【ライブレポ】フジファブリック 山内総一郎生誕祭 ~October Ensemble~ @Zepp Haneda
2021/10/25 フジファブリック 山内総一郎生誕祭 ~October Ensemble~
Zepp Haneda
開場 18:00 / 開演 19:00 / 終演 21:00
初めてのZepp Haneda。新しくできたZeppだけどこれまでのノウハウを生かしたより見やすい会場というわけでもなく(スタンディングになったらまた印象違うかな)、京急線混んでるし天空橋駅隣接とはいえ駅からは思ったより距離があり、所要時間的にはこっちの方が近いんだけど行き慣れてるからかZepp DiverCityの方がいいなという印象。今後Zepp Hanedaを使用する割合が増えていくんだろうか。これからもZepp DiverCityとEX THEATER ROPPONGIを主に使っていってほしい気が…。
実際観たのと配信で観たのまぜまぜの感想を。
今回は配信があって本当にありがたかった。現場では少し聴こえにくかったところもあった、ストリングスの音を堪能できた。あの一夜の夢みたいな世界に再び足を踏み入れる事ができて嬉しかった。
有観客で出来ない時に始まりだしたライブの生配信、最初は「嬉しい、けど、配信はライブの代わりにはなりませんから・・・・!!!」みたいなもやもやとした葛藤があったけど、今は配信はその頃とはまた在り方が変わってきていて、取り入れるのは大変だろうとは思うけど、これからも続けていってほしいし、共存していきたい。
仕事や家の都合でどうしても行けなかったり、レア公演でチケットが取れなかったり、行けるのに自分で行かないと判断せざるを得ない状況になったり、とか。そんな時に配信がある事でどんなに救われた気持ちになるか。
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ステージに赤い劇場の幕みたいなのが掛かっていて途中で開きそうな気配。(開かなかった)左上にストリングスのセットがある、ということは……!
開演、山内くんが一人で出てくる。
Walk On The Way
フジファブリックのライブの時はいつも冒頭は固い感じがあるけど、今日は登場からニコニコしてて歌声もリラックスしてのびのび。
フクロウ柄のギターストラップかわいい。(Souldier StrapのOwlsというシリーズだった)
手紙
オレンジと青の夕暮れみたいな照明がきれい。広い会場に艶のある弦の音がとても良く響く。しっとりと聴き入ってしまった。
MC。志村君との思い出を語る。
山内「出会った人の中ですげえ人とかいっぱいいるんですけど、月並みな言い方で申し訳ないんですけども、志村君の事はやっぱり天才だと思ってます」
山内「頑固でわがままでめちゃめちゃ大変だなと思う時もあったんですけど、多分お互い思ってたと思うんですけど、友達としてもミュージシャンとしてもずっとずっと尊敬しているバンドメンバーです」
頑固でわがままで大変って、こういうバンドメンバーだからこそ言える言葉にめちゃめちゃ愛情感じるなー。
僕と志村君で初めて作った曲を、と言って
水飴と綿飴
この曲のあとのMCで山内くんは「志村君の声を想像しながら作った曲なので僕はあんま上手いこと歌われへんな~って思う事もあるんですけど…」って言ってたけど、いや……私は歌を聴いてすごくびっくりしたんだけど……。
2017年の7月にあったSTAND ALONEって藤巻亮太さんと2人でやった弾き語りイベントで山内くんが弾き語る水飴と綿飴を初めて聴いたんだけど、その時は山内くんが35才か、詫びしいというか薄暗い感じのする繊細な歌で、青年ぽい雰囲気というか、その時はその歳の声で歌うのがすごいはまってるなーと思った。
今回聴いた水飴と綿飴、その時とはまた違う、たぶん今なら2017年的アプローチもどっちも出来るけど、こっちは2017年の時点での山内くんには表現出来なかっただろうなっていうような。こんなにディープに世界を染め上げるのかと。むせ返るようなジトッとした空気感(褒めてます…)、大人の薄暗さと子供の怖いような純粋が混ざり合ったような、すごい表現力だなと思った。
またこの曲にアコギが映えてね…。異国っぽい響きから、途中でちょっと楽しげに跳ねるところとサビに入る前のボン、ボン、て時計の音のようなベースの響きが好きすぎる~~~~~。。
こういう異国の匂いのする曲、山内くんの作る曲にはたびたびあって、古くは湯川潮音さんに提供した「逆上がりの国」、クラウドナインという舞台で平岩紙さんに提供した劇中歌「少年の一番の友」もすごく不思議なメロディだったなー(またいつか聴いてみたい)、みんなのうた「音の庭」はそういうカテゴリーの集大成みたいに感じた。
作詞をする人というのはその曲の中の奥の奥まで対話するんだろうか、山内くんの曲に志村君が詞を付けた「水飴と綿飴」、「B.O.I.P.」、「まばたき」、山内くんの本質を全部見抜いてないか?って思う。作詞した本人すらただ曲の声に従っただけでそんなふうに暴いてた事に気付いてないかもしれない、山内くん自身もその時は気付いてなかったかもしれない部分。怖いくらい純粋なところ、少年性、大人、薄暗いところ、おかしなところ、はじけたところ、無敵感、柔らかいところ、やさしさ、ひだまりのようにひどく穏やかなところ、落ち着いたところ、情緒、憂い、黄昏っぽいところ、希望、全部曲の中に見つけてた気がする。
山内くんが志村君と一緒に作った歌詞を付けてくれた曲があることが人生において宝物だって言ってたけど、私にとっても宝物だ。
曲数にしてまだ3曲なんだけど、フジファブリックのライブと銘打ってこんなに山内くんの弾き語りが続く事がなかったので「フジファブリックのライブというよりMellowに来てるみたいだな…」と思い始めてたんだけど、あとでそのコンセプトを聞いて、山内くんのソロパートのようでありながら既にここからフジファブリックの個人面談が始まってたんだって事にあとから気付く、その構成がお見事すぎて痺れた…。
山内「……話しますとー!僕が音楽を始めたのは……」ってでかい声で言い出した時は、2015年野音バースデーライブの時のような山内ヒストリー独白がまた始まるのかと思った。笑
「マンションの一室で震えながら(ギターを)始めた」←言い方 笑
ここで初めて組んだバンドのメンバー、という紹介で内田麒麟さん登場。たぶん生誕祭で音の庭初披露、内田麒麟さんが出てくれるのでは、と期待してました……!!
ステージの上での二人のほわほわした会話かわいい。二人の高校時代を想像して思いを馳せる。
内田「総一郎全然変わらへんなって思うけどね」
山内「俺変わらんかな?」
内田「変わらん」
山内「ほんまに?」
内田「見た目もなんか変わらへんし」
山内「あ、ほんと?でもあの時歌ってなかったからね」
内田「そう、そのイメージだけが違う。ギター弾いてるイメージしかなかったから」
内田「うわーって」
山内「ね」
内田「総一郎歌うたってるわーって」
山内「歌うたってんのよー」
このあたりの会話が好き・・・・
二人でフジファブリックの曲をやる、といってここはやっぱり「春の雪」かな?とか思ってたら
!!!!!!!!!!!
山内くんがあのリフを弾き始めて、身体中の全細胞が動揺した……。
Water Lily Flower
今日Water Lily Flowerが聴けるなんて思ってなかったし、まさか内田麒麟さんのチェロで聴けるなんて想像すらしてないじゃない。
ライブでチェロの音を聴いたの初めてかもしれない。心と涙腺を揺さぶられた。チェロの音好きだ。ギターに絡まるチェロの旋律が美しすぎた。音楽を好きでいたら時々こんな飛び上がるほど嬉しいサプライズに出会える。こんな美しい風景を見せてもらえる。音楽が大好きで良かった、生きててよかったって思う。
最後のサビでチェロがズンズンズンズンって(言い方…)高揚感ある奏法に変わるのと離さないで~を歌い終えたあとに滑り込むように始まるチェロのソロ?好きだ~~~。
最後の「離さないでー」はこれからもずっとその節回しで歌いますか?そうですか…。
個人的にはあの節回しが入るとエモーショナルになりすぎるので音源のサラッと感のが好きです、、(って言ってももうああ歌うと心に決めてそうでこれからもそれは変わらなさそう)
Water Lily Flowerという曲がやっぱり自分にとって特別すぎる。
ここまでで30分ぐらい、濃厚すぎて既に時間の経過がわからない。
「続いては家族に登場してもらいます」と紹介されて加藤さん登場。加藤さんニコニコニコ。
加藤さん、トークライブを経て一皮むけたというか、力が抜けたというか、表情も柔らかくていい感じになったなー。あきらかに前後で変わった気がする。加藤さんの人の話を聞く時の優しい相槌好きだな。メンバーが何を言っても受け止めてくれるような。
山内「(二人でやってると)キセルみたいやね(笑)」←笑
加藤「大丈夫かしら」
山内「リハやってへん(笑)」
でも大丈夫なんとかなるって思ってるでしょ?みたいな、家族らしい信頼関係(笑)好きー
たりないすくない
キノウとかやるのかなーと思ったらたりないすくないでびっくりした!選曲が絶妙に意外性があって楽しい。しかも加藤曲の中で一番好きなたりないすくない!
二人でやると歌にまったり感が増して良い。ほんとに歌詞がかわいいかわいい。
高い方の「エ・ゴ・イ・ズ・ム」だ!と思ったら、そこで音が止まって加藤さんの小噺が始まったの、曲の雰囲気ッ・・・!ってなったけど、東京と大阪の小さい会場で3回しかやってない加藤さんのトークライブの雰囲気をまだ見た事ない人に伝えてくれた&加藤さんにとってより広い会場でたくさんのお客さんの前での、チャレンジの場にしたのかなーとか思ったり。
加藤さんが山内くんに贈った寿限無、「寿に限りが無いと書いて寿限無、しあわせに限りがない、という意味で山内くんにしあわせに限りがない40代を送ってほしい」というメッセージだと言ってて素敵だなーと思った。山内くんにはずっと一生しあわせでいてほしい。加藤さんも、金澤君も。
ネットラジオ「ネトネト言わせて」の山内×加藤回のキャッキャした悪ふざけ感が好きで、この二人の組み合わせがとても好きです。
こんな遊びも加わったりして、たりないすくないのすっかりうちの子感。
またあとで!って言って加藤さんがいったんはけて、飛行音がしてきて(笑)スーツケースを手にキャプテン(金澤ダイスケ)登場。笑いの中で拍手。吉本新喜劇感。笑
かなざ…キャプテンがZepp Hanedaの事をしつこく「第4ターミナル」って言ってたのめっちゃおもしろかった。
金澤「40年、人生というマイルを貯めてきたわけだ。このマイルを今日使わずしてどうする!」
客「???????????」笑
金澤さんのエンターティナーっぷりはすごいな・・・・・
あなたがいてフジファブリックは楽しいです
スワン
この二人の音の出会いも本当に運命的なものだと思うのだよね。
キャプテンがはけたあと
山内「本当にあのFly Awayをいつまで引きずっていくんだろうか」
「えらい気に入ってんなって」
笑
無垢に辛辣な山内くんのコメント笑った。
ここで山内くんが上着を脱いで柄シャツ1枚になったの大正解だと思うわ。(配信で観たらジッパーの横がビラビラレースになってて派手派手しくてめっちゃかわいい)
続いてドラムの伊藤大地さん登場。伊藤大地さんの派手なシャツかわいい。
各メンバーとの思い出話の時間がいいなぁと思ったけど(キャプテンとは特にしてない 笑)伊藤大地さんとの昔夜な夜ないろんなミュージシャン達(永積君、主宰のおおはたさんもいたって言ってたけど永積タカシさんとおおはた雄一さんかな?)が集まって下北沢の440(four forty)ってライブハウスで深夜セッションしていたその中にまだ20代前半だった山内くんと伊藤大地さんがいたって話すごく良かったなぁ。
伊藤「俺はもちろん総くんの事知ってて、フジファブリックを知ってたから、あれ!?山内総一郎来てるぞ、と思って」
山内「え、そうやったの?」
ドラムだし、歌なしのセッションだと思ってた。二人の応酬をうわ~~~と思って観ていたら、いきなり山内くんが「泣きたいくせに~」って歌い出して、エッ!??????
