られてた(というのをライブでわかった)ので、突然低くなるように感じる。

そして一番楽しみにしてたところ、

「知ってた?本当の私はちょっとだけずるいよ」

・・・ッッッッッッッ

(満足です)

音源はフェイドアウトだけどライブではピタッと終わった。生たりないすくない最高に心地よかった。ゆるゆるファルセット良い~~。


赤い果実

たりないすくない~赤い果実の流れも崩せないよね。赤い果実はこれまで通りJUJUさんのコーラス流してたけど、配信で観た時のような「ここにいない人の声」感は感じなかった。(配信の時はガッツリ音源流してる感じがしたけど今回はさりげなく聴こえる、ぐらいの感じだった)

赤い果実のような楽曲をサラッと歌えるようになったのは強いなぁ。

「エロいギターソロ」ガン見。生で聴けてしあわせ。


バングルライト、クリア+モノトーンなのがめちゃくちゃかわいいね。実物の方が完全にかわいい。あの走り書きっぽいI Love Youの文字がいいように作用してる。クリア面前にしたら普通に日常生活にも溶け込みそうだよ、光の色も淡くて、特にホワイトは完全に白じゃなくて薄紫っぽいのがきれいだった。(と家で見た時は思ったけど会場で光らせたらそんなに紫っぽくはなかった)フラッシュもかわいい。けどライブでフラッシュを使う機会(勇気?)がなかった。お客さんのバングルライトは最初、初期設定で青く光ってる人が多かった。あれね、曲に合わせて色を選びたいとは思うんだけど、色数多いし選んでる時間がないのよ。そういう事情からか、赤い果実では最初意外と赤にしてる人少なかったけど最後の方には会場が赤く染まった。


楽園

楽園の前奏のワクワク感は異常。歌が悪そうな気怠い雰囲気になる。2番の頭、まぁまぁ長い間歌詞が言葉じゃない何かになった。笑


Dear

どの曲もライブで聴いて「あ、音源よりライブの方がいい。」って思うんだけど、特にDearはそれが強い。歌い方が他のどの曲とも違って極力くせや感情を削ぎ落としてまっすぐに歌うようにしているんだろうか。その淀みない感じが曲の荒涼感に合ってとても美しくて。広い大地にどこまでも広がっていくよう。こういうフジファブリックが観たかった、って思う。音源と違うアレンジのアウトロのキーボードに絡み続けるギターもひたすら美しい。




FM802との手のMV作る企画、今日発表じゃなかったっけ?てっきり手を演奏する時うしろで流すと思ってたので、普通に演奏が始まったので間に合わなかったのかな?(いやでもそんなはずは…)???と困惑しながら聴いてた。

手を初めて配信で聴いた時「山内くんのご両親が聴いたらめちゃくちゃ嬉しいだろうなー」と思ったけど、自分の立場に置きかえてとかそういうのまったくなかったわ、と思った。思えば今まで他の人とかでも曲を聴いてきて、自分と重ねてとか自分に置きかえてというやり方をほとんどして来なかったような…?ただただ曲の中の世界にどっぷり浸って、そこにまったくって訳ではないんだろうけど自分がとかいうのはあまりない。それがどうというわけじゃないんだけど、そういう音楽の聴き方の属性なのかな…?と、手という曲を通してそういう事を初めて考えた。

で、今日の手はとても感情的で、その姿を見て、もし大阪に住むご家族が今日来てて聴いてたらすごく誇らしく思うだろうなーと思った。演奏が終わった時の金澤君の山内くんを見る表情がとても柔らかかった。


MC

この時のMCだったか金澤君に話振ったらキーボードブースからマイク持ってズイズイと出てきてステージの前の方に立って話し始めたのおもしろかった。「やっぱり人に観られるのって気持ちいい!」って言ってお客さんが笑ってた。(ガッツポーズみたいなのもしてたような…)

