【ライブレポ】フジファブリック 山内総一郎生誕祭 ~October Ensemble~ @Zepp Haneda

2021/10/25 フジファブリック 山内総一郎生誕祭 ~October Ensemble~
Zepp Haneda
開場 18:00 / 開演 19:00 / 終演 21:00


初めてのZepp Haneda。新しくできたZeppだけどこれまでのノウハウを生かしたより見やすい会場というわけでもなく(スタンディングになったらまた印象違うかな)、京急線混んでるし天空橋駅隣接とはいえ駅からは思ったより距離があり、所要時間的にはこっちの方が近いんだけど行き慣れてるからかZepp DiverCityの方がいいなという印象。今後Zepp Hanedaを使用する割合が増えていくんだろうか。これからもZepp DiverCityとEX THEATER ROPPONGIを主に使っていってほしい気が…。


実際観たのと配信で観たのまぜまぜの感想を。

今回は配信があって本当にありがたかった。現場では少し聴こえにくかったところもあった、ストリングスの音を堪能できた。あの一夜の夢みたいな世界に再び足を踏み入れる事ができて嬉しかった。

有観客で出来ない時に始まりだしたライブの生配信、最初は「嬉しい、けど、配信はライブの代わりにはなりませんから・・・・!!!」みたいなもやもやとした葛藤があったけど、今は配信はその頃とはまた在り方が変わってきていて、取り入れるのは大変だろうとは思うけど、これからも続けていってほしいし、共存していきたい。

仕事や家の都合でどうしても行けなかったり、レア公演でチケットが取れなかったり、行けるのに自分で行かないと判断せざるを得ない状況になったり、とか。そんな時に配信がある事でどんなに救われた気持ちになるか。

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ステージに赤い劇場の幕みたいなのが掛かっていて途中で開きそうな気配。(開かなかった)左上にストリングスのセットがある、ということは……!

開演、山内くんが一人で出てくる。


Walk On The Way

フジファブリックのライブの時はいつも冒頭は固い感じがあるけど、今日は登場からニコニコしてて歌声もリラックスしてのびのび。

フクロウ柄のギターストラップかわいい。(Souldier StrapのOwlsというシリーズだった)


手紙

オレンジと青の夕暮れみたいな照明がきれい。広い会場に艶のある弦の音がとても良く響く。しっとりと聴き入ってしまった。

MC。志村君との思い出を語る。

山内「出会った人の中ですげえ人とかいっぱいいるんですけど、月並みな言い方で申し訳ないんですけども、志村君の事はやっぱり天才だと思ってます」

山内「頑固でわがままでめちゃめちゃ大変だなと思う時もあったんですけど、多分お互い思ってたと思うんですけど、友達としてもミュージシャンとしてもずっとずっと尊敬しているバンドメンバーです」

頑固でわがままで大変って、こういうバンドメンバーだからこそ言える言葉にめちゃめちゃ愛情感じるなー。

僕と志村君で初めて作った曲を、と言って


水飴と綿飴

この曲のあとのMCで山内くんは「志村君の声を想像しながら作った曲なので僕はあんま上手いこと歌われへんな~って思う事もあるんですけど…」って言ってたけど、いや……私は歌を聴いてすごくびっくりしたんだけど……。

2017年の7月にあったSTAND ALONEって藤巻亮太さんと2人でやった弾き語りイベントで山内くんが弾き語る水飴と綿飴を初めて聴いたんだけど、その時は山内くんが35才か、詫びしいというか薄暗い感じのする繊細な歌で、青年ぽい雰囲気というか、その時はその歳の声で歌うのがすごいはまってるなーと思った。

今回聴いた水飴と綿飴、その時とはまた違う、たぶん今なら2017年的アプローチもどっちも出来るけど、こっちは2017年の時点での山内くんには表現出来なかっただろうなっていうような。こんなにディープに世界を染め上げるのかと。むせ返るようなジトッとした空気感(褒めてます…)、大人の薄暗さと子供の怖いような純粋が混ざり合ったような、すごい表現力だなと思った。

またこの曲にアコギが映えてね…。異国っぽい響きから、途中でちょっと楽しげに跳ねるところとサビに入る前のボン、ボン、て時計の音のようなベースの響きが好きすぎる~~~~~。。