東京
ギャーーーーー東京始まった・・・・・・
なん、なんなん、なんなんこのかっこよさは・・・・・・
ドラムバキバキ、それに引き上げられるようなギター、お互い引き上げあうような演奏、ダークな歌、、
フジファブリックではあまりやらないギター、私は、こういうギターが聴きたかったです!!!!!
配信で観てたら2016年10月25日のペトロールズと共演したFENDER presents GO LIVE!のギタリスト姿の記憶が呼び起こされた・・・・
踊り出さずにはいられないグルーヴ
フジファブリックに東京という曲が生まれて本当に嬉しい。東京がなければフジファブリックの方向性はほんのちょっと変わっていたかもしれない。手紙の曲名言い間違い万歳。そういう意味で手紙は東京を生んだといっても過言ではない。(?)フジファブリックはいろんな面を持ってて明るい曲ももちろん好き、でも自分の奥底にある趣向として、暗さがある曲がすごく好きなんだよね・・・・・(だから音の庭もドンピシャ)
赤い照明かっこよかった。
そんな余韻覚めやらぬ中、フジファブリック全員集合。衣装替えした加藤さん、金澤君の柄衣装かわいい。どうしてこんなそれぞれの個性に合わせた服見つけてくるのか、衣装さん!
山内「今日はなんでこういう形にしたかっていうと、フジファブリックのすごさを一人一人わかってもらいたくて、なので個人面談みたいな形で(笑)やってきましたけども、まぁこういうふうに解体じゃないですけどね、一人一人はこういう音出してるっていうのはこういう形だとわかりやすいでしょ?バンドがこういうふうに成り立ってるっていうのが。そこを知ってほしかった」
さりげに「解体」とか言ってるの聞き逃さない… ちょっとウケる…
徒然モノクローム
SUPER!!
そういえばSUPER!!で金澤君がずっとピアノ弾き続けるバージョンってレアかもしれない!(サビで山内&加藤で前に出てきて左右に柄を振るまで金澤君がこの曲でギター弾いてた事すっかり抜けてた)
個人面談した時もそうだけど、やりとりも、演奏も、ほんとフジファブリック3人個性が全っ然違って最高だな!
フジファブリックだけで演った2曲が終わったあと、内田麒麟ストリングス(チェロ:内田麒麟、ヴィオラ:三品芽生、バイオリン:三國茉莉、バイオリン:吉田篤貴)のみなさん登場
「ここで新曲をちょっとやりたいんですけど」(きた~~~)
音の庭
音の庭はもうこの最初のギターのリフと音色で決まったようなものだよね。音の庭のギター、指で弾くんだね。ひたすら音が気持ちいい。
Aメロ終わってサビにいくまでのコーラスの間に流れてる煌びやかな、鎖みたいなピアノの音めっちゃきれいね。
すべての音がそこで作られているしあわせさ。
それにしてもみんなのうたの効果ってすごいね。あれだけNHKで流れてるって事は毎日毎日誰かしら初めてあの曲に出会う人がいるんだよね。それが2ヶ月間。子供向けにわかりやすく、じゃなくて、本当に質の高いものに触れて何かを感じて欲しい!っていう制作チームの気合いを感じた。
Green Bird
必ずしも音源の音をライブで再現出来ないといけないとは思わない。再現性だけを考えると世界を狭めてしまう気がするし。ギター二本だったり、ストリングス入れたり、毎回ライブに呼ぶのは無理だけど、音源には音源の楽しさがあるし、ライブではそれをどう表現するかっていうおもしろさもある。
でも今日は、Green Birdを生ストリングスで初めて聴けて本当に嬉しかったなぁ。Green Birdの本当の姿を初めて知った気がする。曲がストリングスに出会えて嬉しそうだった。羽ばたくのが見えた。ドキドキした。ずっとずっと、この曲を生ストリングスで聴ける日を楽しみにしてたんだよ。ある意味Green Birdの為のこの日であったようにも感じる。
October Ensembleが終わってからずっとGreen Bird聴いてる。来る日も来る日も聴いてる。元々大好きな曲だけど、惚れ直したみたいな感じ。
「最後に、精一杯の思いを込めて、僕が歌おうと決めた曲を歌いたいと思います」
ECHO
ECHO歌う時はいつも激情だけど、今日のECHOはとても穏やかで・・・守られてる気がする。
山内くんは志村君が歌っているところを初めて観た時どこを見ているかわからないような眼をしていたというのをインタビューなどでよく言ってたけど、今山内くんもそういうボーカリストになっているよ。
「離れ離れでも歩き出して」以降のストリングスアレンジが力強く素晴らしい。こんなふうにECHOの世界を表現してくれるんだなぁ・・・一緒に想ってくれる演奏。ひとりの独白みたいに始まったこの曲が。
最後掻き鳴らされるギターが心を引っ掻く。
アンコール。
ツアーグッズ身に纏ってるゆるゆる感にホッとする。FIESTAスカジャンが世界一似合うのは山内総一郎さんだと思います…。
山内「これだけは伝えなきゃなーと思うのは、僕にとってフジファブリックが人生の希望なんです。なので僕にとっての希望の形がみんなにとっての何か力になれるように、寄り添えるように、これからも音楽を作って、たくさんライブもやって会える場所いっぱい作るんで、これからもフジファブリックについてきてね!」
客:拍手
山内「ついてこいよ」
STAR
最後に演奏されるSTAR、STARTのSTAR、グッとくる。
ストリングスが入ったSTARって!想像すらしたことない!けどその違和感?のようなものに規定外の音楽のおもしろさが詰まってたというか、ロックとクラシカルなものがゴチャゴチャに混ざり合ってめちゃくちゃおもしろかった。フジファブリックと一緒にストリングスの人も一緒に本気で走ってるみたいな演奏で、ワクワクして、心震えた。演奏してる人みんな楽しそうだった。
最後に全員の名前紹介して、ストリングス隊の人達も前に呼んで、みんなで礼。
山内「40代がんばる!」
笑
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まわりの人に愛されて、まわりの人を大切にして、そんな山内くんとまわりの空気をそのまま表したようなあったかい空気に終始満ち満ちたライブだった。
フジファブリックのライブの歴史の中でも本当に特殊なライブだった。
とはいっても山内くんがライブで練習中のドラムに初挑戦したわけでも最近よく弾いてるっぽい鍵盤弾き語りに挑戦したわけでもなく、(そんなお披露目もいつか楽しみにしてますが!)持ってたのはみんないつも自分が弾いてる楽器だった。
やっぱり山内くんの発想ってとんでる。フジファブリックの個人面談!まんまとそれぞれの楽器の素晴らしさに気付かされ、相手によってガラッと変わる世界観に山内総一郎のギターの凄さを再認識し、ステージにいる全員の全楽器の魅力を引き出してた。自分のバースデーライブで。
2時間という短い限られた時間の中で、自分達の魅力をフルで表現しつつ「ギタリスト山内総一郎が見たい」とか「ストリングス隊とフジファブリックの共演が見たい」というこっちの夢もいっぺんに叶えていかれました。。
1人で弾き語りで始まり→1対1で演奏×4人と→フジファブリックで→フジファブリック+ストリングスっていう、どんどん人が加わっていく流れが物語みたいで素敵だったな~。
フジファブリックが一筋縄ではいかないのが、ただ人が加わっていったら音が豪華になっていくわーっていう訳ではなくて、弾き語りの良さ、1対1の新しさおもしろさ、フジファブリックの良さ、ストリングが加わった時の素晴らしさ、その全部の形態をいいなと思わせるところ。
特に1対1は、目新しさもあって音的に挑戦的でもあり自分的にはすごく印象に残ったなー。ギター×チェロ、ギター×ベース、ギター×ピアノ、ギター×ドラム、2人だけでってそんなんできるの?って感じでおもしろいし、2つの楽器だけとは思えないような演奏で、音が足りない感覚はなく、いつもの曲が違うように聴こえ、アバンギャルドな感じがしてワクワクしましたよ。これって難しいと思うんだけど、成り立たせる自信があったんでしょ…。
それぞれの楽器に焦点を当てながらどんな楽器にも音にも形を変え呼応していくギター、山内くんは自分も輝きながらまわりの人も輝かせるプレイヤーなのだと思った。
フジファブリックは良い曲、良い演奏がある上で、見せ方もおもしろいなぁ。
お客さんの雰囲気がとても良かった。会場にふんわりした笑いがよく起こった。お得意の長い長い拍手(笑)。その拍手の中にも「…………とてもとても深く感動しました…………」な拍手や、「めちゃめちゃかっこよかったです!!!!」な拍手、曲によって色が違うように感じた。
ストリングスの音がバンドを包み込むようで、バンドを後押ししてくれているような力強いあたたかさを感じた。ストリングスを背負った山内くんの表情はいつもとはちょっと違ったなー。ストリングスとの共演が山内くんを、フジファブリックをまた高いところへ飛ばしてくれた。
またストリングスと一緒にライブやってほしいなぁ。今度はホールとかで観てみたい。
セットリスト
Walk On The Way
手紙
水飴と綿飴
Water Lily Flower
たりないすくない
スワン
東京
徒然モノクローム
SUPER!!
音の庭
Green Bird
ECHO
STAR
【ライブレポ】DMCC2021 ~DooM!×4 ureC tanoC taibanjaー!!~ @Zepp Nagoya(キュウソネコカミ×フジファブリック)
2021/9/22
DMCC2021 ~DooM!×4 ureC tanoC taibanjaー!!~ @Zepp Nagoya
キュウソネコカミ×フジファブリック
開場 17:00-/17:20-/17:40-(席ごとの分散入場)
開演 18:10頃 / 終演 20:20頃
今日の座席は隣が空いてないバージョン。6月に来た時は隣と一席空けだったので、だんだんと元の状態に少しずつ戻ってきているんだと感じた。
開演前の注意事項をキュウソのヨコタさんのアナウンスで読み上げて、18時10分ぐらい押しで、MisirlouのSEでフジファブリック登場。
メンバーがパラパラと登場して、最後に山内くんが入ってきた。マイクの前に立って「DMCCにせんにっ……(噛む)(客・笑)2021へ、ようこそーーーー!!!」
フジフレンドパークのライブレポで見た柄シャツと柄パンツ、フジファブリックの柄×柄最高だなと思ってるので生で見られて嬉しい。
光あれ
キュウソとの対バンで1曲目光あれってちょっと意外だった。3ヶ月ぶりの生音生声、やっぱり最高だな~~~~~
光あれのアウトロがかなり壮大だったので「もうここで終わるのかな?」と思った。笑
山内くんの「いち、にっ、さん!」のカウントで
夜明けのBEAT
定番の夜明けのBEATすらも久しぶりと感じてしまう。演奏が暴れてて良かったな。ギターがまた更に更になめらかになったような。
赤い点滅する照明がかっこよかった。
楽園
夜明けのBEATからの楽園、かっこよかったなー。今日の楽園はベースが強い。FM802の春フェスで聴いた楽園がかなり衝撃的で割とそれを引きずってて忘れられなくて、その後あったツアーで演った楽園ではそのニュアンスはなかったんだけど、今日の楽園はちょっとその春に観た楽園をかするものがあったね……。なんか、重くて引きずり回されるような、悪い大人のような楽園。
「後退りは”やめちまえよ”」のドスがまたまたスゴイー。
山内「キュウソとフジファブリックの対バンってあんまりイメージないかもしれないけど、今日で5回目なんです。大好きなキュウソと対バンが出来てとても嬉しいです」
セイヤさんもMCであんまりイメージない?って聞いてたけど、私は音楽性は違うけど近い存在だと感じております。
山内「LINEグループもあるんですよ、フジファブリックキュウソネコカミって。誰も発言しないですけど(笑)」
客:笑
山内「キュウソと対バンする時はダイちゃんが張り切ってね」
金澤「筋斗雲乗ったりした事もあるんですけど、このご時世難しいので(笑)」
山内「タクロウ君が指を怪我してて今回は違う形でのライブになるっていう事はセイヤから事前に連絡もらってて。今キュウソってピンチだと思うんですよ。でもキュウソがすごいなって思うところは、バンドマンにとってライブって生きる事だと思うし、キュウソのライブに行きたくても行けなくて悲しんでる人がいると思ってライブをやるという決断をしたと思うんです。そんな彼らを尊敬してます。タクロウ君もきっと、またすぐに!ステージに戻ってくると思うんで、その時にはあたたかく迎えてあげて欲しいなと思います」
タクロウさんをすごく気遣ってて、とても力強い言葉を言ってたなー。もうすぐ光ある未来がそこまで来てると思うんで!って光あれの前のMCのような。
山内「僕らもこれまで行き詰まりまくってでもそこからが始まりだと思ってやってきたので」って言って、
徒然モノクローム
今日の間奏のギターソロも長くて遊んでておもしろかったな~。ここ長くなったのすごく良い。加藤さんが下手側に残ったまま間奏明け。慌てるでもなくゆっくりとポジションに戻っていった。
夢みるルーザー
この前奏は……?と思ったら夢みるルーザーだった!