山内「俺たちはその道を行くぜ、という曲をやります」


Walk On The Way

このMCからのWalk On The Way良かったー。

金澤君が前奏でピアニカ吹いて、よりアコースティックにアレンジされたWalk On The Way。フジファブリックの音楽があって、山内くんがメンバーの顔見て笑いながらとても気持ち良さそうに歌ってて、フジファブリック のいつも通りの風景が広がっててちょっと泣いてしまった。

「心の中でずっと転がっていけばいい」のあと「なぁ、ダイちゃん?」って山内くんが呼びかけて、金澤君のピアニカソロ。

「コロナはつれないけれど」ってまた歌詞変えて歌ってた…。「つれない」って言葉がなんか拗ねてるみたいな、ちょっとチャーミング?なニュアンスのイメージがあって(実際にはないんだけど)コロナ……つれない……っていつもいちいち引っかかるんだけど、ちゃんと意味調べたら「思いやりがない。薄情である。冷淡である。」なので、別に合ってるので、うん・・・・。

最後はやっぱりHere Comes The Sun。


MC

ここでおもむろに加藤さんが喋りだす。加藤さんの小噺。まるで「きょうの1曲」が映像化したようだった。あの黒い画面にズラッと白い文字が並んでいるのが目に見えるようだった。

要約すると「スパイスカレーの店に入ると女性2人組のお客さんが先にいた。席に着いて注文して待っていると女性2人組の席にスパイスカレーがコトリと置かれた。(このコトリという表現がかわいかった)そしてその女性のうちのひとりの発言がヤバかった。「なんかスパイスカレーがかわいく見えてきたー」と言った。皆さんの中でスパイスカレーにかわいいという感情を抱いたことがある方はいますか。」手を上げた人がほぼいなくて加藤さんが安心してた。

話が終わったあと「大丈夫?」って聞かれた。笑

その話はさておき(?)その後のMCで加藤さんが「こういう状況になってしまったけど、こうしてライブハウスで自分のスペースを保ってライブを観るというのはなかなかない貴重な体験だと思うんです。そして時間が経った時あの時あのツアー見られて良かったと感じると思うし、僕らもツアーをやって良かったって思うと思う」って話をしていて、そうだなぁーと思った。こういう状況になってから行くライブ、正直隣の席に人が来なくて自分のスペースが広くて見やすいのすごく快適だった。


陽炎

聴いたことないアコースティックなギターの前奏が始まって、あ、でも知ってるこのフレーズ、♪~♪~♪~♪~♪~、締~め~つ~け~る~、って、あ、陽炎?????

このアレンジが、普通じゃないのよ。このアレンジ出来るのフジファブリックだけだよ。他の誰かがアレンジ変えて歌うアコースティックな陽炎じゃないんだよ。「進化したフジファブリックが表現するフジファブリックの陽炎」を表現できるのは、フジファブリックだけなんだよ。フジファブリックのその先を見せられるのは、フジファブリックだけなんだよ。

声が全面に出て、これ、このBPMで、特にサビ、アコースティックで歌い切るのは強い声と説得力ないとかなり難易度高いと思った。サビが志村君だーと思った。言い方難しいな、歌い方を似せてるとかじゃなくて山内くんの歌い方と声と表現なんだけど、志村君だーと思った。

あーまたアコースティックセルフカバーアルバムに収録してほしい曲が増えてしまった。2枚組にしようそうしよう。あ、それよりもシリーズ化がいいかも。(まだ発売予定はありません。)


あなたの知らない僕がいる

今日のツアーはいろんな驚きがあったけど、間違いなく一番グッと来たのがこれ・・・。ギター置いてマイクスタンドからマイクはずして立ったら、ギクッとするじゃん。

ギター持ってないと裸みたいって言って実際ギターを外して歌った事がほとんどない人がギターを置いて生身の体でひとり立ってるんだよ。そういう覚悟でこの曲を歌うんだなと思うじゃない。