こういう異国の匂いのする曲、山内くんの作る曲にはたびたびあって、古くは湯川潮音さんに提供した「逆上がりの国」、クラウドナインという舞台で平岩紙さんに提供した劇中歌「少年の一番の友」もすごく不思議なメロディだったなー(またいつか聴いてみたい)、みんなのうた「音の庭」はそういうカテゴリーの集大成みたいに感じた。

作詞をする人というのはその曲の中の奥の奥まで対話するんだろうか、山内くんの曲に志村君が詞を付けた「水飴と綿飴」、「B.O.I.P.」、「まばたき」、山内くんの本質を全部見抜いてないか?って思う。作詞した本人すらただ曲の声に従っただけでそんなふうに暴いてた事に気付いてないかもしれない、山内くん自身もその時は気付いてなかったかもしれない部分。怖いくらい純粋なところ、少年性、大人、薄暗いところ、おかしなところ、はじけたところ、無敵感、柔らかいところ、やさしさ、ひだまりのようにひどく穏やかなところ、落ち着いたところ、情緒、憂い、黄昏っぽいところ、希望、全部曲の中に見つけてた気がする。

山内くんが志村君と一緒に作った歌詞を付けてくれた曲があることが人生において宝物だって言ってたけど、私にとっても宝物だ。

曲数にしてまだ3曲なんだけど、フジファブリックのライブと銘打ってこんなに山内くんの弾き語りが続く事がなかったので「フジファブリックのライブというよりMellowに来てるみたいだな…」と思い始めてたんだけど、あとでそのコンセプトを聞いて、山内くんのソロパートのようでありながら既にここからフジファブリックの個人面談が始まってたんだって事にあとから気付く、その構成がお見事すぎて痺れた…。

山内「……話しますとー!僕が音楽を始めたのは……」ってでかい声で言い出した時は、2015年野音バースデーライブの時のような山内ヒストリー独白がまた始まるのかと思った。笑

「マンションの一室で震えながら(ギターを)始めた」←言い方 笑

ここで初めて組んだバンドのメンバー、という紹介で内田麒麟さん登場。たぶん生誕祭で音の庭初披露、内田麒麟さんが出てくれるのでは、と期待してました……!!

ステージの上での二人のほわほわした会話かわいい。二人の高校時代を想像して思いを馳せる。

内田「総一郎全然変わらへんなって思うけどね」
山内「俺変わらんかな?」
内田「変わらん」
山内「ほんまに?」
内田「見た目もなんか変わらへんし」
山内「あ、ほんと?でもあの時歌ってなかったからね」
内田「そう、そのイメージだけが違う。ギター弾いてるイメージしかなかったから」
内田「うわーって」
山内「ね」
内田「総一郎歌うたってるわーって」
山内「歌うたってんのよー」

このあたりの会話が好き・・・・

二人でフジファブリックの曲をやる、といってここはやっぱり「春の雪」かな?とか思ってたら

!!!!!!!!!!!

山内くんがあのリフを弾き始めて、身体中の全細胞が動揺した……。


Water Lily Flower

今日Water Lily Flowerが聴けるなんて思ってなかったし、まさか内田麒麟さんのチェロで聴けるなんて想像すらしてないじゃない。

ライブでチェロの音を聴いたの初めてかもしれない。心と涙腺を揺さぶられた。チェロの音好きだ。ギターに絡まるチェロの旋律が美しすぎた。音楽を好きでいたら時々こんな飛び上がるほど嬉しいサプライズに出会える。こんな美しい風景を見せてもらえる。音楽が大好きで良かった、生きててよかったって思う。

最後のサビでチェロがズンズンズンズンって(言い方…)高揚感ある奏法に変わるのと離さないで~を歌い終えたあとに滑り込むように始まるチェロのソロ?好きだ~~~。

最後の「離さないでー」はこれからもずっとその節回しで歌いますか?そうですか…。

個人的にはあの節回しが入るとエモーショナルになりすぎるので音源のサラッと感のが好きです、、(って言ってももうああ歌うと心に決めてそうでこれからもそれは変わらなさそう)

Water Lily Flowerという曲がやっぱり自分にとって特別すぎる。

ここまでで30分ぐらい、濃厚すぎて既に時間の経過がわからない。

「続いては家族に登場してもらいます」と紹介されて加藤さん登場。加藤さんニコニコニコ。

加藤さん、トークライブを経て一皮むけたというか、力が抜けたというか、表情も柔らかくていい感じになったなー。あきらかに前後で変わった気がする。加藤さんの人の話を聞く時の優しい相槌好きだな。メンバーが何を言っても受け止めてくれるような。

山内「(二人でやってると)キセルみたいやね(笑)」←笑

加藤「大丈夫かしら」
山内「リハやってへん(笑)」

でも大丈夫なんとかなるって思ってるでしょ?みたいな、家族らしい信頼関係(笑)好きー


たりないすくない

キノウとかやるのかなーと思ったらたりないすくないでびっくりした!選曲が絶妙に意外性があって楽しい。しかも加藤曲の中で一番好きなたりないすくない!