夢みるルーザーは今日のキュウソネコカミに捧げられたセットリストだと思うわ。ラフさと勢いとバンドの楽しさがいっぱい詰まってて、やんちゃで良かった。
「また今日が変わって行く~~~~~~」の最後が、ファルセット!新しい!!!
夢みるルーザーは「ドキドキしたいから」「さぁ」「さぁ!」「さぁ~~~~~!!!」という最高の煽りが生まれたり、ライブでどんどん変わって生きる曲。大好き。
山内「今がとても大変な状況で、これまで想像してた未来の姿と今は違うものになってしまったかもしれない。けどさ、想像してた未来と違う自分でも、逆に!これでいいんだという気持ちを持って、生きて生きて生きて、一緒に生きていきましょう」
LIFE
今日のフジファブリックは気持ちが有り余ってるというか、それが演奏に歌に言葉に溢れてて抱えきれないくらい、っていうのを感じた。ライブやりたいよね…。
生誕祭にやりたい事をやる(というふうになった)というならば、この時期に時間と場所を確保出来てやりたい事っていったら出来る限りの音楽を、以外考えられないんだけど(いえ、なんでも好きな事をやってもらって結構です・・・)
MCがいつになく熱くてメッセージ性が強くて、それはフジフレンドパークで共演したsumika、My Hair is Bad、そして今日のキュウソネコカミから受け取ったものを全部乗っかってるんだろうなと思った。
LIFEの冒頭の歌詞、
「僕らは旅に出たんだよ、雨の日も風の日もあるけど」
「大切な何か…… キュウソネコカミと、みんなと…… 知りたいんだ」って歌ってた。
「知りたいんだ」のあと、あれ、今日は上げないんだ?と思ったら、「知りたいんだ~」って普通に歌ったあと、ためて「ぐぁ~~~~~~~~~~!!!」って思いっきりあげてきた。
若者のすべて
しっとりとした夏の終わりの若者のすべて。今年の夏はもう聴けないと思ってた。聴けて良かった。
キュウソの転換の間のSE。洋邦割と懐かしめ?の選曲。織田裕二のOver The Troubleが流れてたのめっちゃ気になった。ユーミンのルージュの伝言、Arctic Monkeysとかスピッツも流れてたな。
キュウソネコカミ
最初にセイヤさんの動きを見て「めっちゃ動くやん…」と思った。や、フジファブリックも動くんですけど動きの種類が違うっていうか、久しぶりにああいう機敏?笑 な動きをするライブを見た。
めちゃくちゃ久しぶりにガッツリキュウソネコカミのライブを観たんだけど、こんなにかっこいいバンドだったかな?と思った。全体的にハードな空気があって、ラウドで音圧がすごい!!バンドとしての塊感も以前よりもグッとなってて歌も上手くなってるしラップはキレるし、いやとにかく演奏がすごく良いー。曲自体もコミック的な要素が強いイメージがあったけど、変わった感じがした。大人になった、という表現はキュウソには似合わないな、そのまんま強く頑丈になって、幅が広がった感じ。ライブをやりまくってきたんだろうなとか同期や他のバンドとの切磋琢磨とか、積み重ねてきたものの跡を感じた。
やってる事は楽しいしおもしろいけど、音楽に関して基本的にキュウソは硬派だし熱い人達よね。
席ありだったけど、久しぶりにライブでスタンディング並に体を動かして踊れて気持ちよかったー!キュウソがそういうの上手いんだよ。軽く前でヨコタさんとかが指南してくれてあとはご自由に、みたいな。フリとか知らなくても楽しい。
声が出せないのに、それを感じさせない盛り上がり方だった。声が出せないのがなんだっていうのって思うような。キュウソのお客さんはハメを外すような人はいなくて、やっぱりファンはアーティストを見てるよな、と思った。
ハードな曲でお立ち台に立ってギター弾くオカザワさんかっこよかった。
セイヤ「(若者のすべてを受けて)さっきステージの上に花火が見えましたね」
セイヤ「フジファブリックみたいにピアノの入ったロックに憧れてました。ちゃんと練習したら良かったなって。ちゃんと練習せんままフジファブリックのカバーとかやってました!!」
ピアノが入った曲をやる前、ヨコタさんがピアノでさらっとフジファブリックのフレーズ弾いてくれた。
セイヤ「今さらっとフジファブリックのフレーズ入れたよな~?♪どーこーにー行きーまーしょうか~…」(説明してくれて丁寧だな。笑)
そしてだね、キュウソのみなさんのMCがフジファブリックを好きな人間の心をくすぐる素晴らしいMCでね……。大好きだよキュウソ。
セイヤ「フジファブリックって……かわいいよなぁ」
客:笑
セイヤ「トゥンクってなるんやけど、まずライブ中に山内さんが金澤さんに近寄っていってキーボードが乗ってる台に足を掛けた時のパァァ~~って弾ける笑顔に1トゥンク」
客:笑
セイヤ「なんやこのかわいい生き物!!!ってなって」
客:笑
セイヤ「それをほにゃ~っと見ているダイスケさん、そしてその様子を見守る加藤さん(と言って加藤さんの顔マネ、菩薩のような笑顔)しあわせの三角形を作ってる」
客:笑
ヨコタ「三人ともパンケーキみたい」
客:笑
ヨコタ「三人ともそれぞれホワホワしてて、でも音出したらあんなかっこよくて」
セイヤ「かっこいいしかわいいし。あんな大人になりたいな。もう後戻り出来ないぐらい大人やねんけど」
ヨコタ「あんな大人になりたい」
セイヤ「フジファブリックって僕らがお呼ばれする時は”これぞフジファブリック!”って感じでそこにいるんやけど、僕らのライブに来てくれた時って毎回ネジが外れるんですよね(笑)」
ヨコタ「さっき何のフォローもなく話してましたけど、金澤さんのコスプレってハロウィンとかそういうレベルじゃなくてコミケに来る人とかそういうクオリティですからね。ピッコロ大魔王で少しの隙もなく顔を緑色に塗ったり」
セイヤ「”柱”って書いた板に乗ったりしてたなー」
金澤さんのコスプレの思い出に花が咲くキュウソネコカミ(笑)
セイヤ「今回は出来ませんでしたけど、今度また盛大にやりたいですね!」
セイヤ「山内さんに楽屋で「なぁセイヤ、ツアータイトルの下のところなんて読むん?」って聞かれて答えたら、「(ステージで言うのを)やめとくわ~」って(笑)それで2021噛んでましたけど(笑)」
セイヤさんが山内くんの言った言葉を言う時(真似じゃないんだけど)ちょっとトロンとしててかわいいの何?
セイヤさんが「フジファブリックにめちゃめちゃ影響うけてるキュウソネコカミです!」って言ってたけど、キュウソの音楽へのリスペクトの仕方がすごく好きなんだよなぁ。どんな形でもリスペクトは嬉しいけど、キュウソはそのルーツとか影響を受けたものに寄っかかってないというか。リスペクトしながらバキバキに自分達だけの音楽をやって突き進んでいる姿、尊敬してます。
ベースのカワクボタクロウさんが指の負傷で休養をとってライブが延期になったりしてた事を知って、今度の対バンツアーはカワクボさんの過去の演奏に合わせて4人体制で実施?サポート入れず?ってその形に驚いたし、バンドが音源に合わすのって大変そうだしライブ感はちゃんと保たれるんだろうか?と思ったけど、いやーすごかった。ベース不在を感じさせない気迫のこもった演奏だった。
カワクボさんは踊ったりセイヤさんにギターを渡したり、ちょこちょこステージに顔出してた。(元気そうで良かった)
曲やる前にセイヤさんがイヤモニを付けるのを忘れてて慌てながら「これがないと僕は死ぬの、この中にタクロウがいるの、こことスピーカーの中にタクロウがいるの」って耳にイヤモニはめてたの、愛情を感じたなぁ。
セイヤ「今回この形でライブするにあたってヨコタがめちゃめちゃがんばってくれたんです」
ヨコタ「がんばったよー。それにスタッフもこの形でやるって決めてからめちゃくちゃがんばってくれて」
セイヤさんがちょっと恥ずかしそうに?ヨコタさんにお礼言ってた。
よくバンドマンってメンバーをいじったりけなして仲の良さアピールするみたいなところあるけど、キュウソってフジファブリックと同じで「けなし愛」みたいなのあんまりしないよね。(他でやってたらごめん 笑)ステージの上でとても素直にメンバーに思いを伝えるし、メンバーに助けられてるし信頼してるんだなーというのをステージから感じた。
ヨコタ「今ってライブに行かない理由っていくらでもあると思うんですよね。みなさんの状況もそうだし、キュウソの状況でやめとこっか、ってなる人もいるだろうし。そんな中来てくれて、自分で言うのもなんですけど元気な姿を見せる事が出来て、フジファブリックの素晴らしいライブを見る事が出来て、ライブをやって本当に良かったと思います」
ヨコタ「僕たちがこんなふうにピンチの時に、対バンがフジファブリックで良かったです」
最後の曲の前にヨコタさんが「フジファブリックも言ってたけど、行き詰まったところが始まりだと思ってこれからもがんばっていきたいと思いますー!」って言ってた。徒然モノクロームの歌詞が今こんな風に響いて、誰かの背中を押すなんてね。
キュウソだけでアンコール、挨拶の時ドラムのソゴウさんがセイヤさんにギターを掛けられてワタワタしてんのかわいかった。
最後2組によるセッションも挨拶もなかったけど、今は相手や自分達やスタッフを守る事を最優先に考えているんだという誠実さを感じた。
ああ、そういえばこの二組、ほんとに今日ステージに一緒に立つ事も会話を交わす事も一切なかったんだな…と後から気づいた。切ない。普通の2マンじゃありえない。でもその事を感じさせないぐらい一緒にステージをやってるって感じがした。
また次を感じさせるような言葉もあって嬉しかった。再びセッションや金澤さんがコスプレして?わちゃわちゃ出来る日が来るのを楽しみにしてる。
ミュージシャン同士でしか共有出来ない苦しさや切なさと、バンドマンとして生きる力強さを感じさせられてちょっと泣きそうになってしまった。この時期のこの2組だったからこそ、だと思う。
フェスやイベントでなく、バンドが主催する対バンっていうのは招く側の特性が色濃く出て主催する人の魅力がめちゃめちゃ伝わるものだと思う。ワンマンの次ぐらいに。(だからこそフジファブリックのあたたかい空気に包まれて相手の事を深く知れて相手によって変化するフジファブリックが見られるフジフレンドパークに行きたかったんだよ)
今日のキュウソは本当に輝いてて、今キュウソはこんなバンドなんだなって知る事が出来た。んでお互いのいいとこいっぱい言い合っててめっちゃしあわせな気持ちになった。
キュウソネコカミの2マンイベントは真摯に音楽で、肉体的にも精神的にも踊らされて、ライブって、こうよね……!バンドって、楽しい!!!って思い出させてくれた。引き上げられたー!