歌い始めの声に緊張があった。右手でマイク持って左手でずっと、たぶん最初から最後までマイクのコード握ってた。ゆっくり体を左に、右に揺さぶって。

ハンドマイクで歌い上げるの、以前のフジファブリックではタブーだったんじゃないかな。タブーってほどの決まり事じゃないけど、そういう事はやらないと避けてきた部分なような。熱く歌い上げるのカッコ悪いとかダサいとかそんな価値観があったような。でもこの曲がそうさせる、そうせざるを得ないのよね。

「冷えるねって手を繋いで」のあとからが圧巻だったな。真正面で歌だけで感情でどろどろになって全部吐き出して、君はそんなふうに歌うんだ、こんな山内総一郎初めて見た、あーーこういう山内総一郎を見たかった、と思った。

ひとつ言うことがあるとすれば、今回マイクスタンドからだいぶ下がって奥まった場所でマイクスタンドに隠れるような感じで歌ってたので、ステージの真ん中に来てもっとお客さんの近くに立って歌って欲しいなというのがある。もしくはスタンドマイクさしたままとか。その方がもっと歌声が届いてくるような感覚になる気がする。足下にエフェクターボードが広がってるからしょうがないのかな(立ち位置決まってるのかな)とか思うけど。

終わってからの拍手がすごかった。ずっと鳴り止まなかった。


山内「・・・ありがとうございます」
客:拍手
山内「・・・歌い上げてしまいました」
客:笑 拍手

山内「次の曲ではみなさんと一緒にやりたい事があるんです。バングルライトあるでしょ。持ってない人はスマホの光を掲げてほしいんです。バングルライトの光の色は、白。」
(色の指定入った。笑)
山内「これをサビで振って欲しいんです。♪光あれ~(サビを歌い出す。客席で手がゆらゆら揺れる)・・・ずっとこのままやり続けたいぐらい綺麗(笑)」

 

光あれ

光あれの光景は夢みたいだったなー。たぶんこのライブを思い出す時ずっとこの景色が浮かぶような。「会えて嬉しかった」のところで「会えて嬉しかったぜーーーーー!!!」って叫んでた。アウトロの長いギターソロ、いつまでも続けばいいのに、と思った。


ポラリス

久しぶり!!!光繋がりだろうか。相変わらず指がこんがらがりそうなギター。


バタアシ Party Night

今日はハンドマイクで前に出てこなかった。コール&レスポンスは出来ないけど体動かせるの楽しい。


MC

今日のMC好きだったなー。三人のフォーメーションもさることながら、山内くんがくだけてて・・・なんというか、自由な・・・笑。なんかさ〜、ほんでな〜みたいなノリで、関西弁でとめどなくペラペラペラペラ喋ってて、あんまり気を使われてないというかそれがなんだか嬉しく。

山内「関西弁で喋ってますけど。いつも喋ってますけど。東京行ってもなぜか関西弁が抜けなくて、それで図々しいって言われんねんけどそんなん知らんがな」
客:笑
山内「関西弁は素晴らしい」
客:拍手 笑

山内「このツアーの印みたいなのをみんなにお土産として持って帰ってもらいたいと思って、次の曲では写真OKです。SNSとかに載せてもらっても全然いいんで。加工してもらってもいいし(笑)あ、鼻血ブーとかはやめてね(笑)?」あと白目がどうとか言ってたような。

印みたいなの、お土産、って言った時、新曲?と思ってしまった。


徒然モノクローム

写真撮影もそこそこにすぐスマホを置いて踊りだすまわりの方々、素敵だなと思いました。(別に写真撮ってても全然OKです)時折山内くんがポーズとかピース。ライブ後にカメラロールにライブの写真が残ってるのってすごい不思議だね・・・

演奏終わったあと「いい写真は撮れましたか?」


アンコール

山内「あ~~しあわせ。」
客:笑
(あ~美味し、あ~いいお湯、とかそういうテンションで言ってておもしろかった)