二人でやると歌にまったり感が増して良い。ほんとに歌詞がかわいいかわいい。

高い方の「エ・ゴ・イ・ズ・ム」だ!と思ったら、そこで音が止まって加藤さんの小噺が始まったの、曲の雰囲気ッ・・・!ってなったけど、東京と大阪の小さい会場で3回しかやってない加藤さんのトークライブの雰囲気をまだ見た事ない人に伝えてくれた&加藤さんにとってより広い会場でたくさんのお客さんの前での、チャレンジの場にしたのかなーとか思ったり。

加藤さんが山内くんに贈った寿限無、「寿に限りが無いと書いて寿限無、しあわせに限りがない、という意味で山内くんにしあわせに限りがない40代を送ってほしい」というメッセージだと言ってて素敵だなーと思った。山内くんにはずっと一生しあわせでいてほしい。加藤さんも、金澤君も。

ネットラジオ「ネトネト言わせて」の山内×加藤回のキャッキャした悪ふざけ感が好きで、この二人の組み合わせがとても好きです。

こんな遊びも加わったりして、たりないすくないのすっかりうちの子感。

またあとで!って言って加藤さんがいったんはけて、飛行音がしてきて(笑)スーツケースを手にキャプテン(金澤ダイスケ)登場。笑いの中で拍手。吉本新喜劇感。笑

かなざ…キャプテンがZepp Hanedaの事をしつこく「第4ターミナル」って言ってたのめっちゃおもしろかった。

金澤「40年、人生というマイルを貯めてきたわけだ。このマイルを今日使わずしてどうする!」
客「???????????」笑

金澤さんのエンターティナーっぷりはすごいな・・・・・
あなたがいてフジファブリックは楽しいです


スワン

この二人の音の出会いも本当に運命的なものだと思うのだよね。

キャプテンがはけたあと

山内「本当にあのFly Awayをいつまで引きずっていくんだろうか」
「えらい気に入ってんなって」


無垢に辛辣な山内くんのコメント笑った。

ここで山内くんが上着を脱いで柄シャツ1枚になったの大正解だと思うわ。(配信で観たらジッパーの横がビラビラレースになってて派手派手しくてめっちゃかわいい)

続いてドラムの伊藤大地さん登場。伊藤大地さんの派手なシャツかわいい。

各メンバーとの思い出話の時間がいいなぁと思ったけど(キャプテンとは特にしてない 笑)伊藤大地さんとの昔夜な夜ないろんなミュージシャン達(永積君、主宰のおおはたさんもいたって言ってたけど永積タカシさんとおおはた雄一さんかな?)が集まって下北沢の440(four forty)ってライブハウスで深夜セッションしていたその中にまだ20代前半だった山内くんと伊藤大地さんがいたって話すごく良かったなぁ。

伊藤「俺はもちろん総くんの事知ってて、フジファブリックを知ってたから、あれ!?山内総一郎来てるぞ、と思って」
山内「え、そうやったの?」

ドラムだし、歌なしのセッションだと思ってた。二人の応酬をうわ~~~と思って観ていたら、いきなり山内くんが「泣きたいくせに~」って歌い出して、エッ!??????


東京

ギャーーーーー東京始まった・・・・・・

なん、なんなん、なんなんこのかっこよさは・・・・・・

ドラムバキバキ、それに引き上げられるようなギター、お互い引き上げあうような演奏、ダークな歌、、

フジファブリックではあまりやらないギター、私は、こういうギターが聴きたかったです!!!!!