キュウソネコカミ、フジファブリックを名古屋に呼んでくれてありがとう。
フジファブリック
セットリスト
光あれ
夜明けのBEAT
楽園
徒然モノクローム
夢みるルーザー
LIFE
若者のすべて
フジファブリック I Love Youツアー Zepp Tokyo(配信の感想)
2021/6/30 フジファブリック I Love Youツアー Zepp Tokyo(配信)
開場 17:30 / 開演 18:30 / 終演 20:55
毎回ツアーが終わる時は感慨深いものだけど、今回は1ヶ月7本という短いツアーではあったけど完走するという事にいつも以上に特別な思いがあるな・・・とか思いながら今日の日を迎えた。
行けないはずのオーラスを配信で家で観られるの最高ー!それだけで感謝します…!と思ってたはずなのに、始まってみたら最初の方妙にカット割が早すぎる気がして、そして全員まんべんなく映すのはいいんだけど音楽の見所に関係なく「公平に」「順番に」ただまわしてるように見え、それがことごとく自分の見たいところとずれていて、「これはいつもと同じ映像チームなのだろうか」と思うほど、若干のストレスを感じながら観ていた。(ほんとどういうつもりと自分でも思うんだけど)(感謝してます感謝してますめちゃくちゃ感謝してます)それも後半には感じなくなったけど。それどころじゃなかったっていうのもある。
でも思うに、これはたぶん今回自分も実際にツアーを観に行ってて、それはもう自由に自分の見たいものを好きな時に好きなよーーーに見て(ライブって、そういうのがほんと素敵!)直後だったのでその自由とのギャップ?っていうのと、これが超個人的で一番の理由だと自覚してるんだけど、『efilのAメロリフを弾いている山内総一郎の規則的に動く左手を最初から最後まで観る』というのを生業としているので、今回配信で映像で観られるのを心の底から楽しみにしていたのがほぼ叶わなくて(あまり映さない、映してもほぼ引き、映してても角度が違う、すぐ次の画面に切り替わる、、、)残念だった、というあれです。
と今思えば前半そんなふうにとても呑気に観ていたのです。「前髪のひと束がずっと違う方向にいってるのがめちゃめちゃ気になる」とか「efilでいきなり髪型変えるの(横流し)やめて 笑」とか思いながら。
たりないすくない
大阪で感じたようなりらちゃんパートで雰囲気が変わるというのはもうなくなってて、ひとりで歌う歌として整っていった。だらしない影~あたりのリズムの取り方、絡まるほどに高まるモード~あたりのジェスチャー好き。わくわくするような曲を体現するように歌うの素敵。
東京
今日はJUJUさんが来るからここは赤い果実じゃなくて東京なのかー!東京入るのめっちゃしっくりくる。なんかI Love Youの世界観に合うなと個人的に思ってた過去曲→東京、バタアシParty Night、robologue。今日の東京リズムがなんかしっくりこなかった。
楽園
金澤さんのコーラスの表情が狂気ってていいですね。間奏入る前のギーンッてギターのところで暴れてるの(ちゃんと映ってないけど)いいですね。今日の「やめちまえよ」はいいやめちまえよ。(ダミ声のバランスが過剰すぎず丁度いい)
Dear
最後の方、あんまりないようなところであれ?と思うような声のぶれ。でもその時はたまたまかな、とそんなに気にしてなかった。
手
短いMCを挟んで歌い始めて、声が当たってない感じ、か細くなる感じ、コントロールが効かない感じ、険しい表情… 変な汗が出てきて血の気が引いた。さっきまで普通に声出てたのに一瞬じゃん。喉ってなんて繊細なんだろう。歌って→MC挟んで→歌、みんな普通にやるけどあれでリズム狂う事とかあるよね… 歌う人はMCするの大変だと思う。
最後のファルセットが全然音が出てなかった。こんな表情で歌うのも初めて見た。
歌い終わって
山内「あー最終日飛ばしすぎたなこりゃ、はは」
笑いながら言ってるのを見て、顔面蒼白。
喋り続ける山内くん。無理して喋らないで……と思ったところで「ツアーファイナルですねダイちゃん」と山内くんが金澤君に話を振った。後ろにまわってスタッフに耳打ちする、何かを取りに行くスタッフ、背中を向けてドリンクを飲む、咳払いをする、笑うけどすっと顔が戻る… きっとぐるぐるいろんな事を考えている、背後のそんな様子が気になってそこからの金澤君の話は全然耳に入ってこなかったんだけど(あとでちゃんと聞き直したよ…!)キーボードブースを出てステージの真ん中にきて喋りまくる金澤君と同じく真ん中に寄ってきて喋る加藤さんは、二人で山内くんの喉を回復させる時間を作って、二人して山内くんを守っているようだった。
これからのセットリストに思い巡らせてくらくらする。今はまだ序盤、これから「陽炎」→「あなたの知らない僕がいる」の鬼プログラムも控えてる。特に「あなたの知らない僕がいる」は調子がいい時でも難しい曲。とても高い壁、難攻不落の山がそこにそびえてるように感じた。今の喉の状態で歌うのは無理では……?回避する、なんて事あるのか…?しかもこれが普通のライブならまだしも今日は配信で全国の人が観ている。しかもゲストにJUJUさんが控えている。自分だったらもう怖くて逃げ出したい。とりあえず一旦ステージからはけて体勢整えたい。
でも山内くんはずっとステージの上にいた。ステージの上で普通の顔しながらたぶんものすごい不安と戦いながら次の事を考えてた。言ってたもんね、人が緊張してる姿を見るのがいやだと。だから自分も見せたくないと。動揺してる姿なんて絶対見せたくないし、ましてや人に心配されながら見られるなんてまっぴらごめんだよね。それはもう山内総一郎のステージに立つプライドというか。
フロントマンは、ボーカリストは、やっぱり柱なんだ。恐ろしいな、自分がライブを壊す事になるかもしれないものをしょってるって事は。そしてまわりは支える事は出来るけど、その人の喉を治す事は出来ないしその人の代わりになる事は出来ない。結局自分でどうにかするしかない。ボーカリストとは、そういうものなんだ。
でも、この短時間で喉の状態が回復する事ってあるの?なにか出来ることってある?
ちょうど最近観た情熱大陸でボイストレーナーの佐藤涼子さんの回を観た。りょんりょん先生、と言えばロックバンド界隈でも昔からとても有名な方で、志村君も指導を受けてて、放送では体の使い方ひとつで声の出方が違うのかーとか体力つけないとライブで持たないとか、ボーカリストってただ好きに歌ってるんじゃなくてめちゃくちゃいろいろ考えてるんだという事を知った。その時はちゃんみなさんが会場が乾燥しててライブ途中で喉がカラカラになって楽屋で吸入したりしてたけど。
金澤君も喋りながらいろいろ考えてるんだろうなぁと思った。MCタイムが終わって、次の歌歌うの、声が出るかめちゃくちゃ不安だっただろうな。画面の前で頼む、声、出てくれ・・・!と神様に祈るような気持ちだった。
Walk On The Way
歌い出して、あ、声、出てると思った。ちょっとまだガラガラしてるけど、ちょっと不安定なところあるけど、さっきと全然違う、ちゃんと当たってる、力がある感じ。ちょっとほっとした。山内くんの表情にさっきまでの不安さはなかった。
しかし山はここからだ。
ここであの加藤小噺タイムに救われるとは・・・!グッドタイミングだった。大阪~名古屋ではきょうの1曲の実写化みたいなテイストだったのが、東京では怪談タイムに変わってた。笑 ブースから出てくる金澤君もそうだけど、この小噺も元々やってた事だもんね。それがこんなふうにピンチを救う事になるとは。日頃からいろいろやっておくもんだね。(でもそうやっていろんな事を考え尽くされたタイミングでのMCの時間なのかもしれないね)
陽炎
出てる。声出てる。すげ~~~~、回復してる・・・。語尾の柔らかい部分も復活してる。
あなたの知らない僕がいる
この曲を配信とかみんなの前でドカーンと歌うのを楽しみにしてた。今日の調子で歌うのはもしかしたら不本意だったかもしれない、けど、今日のあなたの知らない僕がいるに心打たれた。今日の声が、いい。伝わる歌っていうのはこういうものなんだ。
クライマックスへ向かう「冷えるねって手を繋いで~」を歌い始める前の、すべてを受け入れたような雑念は何もない歌う事にすべて集中した姿がとても美しかった。見たことない顔だった。歌う全身からほとばしるエネルギーが見えるようだった。以前声がひっくり返ったところが今日は細くても届いた。気力が、強い思いが声を届かせたいところに届かせたんだと思う。
もうここまで来たら大丈夫だと思った。ひとやま越えてほっとしたところでJUJUさん登場。曲に合わせて赤いかわいい衣装で来てくれたの嬉しかった。飄々としてて、笑わせてくれて、ほんとにこのタイミングでJUJUさんが出てくれて良かったなー。
山内「かなりダメ元でオファーしながら。受けてくださって」
JUJU「ダメって絶対ないじゃないですか。フジファブリックに呼ばれて断る人います?」
山内「フジファブリックのオーディエンスはどうですか?」
JUJU「お客さん達と演る側ってイコールじゃないですか。こっち(ステージ)もフジファブリックならあっち(客席)もフジファブリックだなぁって」
JUJU「(JUJU苑)声の通りの想像しているまんまの山内さんがいらして、声を出された瞬間に、手紙を一緒に歌っていただいた時に”ヤバい本物がいる”っていうのがあって、本番の時は本番の時でリハって何なんだろうなっていうぐらいのリハを凌駕するあの声」
JUJU「(赤い果実)デモの段階でラララとトラックだけで聴いて、私ちょっと泣きましたもんね。あのリハーサルとかあの現場からこれがもし山内さんが受け取って下さった私達の印象だとしたら、生きてきてよかったなって思いました」
JUJU「NYに人生の半分ぐらいいたんですけど、その時に一緒に遊んでた人だったかな?と思ったぐらいその頃の事をめちゃくちゃ思い出したんですよ。ほんとすごい嗅覚。あの時間の中で私の人生の半分ぐらいいたのをコード感に集約出来るスーパーコンピューター的な?山内富岳があるんでしょうね、きっと」
以前JUJUさんがインタビューで「私のライブリハで初めてお会いした時、透明感というものを人にすると山内さんになるし、山内さんにかかると周りの全ても透明になっていくんだなぁと思いました」って言ってた時もわぁ・・・なんか「わかってる」、この人、と思ったけど、今日のJUJUさんが話した言葉もとても素敵で嬉しくて。
なんかこういうところに気付いて表舞台でそれを言葉にして山内くんに直接伝えてくれる人ってそんなにいなくて、なんか、山内くんは「この人にはちゃんと伝えたい」と思わせるような人なんだと思うし、今日の言葉はほんとにめちゃめちゃ嬉しかったと思うし、それだけでもうこの人の事一生信頼してしまうようなずっと心に残るような言葉だったし、今日最後まで山内くんを歌わせた力のひとつになったんじゃないかな、と思った。
赤い果実をJUJUさんが歌い始めて、「わーJUJUだ!」と思った。笑 2番の歌い出しJUJUさんパートを山内くんが歌いかけて舌ペロしてたけど、すっかり一人で歌うのが染みついたのね、と思った。笑 そこに歌ってくれてる人がいるっていうのは、いいね。
光あれ
揺れるバングルライトの光、映像で俯瞰して観る事が出来てよかった。ステージからの景色も見られてよかった。とてもきれいで泣きそうになった。
あーああ、めっちゃ叫ぶ・・・・、声も笑顔も戻ってよかったなー。泣
ポラリス
光あれからポラリスになだれこむのめっちゃ好き。I Love Youツアーにおけるポラリスの清涼感と疾走感がとても印象的だった。
徒然モノクローム
「行き詰まった時、それが、そこが始まりですという曲です」今日特にその言葉が染みるね…。写真OKの徒然モノクローム、映像だとどんな感じに映るんだろうなーと思ったけど、みんなが思い思いに好きな場面を撮ってる画面を映像で映してるのがおもしろかった。Bメロ~サビに向けてカメラ撮影を終えほぼノってるフジファブリック民、素敵。笑(そして間奏に入るとスマホを掲げる)今日の間奏のギターソロいいなー。
終わったあと山内くんが「撮れたか~」って聞いてくるの、お兄さんぽくていい。
アンコール
MCでフジフレンドパーク開催の告知する時山内くんが「フジフレンドパーク2011~~…2021~~!」って年数10年間違えるのこわすぎるわ。笑 久々のフレパ開催嬉しい!あの中止になった年の幻の対バン相手がわかるのも嬉しい。1年経っても快諾してくれてありがとう!その頃には世の中はどうなっているんでしょうね。
手紙
最後になんであんなふうに歌えるの。ボーカリストって、すごいなぁ。
「手」を谷にして、V字回復。何をどうやったらそうなるのかわかんない。人間の体なの・・・
2018年3月23日の帰ってきた!!三日月ADVENTUREツアーオーラス1日前のEX THEATER ROPPONGIでも同じような事を思った事があった。終盤にかけて山内史上一番ってくらい喉をやられて声が出てなくて(でも今日に比べればいつも観てない人だったら気が付かない程度だったかも)アンコールもう歌えないのではないかと思った。でも持ち直してケロッと歌ってて(って当時自分は思ったけど、その時も決して「ケロッと」ではなかったんだろうね…)ライブ中に喉を痛めてしまってもう声が出ないのでは、と思ったボーカリストが魔法でも使ったかのように不思議とまた声が出るようになるの、あれは身体の限界を超えたところで音楽の神様が力を貸してくれるのかな、なんて思ったけど、でも今回のライブ観て、そうじゃないと思った。それは奇跡じゃなくて、ボーカリストが自分の体と経験で、自分自身で乗り越えているのだと。
ライブの途中で声が出なくなった時、出ない声のまま最後まで力いっぱい全力で歌って、そんな姿が胸を打ったねって。自分にはそんなシナリオしか浮かばなかった。そういう人を見た事もある。でもそれは最終的には誰もしあわせにならない方法で。でも山内くんはそうはならなかった。想像でしかないんだけど、ボーカリストは何かあった時の手段をいくつか持ってステージに立ってるんだと思う。いつものような歌い方は出来ないけど、モードを切り替えたように見えた。フジファブリックのライブとして成立させて歌い切るために。精神論でがむしゃらに歌って喉を壊すのではなく、コントロールして、持ち直して、プロとしてのクオリティで歌い切った。山内くんは冷静でクレバーだ。そしてあのいつもステージでの肝の据わったところは何なんだろうなー。
でも最後の方完全にいつもの歌い方に戻ったのは自分の想像を越えてた。ボーカリストって、すごい・・・
それでも人間の体なのでどうにもならない事もある。あって当たり前では、ないんだよなぁ。山内総一郎の声はこの世でひとつの楽器だ。大切にしたい。山内くんが自分の出したいと思う声でこれからもずっと歌い続けていけますように、この世で一番大好きな歌声をこれからもずっと聴いていられますようにと思った。
そしてメンバーがとても頼もしかった。バンドとして強すぎる。何があっても!!!絶対に最後までやり通す!!!という気迫を感じた。痺れた…。そして、二人は本当に信じてるんだなーと感じた。山内くんの事を。何かがあった時バンドがどう乗り越えていくかっていうドキュメンタリーをリアルタイムで見せられた気分。配信で観られて良かった。途中すごいドキドキしたけど!これがフジファブリックというバンドの乗り越え方。
バンドって最高だ。
聞き込んで聞き込んでやっと生で聴けたI Love Youの曲たち。山内総一郎だけで歌うとちょっと重めで人間味滲んじゃうコラボ曲がもう愛しい。また聴きたい。そして音源に戻るとその軽やかさがまた新鮮に響く。ライブって、いいな。
何かをやろうとして全力で取り組んでいたものを途中でぶった斬られるって、頭の切り替えもなかなか出来ないし、ずっとすっきりしなくて引きずってしんどかっただろうなと思う。何かひとつ通してやり終えて区切りをつけるって本当に大切な事なんだ。
I Love Youツアー完走、おめでとうございます!