山内「ゆるいかとか、システムの関係で赤富士配信とか、バタバタといろんなものが終わって寂しい思いをさせたかなーと思うけど、俺たちは手を緩めず、リリースとかもそうですけどいろいろ考えてるので」

山内「繰り返しになるけど、えー、あー、なんや・・・」
金澤「・・・何を繰り返しましたか・・・?」
客:笑

山内「どんな時でも続けていく事、続いていく事、踏ん張って生きる事、生かしていく事が大事だなと思って。シンプルなんですけど。ライブとか、出来なくなってから大切な事に気付いたりとかして。俺ってバカって」

「踏ん張って生きる事」「生かしていく事」。とても心に残ったMC。(あと俺ってバカ…)

「自分たちがみんなの光や希望になれればいいなと思ってたけど、みんなが俺らの希望です」ってとても自然にサラッと言った。


手紙

あーーー(セットリスト的に他の土地でもそうなのかもだけど)大阪で手紙演ったらこれで完全に終わってしまうーーーー・・・。この次に曲を付け足すものは、ない。もっと聴きたい、と名残惜しい思いで最後の曲を聴いた。

曲が終わって、メンバーが前に出てきて手は繋がず離れてそれぞれの場所で万歳して礼をしてはける途中で山内くんがスタンドマイクの前に戻ってきて、「FM802との企画でファンから写真や映像を募集した手のMVが完成しました。とても丁寧に作ったつもりです。今日は最後にそれを観て帰ってください」って言ってはけたあとスルスルとうしろの幕が開いてスクリーンが出てきた。

企画を聞いた時は橋爪さんだし光あれみたいな仕上がりになるのかなと想像してた。流れた手のMVは、ただ曲をBGMに写真や映像が次々と映し出させるようなものではなくてちゃんと俳優さんが出てきて、集められた写真はハッキリと映るわけじゃなくて(最後にはっきり出てくるけど)昔のフイルム映像みたいだったり水の中だったり、イメージ的に使われていてちゃんとMVだった。他のアーティストもよくやってる「ファンから集めた写真で出来たMV」みたいなのが苦手だったし橋爪さんの関わる映像作品は得手不得手があったけど、とても良い写真、良いMVだと思った。(水の中に写真というのがんーみたいなのはちょっとあるんだけど)山内くんが言ってた「大切な人との写真を集めたMVにしたかった、自分たちの大切な人はみんななんで、みんなとMVが作りたかった」っていうのはとても素敵だなと思った。

でも最後にMV流れると余韻が音源の手になるから手を演奏する時とかアンコールの最初に流してもらって最後は生の演奏と歌声で終わりたかったなーというのはある。


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IN MY TOWNぶり、ライブハウスでは2019/4/19 FEVERMANツアー Zepp Osaka Baysideぶりですかね……?の大阪のライブハウスでのフジファブリックワンマン。6月に入ってずっと緊張してたし今週に入ってからもずっと緊張してた。どうか無事であってくれ、と当日まで思っていた。

ここに行き着くまで心も枯れたりとかしてなにか感情というものは残っているのだろうか?と思ったりしたけど、ライブ観て、戻ったわ。元の体に。今までなんだったんだろうというぐらい正気に戻った。というかこの前までの状態が正気で今までずっと芸術によって正気じゃないまま生きてきたのかもしれない。なんかもう音楽、ずっと自分を正気にさせないでくれ、と思った。

コロナ明け……てはまだないけど、長い抑圧の時を経て開催された久々のツアー、元の場所に戻った、懐かしいというより新しかった。一本のセットリストにいろんな試みがあって最後まで目が離せなかった。楽園という曲が出来た時金澤君の戦った跡が見えたと山内くんは言ったけど、このツアーにこの日観たライブにフジファブリックの過ごして来た日々の跡があった。フジファブリック というバンドの凄み。そして以前よりもライブがゴリゴリになったというか、人間くささを感じた。品があって丁寧なのはそのままで、だけどそれだけじゃないザクザクとしたなにか。