配信で観てたら2016年10月25日のペトロールズと共演したFENDER presents GO LIVE!のギタリスト姿の記憶が呼び起こされた・・・・

踊り出さずにはいられないグルーヴ

フジファブリックに東京という曲が生まれて本当に嬉しい。東京がなければフジファブリックの方向性はほんのちょっと変わっていたかもしれない。手紙の曲名言い間違い万歳。そういう意味で手紙は東京を生んだといっても過言ではない。(?)フジファブリックはいろんな面を持ってて明るい曲ももちろん好き、でも自分の奥底にある趣向として、暗さがある曲がすごく好きなんだよね・・・・・(だから音の庭もドンピシャ)

赤い照明かっこよかった。

そんな余韻覚めやらぬ中、フジファブリック全員集合。衣装替えした加藤さん、金澤君の柄衣装かわいい。どうしてこんなそれぞれの個性に合わせた服見つけてくるのか、衣装さん!

山内「今日はなんでこういう形にしたかっていうと、フジファブリックのすごさを一人一人わかってもらいたくて、なので個人面談みたいな形で(笑)やってきましたけども、まぁこういうふうに解体じゃないですけどね、一人一人はこういう音出してるっていうのはこういう形だとわかりやすいでしょ?バンドがこういうふうに成り立ってるっていうのが。そこを知ってほしかった」

さりげに「解体」とか言ってるの聞き逃さない… ちょっとウケる…


徒然モノクローム

SUPER!!

そういえばSUPER!!で金澤君がずっとピアノ弾き続けるバージョンってレアかもしれない!(サビで山内&加藤で前に出てきて左右に柄を振るまで金澤君がこの曲でギター弾いてた事すっかり抜けてた)

個人面談した時もそうだけど、やりとりも、演奏も、ほんとフジファブリック3人個性が全っ然違って最高だな!

フジファブリックだけで演った2曲が終わったあと、内田麒麟ストリングス(チェロ:内田麒麟ヴィオラ:三品芽生、バイオリン:三國茉莉、バイオリン:吉田篤貴)のみなさん登場

「ここで新曲をちょっとやりたいんですけど」(きた~~~)


音の庭

音の庭はもうこの最初のギターのリフと音色で決まったようなものだよね。音の庭のギター、指で弾くんだね。ひたすら音が気持ちいい。

Aメロ終わってサビにいくまでのコーラスの間に流れてる煌びやかな、鎖みたいなピアノの音めっちゃきれいね。

すべての音がそこで作られているしあわせさ。

それにしてもみんなのうたの効果ってすごいね。あれだけNHKで流れてるって事は毎日毎日誰かしら初めてあの曲に出会う人がいるんだよね。それが2ヶ月間。子供向けにわかりやすく、じゃなくて、本当に質の高いものに触れて何かを感じて欲しい!っていう制作チームの気合いを感じた。


Green Bird

必ずしも音源の音をライブで再現出来ないといけないとは思わない。再現性だけを考えると世界を狭めてしまう気がするし。ギター二本だったり、ストリングス入れたり、毎回ライブに呼ぶのは無理だけど、音源には音源の楽しさがあるし、ライブではそれをどう表現するかっていうおもしろさもある。

でも今日は、Green Birdを生ストリングスで初めて聴けて本当に嬉しかったなぁ。Green Birdの本当の姿を初めて知った気がする。曲がストリングスに出会えて嬉しそうだった。羽ばたくのが見えた。ドキドキした。ずっとずっと、この曲を生ストリングスで聴ける日を楽しみにしてたんだよ。ある意味Green Birdの為のこの日であったようにも感じる。

October  Ensembleが終わってからずっとGreen Bird聴いてる。来る日も来る日も聴いてる。元々大好きな曲だけど、惚れ直したみたいな感じ。


「最後に、精一杯の思いを込めて、僕が歌おうと決めた曲を歌いたいと思います」


ECHO

ECHO歌う時はいつも激情だけど、今日のECHOはとても穏やかで・・・守られてる気がする。

山内くんは志村君が歌っているところを初めて観た時どこを見ているかわからないような眼をしていたというのをインタビューなどでよく言ってたけど、今山内くんもそういうボーカリストになっているよ。

「離れ離れでも歩き出して」以降のストリングスアレンジが力強く素晴らしい。こんなふうにECHOの世界を表現してくれるんだなぁ・・・一緒に想ってくれる演奏。ひとりの独白みたいに始まったこの曲が。