セットリスト
LOVE YOU
SHINY DAYS
efil
会いに
たりないすくない
東京
楽園
Dear
手
Walk On The Way
陽炎
あなたの知らない僕がいる
赤い果実(with JUJU)
光あれ
ポラリス
バタアシ Party Night
徒然モノクローム
LIFE
en. 手紙
【ライブレポ】フジファブリック I Love Youツアー Zepp Nagoya
2021/6/25 フジファブリック I Love Youツアー Zepp Nagoya
開場 17:30 / 開演 18:30 / 終演 20:35
今日は加藤さんのバングルライト、グリーンに光らせて登場。
efil
やった、efilセットリスト固定なんだ!(固定…なのか?配信になる東京公演2デイズだからちょっとだけ心配してる)
2度目のefilを観て……、これは……、確信、この曲を演奏するフジファブリックが好きすぎる。そしてこの曲のギターを弾く山内総一郎が輝きすぎてる。クールですべての所作が完全体で、山内総一郎はいろんな要素を持つ人だけど、すべての要素をもって山内総一郎なのだからその中で何が一番好きかなんて選べないけど、私、「この要素」が一番好きかもしれない・・・・・・・・
efilを大きなきっかけにしてフジファブリックを好きになったのは曲が好きだったからで演奏姿がどうとかそこまで当時考えてなかったけど、なんかもうこれがトリガーのひとつになったのは今日のこの心境に至る運命だったのでは……と2021年のefilを観ていて思ったのだった。
山内くんはヘドバンみたいな動きで揺れる髪を楽しんでいるようだ。
Aメロからずっと続くリフを弾く、弦の上で握ったり滑ったりの作業的な動きを繰り返す、左手が色気あってめちゃくちゃ好きだ!!!!!!!!!!!!!!!
あ、efilって武道館の映像に入ってるな、あれも好きだったなと思い出してうちに帰ってから引っ張り出して観てみたら、これは2014年、7年前、30代前半で武道館公演、たぶん人生最良のひとつと思われる日なんだけど、そこを人生最も輝いていた時期にするんじゃなくて、年齢関係なく今の方が艶々で表情もプレイも生き生きしてるのなんなんだー。その瞬間その瞬間が好き。でも最新のフジファブリックが一番かっこいい。
会いに
efilの余韻さめやらぬ中軽快に会いにになだれこむのいいね!会いにの伊藤大地さんのドラムほんといい。めちゃめちゃ合ってる。爽やかで疾走感すごい。今は軽快感に力強さが加わる。山内くんが歌い終わったあと「会いに来たぜーーーーー!!!」って叫ぶのめちゃくちゃ好き。
MC
山内くんが「I FAB Uツアーが途中で終わってしまったんですけど、その最後が名古屋だったんですね」って言って、あ、そうだったと思い出した。私が最後に観たフジファブリックのツアーのライブだった。あの時は不安がだんだん募りつつマスクはみんなしてなかったなー。でも私はこの先の参加はちょっと難しいかもしれない、と最後になる覚悟の上の参加だった。そしたらその後ツアー自体が中止になってしまった。「だから、また名古屋にこうしてツアーで名古屋に来れて、今日がツアーの初日みたいなものです!」名古屋で途切れたものが名古屋でまた繋がった気がした。
山内「今日はめちゃくちゃ感謝述べるから覚悟しててね」
客:笑 ???(”述べる”……笑)
山内「今日は声出したりは出来ないけど、拍手とか手拍子とか、笑ったりとか、声出さないで歌ったりとかはいいからね?♪フッフ~~、フッフ~~!とかね?」(前やった時より激しい 笑)
たりないすくない
この曲でふわふわ躍り出しそうな山内くんがいい。あれ、今日はりらちゃんパートが甘ったるくないぞ?大阪で聴いた時はりらちゃんパートが歌い分てた訳じゃないと思うけど甘い落差を感じたけど、今日は全編同じトーンで歌ってた気がする。
金澤君が全部コーラスやってたのかと思ってたら、最初加藤さんがコーラス(りらちゃんパート)やってたんだ!金澤君はサビのコーラスをやってた。
「知ってた?本当の私はちょっとだけずるいよ」の語尾が若干……若干「♪」みを感じた……。アコースティックライブでりらちゃんが歌った時のような♪みを感じた……。はーかわいいこの曲ほんとかわいい・・・。
赤い果実
歌い重ねていってどんどん歌が良くなっていってる。耳障りが心地よい。ギターソロ~間奏明けサビ前「♪名前を呼ぶ声~×☆※$△~」って歌詞が。笑
Dear
あーやっぱりライブのDearの飛び幅がすごい……。アルバムI Love Youの中で他の曲がそれぞれ強い色を持つ中で若干地味(という言葉は使いたくないんだけど)な印象のDearだったんだけど、ライブですごく強い。とても映える。歌もだけど、演奏……!この曲がそんな自由度を持つようになるとは思ってなかった。浮遊系のギターの音が好き。同じエレキギターの音なのかと。1番が終わって静かな間奏、を切り裂くようなノイジーなギターにゾクッとした。静寂と狂気。演奏が暴れ出す寸前の氷面。
手
曲を自分の事として振り返ったりする事が今まであまりなかったけど、手という曲を通して、そこに込められた思いや願いを知って、飛行機雲を指差してくれた事はないけど今まで見せてもらってきたいろんなものを思い出して、そういう事かな、そんなふうにして自分と重ね合わせる感覚ならわかるな、と思った。このあたたかい曲の思いに、寄り添いたいな。
手を歌い終わったあと
山内「みんなに言ってなかった事があるんですけど、親父の棚から奪ったレコードっていうのは、ひこうき雲なんです。ユーミンの。あの曲、めちゃくちゃいいよね!」
棚から奪ったレコードはユーミンのひこうき雲って話、一回だけインタビューで話してたよね……?あれは「みんなに話した」にカウントせずで…?(いえ、ライブでこんなふうに教えてくれて嬉しいです)
ここで声が出せたら、誰かが「歌ってー!」なんて言って、みんながそれに便乗して、山内くんがひこうき雲を一章節歌ってくれるんだろう、なんてせつない想像をした。
名古屋はすごく盛り上げてくれる、って話をして
山内「名古屋久しぶりやね。ダイちゃん、どう?」
金澤「……どうって(笑)!」
客:笑(出た雑なフリ)
困りながら金澤君がマイクをスタンドから取り外してキーボードブースから出てくる。客笑。
金澤「僕はいつもキーボードに囲まれているんですけど、こうして外に出ると嬉しいですね」
金澤「久しぶりにツアーをやって確信した事があるんですけど、・・・・人に観られるのが気持ちいい!」
客:拍手
Walk On The Way
金澤君のピアニカがめちゃくちゃ自由で独創的で良かった~~。どこまで行くのってぐらい、飛んでいきそうだった。愛する曲の歌詞にやっぱりコロナ入れないで欲し~~。
そして始まる加藤の小噺。今日は「鰻」。
「鰻は捕まえて養殖しようとしても雄になってしまうので養殖が出来ない」って言った時ドラムの台に腰掛けて話を聞いてた山内くんが「えっ!!!」ってデカい声だしてお客さんが笑った。金澤君は片膝抱えて鰻の話を聞いてた。
陽炎
「締~め~つ~け~る」の部分の山内くんの歌い方がすごく、独特。蕩けそうにしっとりとしてて、ここ歌うの気持ちよさそう。山内くんにしか出来ない歌い方だな~。山内くんの表現が詰まってる。叙情的で、原曲を聴いて描いてきた陽炎の映像と違う景色を今、新たに見せられた。それはとても美しい景色です。
あなたの知らない僕がいる
聴いている間中、身動きが出来ない。
一番のサビ最後、「あなたの知らない”僕がいる”」を歌う時の爆発力がすごい。大阪で一部声がひっくり返った最後の最後で音が思いっきり上がる部分、克服してきた。歌い切った。
山内くんは次々新しい山を課すなぁ、自分の作った曲で自分に。昨日の自分を越えていく。当時ギリギリだったECHOが今では歌えるように、あなたの知らない僕がいるも乗り越えていくんだろうなこの人は。
終わった後の長い長い拍手。
光あれ
このツアーで光あれがもっと好きになった。
写真OKタイムがある徒然モノクロームが終わったあと、
山内「あの、サビが来たら(スマホで写真撮るのやめて)のるみたいな、みんな人の良さ出てるから」
客:笑(よく見てるなー)
山内「ありがとう」
LIFE
「雨の日も風の日も・・・コロナの日もあるけど」って歌ってた。
アンコール
山内「今日が初日みたいなものだって話をさっきしたんですけど、ツアーあと2本だけなんです」
この前始まったばかりなのに、やっぱり早く感じるなー。
山内「あと東京なんですけど、最終日ゲストの方が。JUJUさんが来られます」
客:拍手
サプライズは先に言っていくスタイル。配信もあるし先に言う方がいいよね。この時期に誰かとステージでコラボ出来るなんてとてもありがたいし、ライブ返しというか、JUJU苑でJUJUさんの世界に山内くんが飛び込んでJUJUさんの世界の素晴らしさを知ったように、今度はJUJUさんにフジファブリックの世界を知ってもらいたい!なにより生赤い果実が聴けるの楽しみ。山内くんは共演する誰かの存在で変化するから楽しみ。
山内「最終日配信もあるんで、今日より良くなってるか確認してください(笑)」
山内「みんな今日来るの不安もあったと思うけど、俺らもすごい不安だったの。前中止になった事もあるし、SNSとかで発信していてもなんか、悲しい感じになるというか」
参加する側だけじゃなくて、やるアーティスト側も不安なんだなーと思った。
山内「今日は外が暑くて、海外に来たみたいで、そういうの久しぶりの感覚だった」
「今日は大地君にも喋ってもらいましょうよ」って言って伊藤大地さんを紹介。
伊藤「僕この前名古屋の電車全部乗りました」
客:拍手
伊藤「松坂に行ってお肉を食べてきました。一人で」
山内「誘ってよ」
加藤「僕は新美南吉記念館に行きました」
山内「誘ってよ」
加藤「誘ってよ第二弾(笑)」
客:笑
虹
わ、アンコールセットリスト変わるんだ!