こういう困難に遭遇した時、ミュージシャンが苦しかったね大変だったねと変にこっち側に気を使って優しくなったりするのは絶対イヤだなと思って。フジファブリックはいろんな事に影響を受けて変わっていってるんだと思う、大阪城ホールが終わってからの道筋もちょっとかわってしまったかもしれない、(変わらないわけないよね)でも良い音楽を作るという事については何があっても変わらない。目の前じゃなくてもっとずっと広い目で見ていると感じた。以前よりもっと懐が深くなったのを感じて頼もしかった。いつもフジファブリックがこっちが想像する「こう」を越えてくるね。フジファブリックは、すごいな~~。

I Love Youというアルバムは今までで一番ライブまでの間隔が長く聴き込んだ曲かもしれない。そしてコラボ相手がいる3曲、そのまま再現出来ない曲の世界観をフジファブリックだけで再構築するというライブならではの新しいお楽しみがあるというのは今までにないものだった。再現出来ないのを逆におもしろさ、強みにしているみたいな。

生で聴くI Love You、どの曲も素晴らしかった~。山内くんがMCで「I Love Youの曲を聴き込んできてくれたのが伝わってくる」って言ってて伝わってるんだ…とホロリときた。ほんとにほんとにこれまでめちゃめちゃ聴き込んできたから。なんだか山内くんはいつも全部お見通しって気がする。そしてそれをいつも言葉にして伝えてくれる。

結局、途中に過去曲入るけどI Love Youの曲順はほぼアルバムのままだったね。それぐらいあのアルバムは完璧な流れだったね。

東京公演とかではもしかしてコラボ相手の誰かが歌いに来るのかな?生で見られるのいいなーと思うけど、フジファブリックだけのI Love Youの曲を聴けたのも本当にしあわせ。

過去曲も全部最新のフジファブリックでやると違う風に聴こえて新鮮だった。「これが2021年のフジファブリックか・・・」と何度思ったか。

こんな状況でのツアーだったけど、声を出したいもっと体動かしたい盛り上がりたい以外はこれまでと何も変わった事はない、満足だった。本来ならもうちょっと聴けるのでもっと聴きたいって気持ちになったけど、それでもフジファブリックの曲ばかり18曲、ワンマンは、至福の時……!あー~~もっと見たい。

心理的に前と後で変わった事と言えば、この目の前に見えているものをなんとか感覚に残したい、ずっと目に心に留めておきたいという気持ちがより強くなった。

山内くんの発声、変わったなー。MCの声もなんだか違うように聞こえた。(配信とかで観ると変わってないけど)やっぱり曲によってはっきり言葉を言わずめっちゃ言葉繋げるのあるね?あと下からずわーっと這い上がって音程に辿り着くような感じがたまに。

あれだけ声出たら歌ってて気持ちいいだろうなーと思う。今回のマイク一本というのもすごく嬉しかった。そういう選択肢が出来たんだなーと。これからも挑戦していって欲しい。

東京の配信でefilを再び観られるの?あなたの知らない僕がいるをマイク一本で絶唱する山内総一郎を映像で観られる……?頼むーっ、efil変えないでくれーっ、映像でもう一度観せてくれー!ほんとにこのセットリストの中で異色でゴリゴリでフジファブリックというバンドの魅力が詰まっていて最高だから……。


そして単純に、あんなデカ口開けて笑う人をほんとに久々に観た。それだけでしあわせな気持ちになった。

ふんわり霧雨に包まれるように帰る帰り道。とても心がほわほわとしてしあわせだった。良かったー。ライブ良かったー。


セットリスト

LOVE YOU
SHINY DAYS
efil
会いに
たりないすくない
赤い果実
楽園
Dear

Walk On The Way
陽炎
あなたの知らない僕がいる
光あれ
ポラリス
バタアシ Party Night
徒然モノクローム
LIFE

en. 手紙