最後掻き鳴らされるギターが心を引っ掻く。


アンコール。
ツアーグッズ身に纏ってるゆるゆる感にホッとする。FIESTAスカジャンが世界一似合うのは山内総一郎さんだと思います…。

山内「これだけは伝えなきゃなーと思うのは、僕にとってフジファブリックが人生の希望なんです。なので僕にとっての希望の形がみんなにとっての何か力になれるように、寄り添えるように、これからも音楽を作って、たくさんライブもやって会える場所いっぱい作るんで、これからもフジファブリックについてきてね!」
客:拍手
山内「ついてこいよ」


STAR

最後に演奏されるSTAR、STARTのSTAR、グッとくる。

ストリングスが入ったSTARって!想像すらしたことない!けどその違和感?のようなものに規定外の音楽のおもしろさが詰まってたというか、ロックとクラシカルなものがゴチャゴチャに混ざり合ってめちゃくちゃおもしろかった。フジファブリックと一緒にストリングスの人も一緒に本気で走ってるみたいな演奏で、ワクワクして、心震えた。演奏してる人みんな楽しそうだった。


最後に全員の名前紹介して、ストリングス隊の人達も前に呼んで、みんなで礼。

山内「40代がんばる!」



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まわりの人に愛されて、まわりの人を大切にして、そんな山内くんとまわりの空気をそのまま表したようなあったかい空気に終始満ち満ちたライブだった。

フジファブリックのライブの歴史の中でも本当に特殊なライブだった。

とはいっても山内くんがライブで練習中のドラムに初挑戦したわけでも最近よく弾いてるっぽい鍵盤弾き語りに挑戦したわけでもなく、(そんなお披露目もいつか楽しみにしてますが!)持ってたのはみんないつも自分が弾いてる楽器だった。

やっぱり山内くんの発想ってとんでる。フジファブリックの個人面談!まんまとそれぞれの楽器の素晴らしさに気付かされ、相手によってガラッと変わる世界観に山内総一郎のギターの凄さを再認識し、ステージにいる全員の全楽器の魅力を引き出してた。自分のバースデーライブで。

2時間という短い限られた時間の中で、自分達の魅力をフルで表現しつつ「ギタリスト山内総一郎が見たい」とか「ストリングス隊とフジファブリックの共演が見たい」というこっちの夢もいっぺんに叶えていかれました。。

1人で弾き語りで始まり→1対1で演奏×4人と→フジファブリックで→フジファブリック+ストリングスっていう、どんどん人が加わっていく流れが物語みたいで素敵だったな~。

フジファブリックが一筋縄ではいかないのが、ただ人が加わっていったら音が豪華になっていくわーっていう訳ではなくて、弾き語りの良さ、1対1の新しさおもしろさ、フジファブリックの良さ、ストリングが加わった時の素晴らしさ、その全部の形態をいいなと思わせるところ。

特に1対1は、目新しさもあって音的に挑戦的でもあり自分的にはすごく印象に残ったなー。ギター×チェロ、ギター×ベース、ギター×ピアノ、ギター×ドラム、2人だけでってそんなんできるの?って感じでおもしろいし、2つの楽器だけとは思えないような演奏で、音が足りない感覚はなく、いつもの曲が違うように聴こえ、アバンギャルドな感じがしてワクワクしましたよ。これって難しいと思うんだけど、成り立たせる自信があったんでしょ…。

それぞれの楽器に焦点を当てながらどんな楽器にも音にも形を変え呼応していくギター、山内くんは自分も輝きながらまわりの人も輝かせるプレイヤーなのだと思った。

フジファブリックは良い曲、良い演奏がある上で、見せ方もおもしろいなぁ。

お客さんの雰囲気がとても良かった。会場にふんわりした笑いがよく起こった。お得意の長い長い拍手(笑)。その拍手の中にも「…………とてもとても深く感動しました…………」な拍手や、「めちゃめちゃかっこよかったです!!!!」な拍手、曲によって色が違うように感じた。

ストリングスの音がバンドを包み込むようで、バンドを後押ししてくれているような力強いあたたかさを感じた。ストリングスを背負った山内くんの表情はいつもとはちょっと違ったなー。ストリングスとの共演が山内くんを、フジファブリックをまた高いところへ飛ばしてくれた。

またストリングスと一緒にライブやってほしいなぁ。今度はホールとかで観てみたい。


セットリスト

Walk On The Way
手紙
水飴と綿飴
Water Lily Flower
たりないすくない
スワン
東京
徒然モノクローム
SUPER!!
音の庭
Green Bird
ECHO
STAR