虹久しぶりな気がするな~~~~うれしいな~~~
虹だったか、どっかで声が裏返った?かでめちゃめちゃ舌出して笑ってた。
最後のコール&レスポンスのところで山内くんがマイクを外すから、思わず歌いそうになっちゃって(あ・・・歌っちゃいけないんだ)って思ったらぶわっと思いが溢れてしまった。誰も歌ってなかった(フジファブリックのお客さんはほんとそうよね…!)けど、山内くんは満足そうに笑っていた。「伝わってるよ」って言われてる気がした。
山内「SHINY DAYSの歌詞じゃないですけど、またみんなに会えるよう、僕たちは準備をして、場所を作って待ってますんで、その時まで体に気を付けて、また元気で会いましょう」
手紙
あぁ?もしかして大阪は手のMV公開があったから1曲減らされたのか?という黒い感情が一瞬。笑
今日はギターの日!若干バランス欠いてるんじゃないかってぐらいギターの音が大きかった。ギターの一挙手一投足が聴こえるってぐらい終始ギターの音が良く聴こえた。「あそこはこんな風に弾いてたのかー」とか「ここでこんなの弾いてたのか」とかいつもは聴こえない細かいバッキングみたいなのも聴こえてたくさん発見があった。こんな機会なかなかないかも。楽しかった。
そして、演者を押し上げる最後のピースはやっぱり熱狂するお客さんの姿と歓声なのかもしれない、と思った。この心地よい空間も最高だったけど、またあの狭くてうるさくて大変で愛しい場所へ戻らなくては。と思った。
セットリスト
LOVE YOU
SHINY DAYS
efil
会いに
たりないすくない
赤い果実
楽園
Dear
手
Walk On The Way
陽炎
あなたの知らない僕がいる
光あれ
ポラリス
バタアシ Party Night
徒然モノクローム
LIFE
en.
虹
手紙
【ライブレポ】フジファブリック I Love Youツアー Zepp Namba
2021/6/18 フジファブリック I Love Youツアー Zepp Namba
開場 17:30 / 開演 18:30 / 終演 20:35
天気 パラっと雨。検温ももぎりもスムーズに入場。いつもはザワザワとしているフロアはグッズ売場がある以外は閑散としている。(ここにたまらないで席に行ってくださいとスタッフの人がアナウンスしてた)ズラーッと座席番号がライブハウスのフロアに並べられたパイプ椅子の背に貼ってあってあれ今日は隣に人がいるパターンなのか?と一瞬思ったけど普通に隣ひとつ開けだった。座る席に一枚フジファブリックのフライヤーが置いてあった。開演時間には座席が埋め尽くされた。
セットにたくさん置いてあるFABRIC THEATER 3の映画ライトみたいな低い位置にあるライト、あれは目潰しライトにならないか・・・!と心配したけど全然大丈夫だった。
18時30分、定刻に暗くなって、鍵盤が主体となったようなごきげんなSEが流れてきて、加藤さんを先頭にいつもよりぬるっとメンバーが出てくる。加藤さんの手には青く光るバングルライト。最後に山内くんが出てきてマイクの前に立って、「こんばんはー!フジファブリックです!」って言って珍しく最初にメンバー紹介。
LOVE YOU
それぞれのソロパートが楽しい。
SHINY DAYS
LOVE YOU~SHNY DAYSはちょっと崩せないぐらいライブの掴みにぴったりすぎる流れなのよね。メンバーのソロ歌唱パートがいい感じになってる。場数を踏んで歌唱力が上がっている…?
efil
ファ~っと音が流れてきて次の曲は何だろう?という期待の中、デデッ、デデッ、って音で即efilだとわかってギャーーーッッてなった……。I Love Youツアーでefil聴けるなんてまさかまさかだよ。
自分がフジファブリックにはまったのはLIFEツアー観たからだけどその中でもefil聴いたのがすごく大きな要因になっているので久しぶりに(LIFEツアーぶり?)に生で聴けてほんとにほんとに嬉しかった。しかも痺れるぐらいゴリゴリにカッコよく進化してて、「これが2021年のefilか……」と呆然としてしまった。この間、ヤバイヤバイヤバイしか思ってない。
efilはね……今の歌声に、はまる!!!
歌が終わってからの後奏~エンディングの演奏のバンドの塊感がめちゃくちゃ気持ち良かった。最後のフーウーウーウーってコーラス好き。
山内くんが膝折り折りしながらギター弾いてるの久しぶりに観た。バンドのライブさえなかなか観られない中、これまでは年に2回ぐらいイベントとか共演者との演奏とかで観る事が出来た、フジファブリックでギター弾いてるのとは違う種類の「ギタリスト山内総一郎」が全然観られなくなってしまった。そういう時に感じてた感覚を思い出すような弾き姿だった。
会いに
今の思いがすごくこもった選曲だーと笑顔になった。会いにの伊藤大地さんのドラムがとてもエモーショナルで、こんな風にこの曲を叩いてくれるんだ、伊藤大地さんとはこんなドラマーなんだと感動した。I FAB Uツアーの時より今回のツアー更に伊藤大地さんのドラムがはまってるように感じた。また一緒にツアーをまわる事が出来て良かった。
MC
山内「こういう状況なので声を出したりとかは出来ないですけど、拍手とか、手拍子とか、笑ったりとか、ふ~ふ~ふ~ってハミングみたいなのは大丈夫なんで・・・♪フフ~フフ~フフフフ~フフ~(軽いギター伴奏付きのたりないすくないのサビを実演 笑)」
客:笑
たりないすくない
わー再びI Love Youタイムが始まった……!しかもフジファブリックだけで演ってるのを配信でも聴いた事が一度もない「たりないすくない」、あの世界をどんなふうに表現するんだ……?とドキドキしてたら始まった山内総一郎による歌い出し。うぉぉ・・・当たり前だけど、1人でたりないすくない歌うんだ・・・!
「この世の終わりってあるかな?」
ッッッッッッッ
・・・いやー、りらちゃんパートを山内くんが歌うのはかなりの衝撃だぜ・・・?
基本的には幾田りらさんの音源ではなく金澤くんが少し小さめの裏声でコーラスのように合わせてたと思うので(りらちゃんの声みたいにかわいい 笑)、あの浮遊感は損なわぬままデュエット曲ではなく一人の曲として成立してた。
で、りらちゃんパートを歌う山内くんはなんなの・・・・ちょっと眠そうで甘いんだよ・・・・。
山内くんが歌うりらちゃんパートを聴くのめちゃめちゃ楽しかった。「エゴイズム」は音源の山内パート通りなんだけど、音源では自分の耳がりらちゃんパートに引っ張られてた(というのをライブでわかった)ので、突然低くなるように感じる。
そして一番楽しみにしてたところ、
「知ってた?本当の私はちょっとだけずるいよ」
・・・ッッッッッッッ
(満足です)
音源はフェイドアウトだけどライブではピタッと終わった。生たりないすくない最高に心地よかった。ゆるゆるファルセット良い~~。
赤い果実
たりないすくない~赤い果実の流れも崩せないよね。赤い果実はこれまで通りJUJUさんのコーラス流してたけど、配信で観た時のような「ここにいない人の声」感は感じなかった。(配信の時はガッツリ音源流してる感じがしたけど今回はさりげなく聴こえる、ぐらいの感じだった)
赤い果実のような楽曲をサラッと歌えるようになったのは強いなぁ。
「エロいギターソロ」ガン見。生で聴けてしあわせ。
バングルライト、クリア+モノトーンなのがめちゃくちゃかわいいね。実物の方が完全にかわいい。あの走り書きっぽいI Love Youの文字がいいように作用してる。クリア面前にしたら普通に日常生活にも溶け込みそうだよ、光の色も淡くて、特にホワイトは完全に白じゃなくて薄紫っぽいのがきれいだった。(と家で見た時は思ったけど会場で光らせたらそんなに紫っぽくはなかった)フラッシュもかわいい。けどライブでフラッシュを使う機会(勇気?)がなかった。お客さんのバングルライトは最初、初期設定で青く光ってる人が多かった。あれね、曲に合わせて色を選びたいとは思うんだけど、色数多いし選んでる時間がないのよ。そういう事情からか、赤い果実では最初意外と赤にしてる人少なかったけど最後の方には会場が赤く染まった。
楽園
楽園の前奏のワクワク感は異常。歌が悪そうな気怠い雰囲気になる。2番の頭、まぁまぁ長い間歌詞が言葉じゃない何かになった。笑
Dear
どの曲もライブで聴いて「あ、音源よりライブの方がいい。」って思うんだけど、特にDearはそれが強い。歌い方が他のどの曲とも違って極力くせや感情を削ぎ落としてまっすぐに歌うようにしているんだろうか。その淀みない感じが曲の荒涼感に合ってとても美しくて。広い大地にどこまでも広がっていくよう。こういうフジファブリックが観たかった、って思う。音源と違うアレンジのアウトロのキーボードに絡み続けるギターもひたすら美しい。
手
FM802との手のMV作る企画、今日発表じゃなかったっけ?てっきり手を演奏する時うしろで流すと思ってたので、普通に演奏が始まったので間に合わなかったのかな?(いやでもそんなはずは…)???と困惑しながら聴いてた。
手を初めて配信で聴いた時「山内くんのご両親が聴いたらめちゃくちゃ嬉しいだろうなー」と思ったけど、自分の立場に置きかえてとかそういうのまったくなかったわ、と思った。思えば今まで他の人とかでも曲を聴いてきて、自分と重ねてとか自分に置きかえてというやり方をほとんどして来なかったような…?ただただ曲の中の世界にどっぷり浸って、そこにまったくって訳ではないんだろうけど自分がとかいうのはあまりない。それがどうというわけじゃないんだけど、そういう音楽の聴き方の属性なのかな…?と、手という曲を通してそういう事を初めて考えた。
で、今日の手はとても感情的で、その姿を見て、もし大阪に住むご家族が今日来てて聴いてたらすごく誇らしく思うだろうなーと思った。演奏が終わった時の金澤君の山内くんを見る表情がとても柔らかかった。
MC
この時のMCだったか金澤君に話振ったらキーボードブースからマイク持ってズイズイと出てきてステージの前の方に立って話し始めたのおもしろかった。「やっぱり人に観られるのって気持ちいい!」って言ってお客さんが笑ってた。(ガッツポーズみたいなのもしてたような…)
山内「俺たちはその道を行くぜ、という曲をやります」
Walk On The Way
このMCからのWalk On The Way良かったー。
金澤君が前奏でピアニカ吹いて、よりアコースティックにアレンジされたWalk On The Way。フジファブリックの音楽があって、山内くんがメンバーの顔見て笑いながらとても気持ち良さそうに歌ってて、フジファブリック のいつも通りの風景が広がっててちょっと泣いてしまった。
「心の中でずっと転がっていけばいい」のあと「なぁ、ダイちゃん?」って山内くんが呼びかけて、金澤君のピアニカソロ。
「コロナはつれないけれど」ってまた歌詞変えて歌ってた…。「つれない」って言葉がなんか拗ねてるみたいな、ちょっとチャーミング?なニュアンスのイメージがあって(実際にはないんだけど)コロナ……つれない……っていつもいちいち引っかかるんだけど、ちゃんと意味調べたら「思いやりがない。薄情である。冷淡である。」なので、別に合ってるので、うん・・・・。
最後はやっぱりHere Comes The Sun。
MC
ここでおもむろに加藤さんが喋りだす。加藤さんの小噺。まるで「きょうの1曲」が映像化したようだった。あの黒い画面にズラッと白い文字が並んでいるのが目に見えるようだった。
要約すると「スパイスカレーの店に入ると女性2人組のお客さんが先にいた。席に着いて注文して待っていると女性2人組の席にスパイスカレーがコトリと置かれた。(このコトリという表現がかわいかった)そしてその女性のうちのひとりの発言がヤバかった。「なんかスパイスカレーがかわいく見えてきたー」と言った。皆さんの中でスパイスカレーにかわいいという感情を抱いたことがある方はいますか。」手を上げた人がほぼいなくて加藤さんが安心してた。
話が終わったあと「大丈夫?」って聞かれた。笑
その話はさておき(?)その後のMCで加藤さんが「こういう状況になってしまったけど、こうしてライブハウスで自分のスペースを保ってライブを観るというのはなかなかない貴重な体験だと思うんです。そして時間が経った時あの時あのツアー見られて良かったと感じると思うし、僕らもツアーをやって良かったって思うと思う」って話をしていて、そうだなぁーと思った。こういう状況になってから行くライブ、正直隣の席に人が来なくて自分のスペースが広くて見やすいのすごく快適だった。
陽炎
聴いたことないアコースティックなギターの前奏が始まって、あ、でも知ってるこのフレーズ、♪~♪~♪~♪~♪~、締~め~つ~け~る~、って、あ、陽炎?????
このアレンジが、普通じゃないのよ。このアレンジ出来るのフジファブリックだけだよ。他の誰かがアレンジ変えて歌うアコースティックな陽炎じゃないんだよ。「進化したフジファブリックが表現するフジファブリックの陽炎」を表現できるのは、フジファブリックだけなんだよ。フジファブリックのその先を見せられるのは、フジファブリックだけなんだよ。
声が全面に出て、これ、このBPMで、特にサビ、アコースティックで歌い切るのは強い声と説得力ないとかなり難易度高いと思った。サビが志村君だーと思った。言い方難しいな、歌い方を似せてるとかじゃなくて山内くんの歌い方と声と表現なんだけど、志村君だーと思った。
あーまたアコースティックセルフカバーアルバムに収録してほしい曲が増えてしまった。2枚組にしようそうしよう。あ、それよりもシリーズ化がいいかも。(まだ発売予定はありません。)
あなたの知らない僕がいる
今日のツアーはいろんな驚きがあったけど、間違いなく一番グッと来たのがこれ・・・。ギター置いてマイクスタンドからマイクはずして立ったら、ギクッとするじゃん。
ギター持ってないと裸みたいって言って実際ギターを外して歌った事がほとんどない人がギターを置いて生身の体でひとり立ってるんだよ。そういう覚悟でこの曲を歌うんだなと思うじゃない。
歌い始めの声に緊張があった。右手でマイク持って左手でずっと、たぶん最初から最後までマイクのコード握ってた。ゆっくり体を左に、右に揺さぶって。
ハンドマイクで歌い上げるの、以前のフジファブリックではタブーだったんじゃないかな。タブーってほどの決まり事じゃないけど、そういう事はやらないと避けてきた部分なような。熱く歌い上げるのカッコ悪いとかダサいとかそんな価値観があったような。でもこの曲がそうさせる、そうせざるを得ないのよね。
「冷えるねって手を繋いで」のあとからが圧巻だったな。真正面で歌だけで感情でどろどろになって全部吐き出して、君はそんなふうに歌うんだ、こんな山内総一郎初めて見た、あーーこういう山内総一郎を見たかった、と思った。
ひとつ言うことがあるとすれば、今回マイクスタンドからだいぶ下がって奥まった場所でマイクスタンドに隠れるような感じで歌ってたので、ステージの真ん中に来てもっとお客さんの近くに立って歌って欲しいなというのがある。もしくはスタンドマイクさしたままとか。その方がもっと歌声が届いてくるような感覚になる気がする。足下にエフェクターボードが広がってるからしょうがないのかな(立ち位置決まってるのかな)とか思うけど。
終わってからの拍手がすごかった。ずっと鳴り止まなかった。
山内「・・・ありがとうございます」
客:拍手
山内「・・・歌い上げてしまいました」
客:笑 拍手
山内「次の曲ではみなさんと一緒にやりたい事があるんです。バングルライトあるでしょ。持ってない人はスマホの光を掲げてほしいんです。バングルライトの光の色は、白。」
(色の指定入った。笑)
山内「これをサビで振って欲しいんです。♪光あれ~(サビを歌い出す。客席で手がゆらゆら揺れる)・・・ずっとこのままやり続けたいぐらい綺麗(笑)」
光あれ
光あれの光景は夢みたいだったなー。たぶんこのライブを思い出す時ずっとこの景色が浮かぶような。「会えて嬉しかった」のところで「会えて嬉しかったぜーーーーー!!!」って叫んでた。アウトロの長いギターソロ、いつまでも続けばいいのに、と思った。
ポラリス
久しぶり!!!光繋がりだろうか。相変わらず指がこんがらがりそうなギター。
バタアシ Party Night
今日はハンドマイクで前に出てこなかった。コール&レスポンスは出来ないけど体動かせるの楽しい。
MC
今日のMC好きだったなー。三人のフォーメーションもさることながら、山内くんがくだけてて・・・なんというか、自由な・・・笑。なんかさ〜、ほんでな〜みたいなノリで、関西弁でとめどなくペラペラペラペラ喋ってて、あんまり気を使われてないというかそれがなんだか嬉しく。
山内「関西弁で喋ってますけど。いつも喋ってますけど。東京行ってもなぜか関西弁が抜けなくて、それで図々しいって言われんねんけどそんなん知らんがな」
客:笑
山内「関西弁は素晴らしい」
客:拍手 笑
山内「このツアーの印みたいなのをみんなにお土産として持って帰ってもらいたいと思って、次の曲では写真OKです。SNSとかに載せてもらっても全然いいんで。加工してもらってもいいし(笑)あ、鼻血ブーとかはやめてね(笑)?」あと白目がどうとか言ってたような。
印みたいなの、お土産、って言った時、新曲?と思ってしまった。
徒然モノクローム
写真撮影もそこそこにすぐスマホを置いて踊りだすまわりの方々、素敵だなと思いました。(別に写真撮ってても全然OKです)時折山内くんがポーズとかピース。ライブ後にカメラロールにライブの写真が残ってるのってすごい不思議だね・・・
演奏終わったあと「いい写真は撮れましたか?」
アンコール
山内「あ~~しあわせ。」
客:笑
(あ~美味し、あ~いいお湯、とかそういうテンションで言ってておもしろかった)
山内「ゆるいかとか、システムの関係で赤富士配信とか、バタバタといろんなものが終わって寂しい思いをさせたかなーと思うけど、俺たちは手を緩めず、リリースとかもそうですけどいろいろ考えてるので」
山内「繰り返しになるけど、えー、あー、なんや・・・」
金澤「・・・何を繰り返しましたか・・・?」
客:笑
山内「どんな時でも続けていく事、続いていく事、踏ん張って生きる事、生かしていく事が大事だなと思って。シンプルなんですけど。ライブとか、出来なくなってから大切な事に気付いたりとかして。俺ってバカって」
「踏ん張って生きる事」「生かしていく事」。とても心に残ったMC。(あと俺ってバカ…)
「自分たちがみんなの光や希望になれればいいなと思ってたけど、みんなが俺らの希望です」ってとても自然にサラッと言った。
手紙
あーーー(セットリスト的に他の土地でもそうなのかもだけど)大阪で手紙演ったらこれで完全に終わってしまうーーーー・・・。この次に曲を付け足すものは、ない。もっと聴きたい、と名残惜しい思いで最後の曲を聴いた。
曲が終わって、メンバーが前に出てきて手は繋がず離れてそれぞれの場所で万歳して礼をしてはける途中で山内くんがスタンドマイクの前に戻ってきて、「FM802との企画でファンから写真や映像を募集した手のMVが完成しました。とても丁寧に作ったつもりです。今日は最後にそれを観て帰ってください」って言ってはけたあとスルスルとうしろの幕が開いてスクリーンが出てきた。
企画を聞いた時は橋爪さんだし光あれみたいな仕上がりになるのかなと想像してた。流れた手のMVは、ただ曲をBGMに写真や映像が次々と映し出させるようなものではなくてちゃんと俳優さんが出てきて、集められた写真はハッキリと映るわけじゃなくて(最後にはっきり出てくるけど)昔のフイルム映像みたいだったり水の中だったり、イメージ的に使われていてちゃんとMVだった。他のアーティストもよくやってる「ファンから集めた写真で出来たMV」みたいなのが苦手だったし橋爪さんの関わる映像作品は得手不得手があったけど、とても良い写真、良いMVだと思った。(水の中に写真というのがんーみたいなのはちょっとあるんだけど)山内くんが言ってた「大切な人との写真を集めたMVにしたかった、自分たちの大切な人はみんななんで、みんなとMVが作りたかった」っていうのはとても素敵だなと思った。
でも最後にMV流れると余韻が音源の手になるから手を演奏する時とかアンコールの最初に流してもらって最後は生の演奏と歌声で終わりたかったなーというのはある。
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IN MY TOWNぶり、ライブハウスでは2019/4/19 FEVERMANツアー Zepp Osaka Baysideぶりですかね……?の大阪のライブハウスでのフジファブリックワンマン。6月に入ってずっと緊張してたし今週に入ってからもずっと緊張してた。どうか無事であってくれ、と当日まで思っていた。
ここに行き着くまで心も枯れたりとかしてなにか感情というものは残っているのだろうか?と思ったりしたけど、ライブ観て、戻ったわ。元の体に。今までなんだったんだろうというぐらい正気に戻った。というかこの前までの状態が正気で今までずっと芸術によって正気じゃないまま生きてきたのかもしれない。なんかもう音楽、ずっと自分を正気にさせないでくれ、と思った。
コロナ明け……てはまだないけど、長い抑圧の時を経て開催された久々のツアー、元の場所に戻った、懐かしいというより新しかった。一本のセットリストにいろんな試みがあって最後まで目が離せなかった。楽園という曲が出来た時金澤君の戦った跡が見えたと山内くんは言ったけど、このツアーにこの日観たライブにフジファブリックの過ごして来た日々の跡があった。フジファブリック というバンドの凄み。そして以前よりもライブがゴリゴリになったというか、人間くささを感じた。品があって丁寧なのはそのままで、だけどそれだけじゃないザクザクとしたなにか。
こういう困難に遭遇した時、ミュージシャンが苦しかったね大変だったねと変にこっち側に気を使って優しくなったりするのは絶対イヤだなと思って。フジファブリックはいろんな事に影響を受けて変わっていってるんだと思う、大阪城ホールが終わってからの道筋もちょっとかわってしまったかもしれない、(変わらないわけないよね)でも良い音楽を作るという事については何があっても変わらない。目の前じゃなくてもっとずっと広い目で見ていると感じた。以前よりもっと懐が深くなったのを感じて頼もしかった。いつもフジファブリックがこっちが想像する「こう」を越えてくるね。フジファブリックは、すごいな~~。
I Love Youというアルバムは今までで一番ライブまでの間隔が長く聴き込んだ曲かもしれない。そしてコラボ相手がいる3曲、そのまま再現出来ない曲の世界観をフジファブリックだけで再構築するというライブならではの新しいお楽しみがあるというのは今までにないものだった。再現出来ないのを逆におもしろさ、強みにしているみたいな。
生で聴くI Love You、どの曲も素晴らしかった~。山内くんがMCで「I Love Youの曲を聴き込んできてくれたのが伝わってくる」って言ってて伝わってるんだ…とホロリときた。ほんとにほんとにこれまでめちゃめちゃ聴き込んできたから。なんだか山内くんはいつも全部お見通しって気がする。そしてそれをいつも言葉にして伝えてくれる。
結局、途中に過去曲入るけどI Love Youの曲順はほぼアルバムのままだったね。それぐらいあのアルバムは完璧な流れだったね。
東京公演とかではもしかしてコラボ相手の誰かが歌いに来るのかな?生で見られるのいいなーと思うけど、フジファブリックだけのI Love Youの曲を聴けたのも本当にしあわせ。
過去曲も全部最新のフジファブリックでやると違う風に聴こえて新鮮だった。「これが2021年のフジファブリックか・・・」と何度思ったか。
こんな状況でのツアーだったけど、声を出したいもっと体動かしたい盛り上がりたい以外はこれまでと何も変わった事はない、満足だった。本来ならもうちょっと聴けるのでもっと聴きたいって気持ちになったけど、それでもフジファブリックの曲ばかり18曲、ワンマンは、至福の時……!あー~~もっと見たい。
心理的に前と後で変わった事と言えば、この目の前に見えているものをなんとか感覚に残したい、ずっと目に心に留めておきたいという気持ちがより強くなった。
山内くんの発声、変わったなー。MCの声もなんだか違うように聞こえた。(配信とかで観ると変わってないけど)やっぱり曲によってはっきり言葉を言わずめっちゃ言葉繋げるのあるね?あと下からずわーっと這い上がって音程に辿り着くような感じがたまに。
あれだけ声出たら歌ってて気持ちいいだろうなーと思う。今回のマイク一本というのもすごく嬉しかった。そういう選択肢が出来たんだなーと。これからも挑戦していって欲しい。
東京の配信でefilを再び観られるの?あなたの知らない僕がいるをマイク一本で絶唱する山内総一郎を映像で観られる……?頼むーっ、efil変えないでくれーっ、映像でもう一度観せてくれー!ほんとにこのセットリストの中で異色でゴリゴリでフジファブリックというバンドの魅力が詰まっていて最高だから……。
そして単純に、あんなデカ口開けて笑う人をほんとに久々に観た。それだけでしあわせな気持ちになった。
ふんわり霧雨に包まれるように帰る帰り道。とても心がほわほわとしてしあわせだった。良かったー。ライブ良かったー。
セットリスト
LOVE YOU
SHINY DAYS
efil
会いに
たりないすくない
赤い果実
楽園
Dear
手
Walk On The Way
陽炎
あなたの知らない僕がいる
光あれ
ポラリス
バタアシ Party Night
徒然モノクローム
LIFE
en. 手紙
フジファブリック アルバム「I Love You」の感想
新しい曲を聴いて最初に感じた事というのはライブでたくさん聴いてから思う事とは変わってきたりして時間が経つと的外れになったりするけど、それもまたその時の自分にとっての真実、という気もするのでそれを書き記す。
01. LOVE YOU (Music : 山内総一郎)
「LOVE YOU」というタイトルから一番初めに出たI Love Youのティザーで流れたような音楽(のちに赤い果実の前奏と知る)のようなしっとり系とかアコースティック系を想像してたので、秘密のFab Room(アルバム発売前に収録曲を初めて披露する場となったオンラインライブ)で初めて聴いた時はその予想外の勢いのある楽曲に度肝抜かれた。
合いの手のような掛け声のような声が入ってるのも楽しい。演奏しててめちゃめちゃ楽しかっただろうなぁというのが音源から伝わってくる。アルバムLIFE収録シャリー以来通算二度目となる山内くんの笑い声収録曲ですが、山内くんの笑い声っていうのはつい入れたくなる最高の”音声”なのかしら。(わかる)
ライブでフジファブリックがこの音源通りのまま演るわけがなく… 歌詞という決まり事がない分余白ありあり。またツアーが出来るようになって、ツアーで育っていくのを観れるようなそんな状況になることを望んでいます。
フジファブリックのインストって曲と曲を繋ぐような短いものはあったけど(アルバムLIFE収録曲のF.T.79とか。しかもあれはefil の派生みたいなものだったし)こういう曲としてバーンと1曲!みたいなインストは今回が初めてで。そういうものを出せるという今の自信でもあるのかなと思うし、元々フジファブリックは演奏だけでもめちゃめちゃおもしろく、歌詞が乗る作品とはまた違う楽しみ方になるというか、これまでもあった「歌あり」と「バッキングトラック」で別の2曲として楽しめるようなところがあって、「歌詞がある」、言葉というものは強烈なもので、普段歌詞がある事によってかなりの割合で意識そっちいっちゃってるんだなというのをバッキングトラックを聴くと改めて感じる。意識の差で今まで聴こえてなかった音が聴こえてくる。
曲の間の箸休めみたいな存在でなく、ひとつの楽曲としてインストはおもしろい。これからもたくさんインスト作品も作っていってほしいな。
02. SHINY DAYS (Words & Music : 山内総一郎)
LOVE YOUからSHINY DAYSへの流れがとても好き。朝に聴くとテンションがあがる、キラキラの音。
個人的な趣味でいうとたぶんこういうテイストの楽曲、パーティチューン?とか、自分は得意じゃないと思うのです。でもそういう個人的な趣味とか好みとか全部ぶっ飛ばしてこの曲がめっちゃ好きなのです。理由が本当にわからないのです。理屈じゃないのです。めちゃくちゃ聴いてます。曲の構成が凝っててとても楽しい。
山内くんのボーカルは特に近年曲ごとの声の歌い分けを感じるんだけど、こんなはしゃいだ声出せるんだ!って驚き。跳ねるようなリズム感も気持ちいい。
そして、歌詞が非常に好きです。ほんとにフジファブリックは三人ともに言えるけど歌詞がどんどん洗練されていってる気がする。それも「詩集に載って鑑賞する」タイプではなくて、歌詞カード読んでても楽しいんだけど、音楽に乗った時にバチンと音にはまって言葉が弾ける「詩」じゃなくて「歌詞」。
SHINY DAYSは言葉のリズムと音楽への乗り方が非常~~にいい。
頭サビのあとに始まるAメロが夏の大三角関係(BOYS収録)=人力Perfume を彷彿とさせる。
・「TINY TINY BOY」のちょっと古めかしい語感がくすぐられる
・「ふき掃除 掃き掃除するよ」がサビにのるおもしろさ
・「準備じゃない?至福を招く」→ワンマンは至福の時!
・「探せてないもの ぼくらじゃない?見つけられるの」の自信に震える……。
そこから今回のアルバムの大きな動き、メンバー初ボーカルのゾーンへ…
そういう予兆も今までちょくちょくあったし、とうとう音源にメンバーのボーカルが入ったね。でもそういう突破口になる曲を作るのは、山内くんだろうなと。
個人的には(今でも)フジファブリックの総ボーカル化は望んでいない。ユニコーン化は望んでない。志村正彦というボーカリストがいて、山内総一郎というボーカリストがいる、それがフジファブリックだと思ってる。今後まるまる一曲企画的なものではなく(生誕祭の恋するパスタは音源ではないし企画物なのでああいうのは単純に楽しい)アルバム楽曲の一曲としてメンバーがボーカルをとる曲が生まれるとしたらちょっと自分は抵抗があるな。という土台がある上で。
今回メンバーのボーカルが入ったのは全然違和感ない。楽曲のコンセプトにとても合ってる。メインボーカルではなくアクセント的に歌ってるというのが大きいけど。自分的には他のコラボアーティストと同じような感じで「メンバーのボーカルと今回初コラボ」ってイメージ。
二人ともそのまんまというか、フジファブリックが歌で会話してるみたい。金澤君の歌声はライブで何度も聴いてきたけど、加藤さんの声がこの曲の中ではすごくしっくりくる。落ち着く声。ライブの時は二人ともいきなり歌うから大変そうだなと思った。(特に金澤君の歌うパートは声張るから難しそう。)歌詞もそれぞれ二人に合ってるなーと思う。
「テーブルの染みのように これからもよろしくです」っていいよなー、その染みも私たちのこれまでの歴史として、愛着持って、これからもずっと一緒に生きていきましょうねっていう。
これからも よろしくです★
(★は付いてない)
この曲調で持ってけドロボー!とか歌う人、他にいないよ…。褒めてる…。
・「目覚ましいね」ってなんか好き 最初の目覚ましでともかかって
・「見つめてたい そうされたいから」語感もいいし言葉の意味も非常にグッとくる
「心踊る場所を作る」の「作るぅぅ」とか、わざとメロディにかっちりはまる言葉を当てはめてないところがいいー。転調もいいー。
「いつか遠い所へ行ったら 旅先で手紙を送る」は「またツアーが出来るようになったら地方からツイートするね」って感じ。いつもあった愛おしい風景、また戻れるといいね。
またライブが出来るその日まで準備整えて待ってる!って感じのピカピカした歌詞が好きだー!
最後のッチャッチャッチャッチャ、ッチャッチャッチャッチャの繰り返し、仕上がってる。
03. 赤い果実 feat. JUJU (Words & Music : 山内総一郎)
ずっとダンサンブルっていうキーワードを発してたのでバタアシParty Nightみたいな曲調を想像してたらグッと落ち着いた曲調だった。
最初山内くんの声がこの曲の雰囲気にしては朴訥としてるなーと思ったけど、聴いていくうちになんか……すごいな、醸し出される人間の深みとか重ねてきた経験とか、割と特にAメロBメロは棒気味に歌っているのになお感じる色気、この声帯 何………てなる。
JUJUさんの使い方、ガッツリ歌い合う感じじゃなくて「絶妙な配合の旨いブレンド」って感じなのがおもしろい。JUJUさんの声入ったのは大正解だと思うー。しっとりというよりイチゴフレイバートッピングみたいにポップで軽やか。サビではチラチラする"気配""匂い"みたいな存在感。
「どうしようもなくただ」のリズムの乗り方が好き。英語みたいな乗り方。
「また巻き戻して」の「また」の「た」の発声。
しあわせが「仕合せ」なのに意味を感じる
歌詞の漢字とひらがなを使うところのバランスが絶妙だー。
いろんな話からして山内くんの言ってた「今までの人生で一番エロいギターソロ」はこれで確定だと思うけど、間奏のトゥトゥトゥッてスキャットと絡み合うようなギターがたまりませんなー。このギターソロ、生で聴いたら酔うのでは?
Pa Pa Pa Pa Pa Pa パァ~⤵︎ の声色がやさしかわげあっていい。
この曲を初めてオンラインライブで披露した時はフジファブリックだけで演奏された。AメロのJUJUさんパートはもちろん山内くん一人で歌って、サビのコーラスでJUJUさんの声を流してたんだけど、ライブでいない人の声が聴こえるのは違和感があり、サビのコーラスは金澤くんのコーラスでいいのではないかなーと思った。(レコ発っぽいライブであったので今回は原曲に忠実にしたのかなとも思うけど)
ライブだとどこかのタイミングでJUJUさんが来て歌うこともあるかもだけどそんな機会もそうそうないと思うのでフジファブリックだけでやる事になると思うんだけど、男一人で歌う赤い果実というまた別の世界を作り上げていってほしいという思いがある。
04. たりないすくない feat.幾田りら(Words & Music : 加藤慎一)
赤い果実~たりないすくないのこの流れも好き!女性ボーカルコラボ曲二曲並べてそのすべて違う雰囲気を堪能してください!って感じ。特に山内ボーカルのニュアンスの違いよ…。
前奏が始まってその軽やかな音に耳が喜ぶ。
幾田りらさんの声がすっと入ってきて耳が嬉しい。
これも先にティザーでイメージが流れてMVのプレミア公開で曲の全貌を知った、赤い果実を同じパターン。ティザーで一部分(前奏)だけ聴いた時はほんのりオリエンタルな雰囲気を感じたりした。全体で聴くとまた少しイメージが変わった。
音が作り出す世界観とサビで跳ねたり軽やかに二人でヒュルヒュル高いところ行ったりする声と歌詞が最高にかわいい。
幾田りらさんの透明感と一緒に山内くんの歌の透明感もばれてしまえばいいのに。
MVをプレミア公開で観たあとはアルバムを通しで聴く時の新鮮さを保つため、あんまり聞き込まないようにしてた。曲を聴く前に歌詞カードに目を通すひとときはとても楽しみにしている時間。
たりないすくないの歌詞はほんとにすごい、加藤さん史上一番かわいい歌詞。加藤さんの歌詞と言えば言葉遊びだけど、あんまりそこを意識しなくても、言葉の置き方と組み合わせで十分加藤節になるというか。今回の研ぎ澄まされたシンプルな歌詞の言葉選びが本当に素晴らしいと思った。加藤さんの作詞の中で一番好き。フジファブリックの中でもかなり好き。
「この世の中終わりってあるかな?」って冷やっとする感触の一言目にすべて持っていかれる。
二人の歌声が最高にいいところで「あなたへの愛を怠ったりなんてしない」というキラーワードを当てはめた時点で加藤さんの勝ち。
まず「愛を”怠る”」っていうのがすごいし、「あなたへの愛を怠ったりしない」じゃなくて「あなたへの愛を怠ったり”なんて”しない」ですよ・・・
たりないすくないのMVが非常にかわいい。出演してる祷キララさんが花火見てニヤニヤしてるのとエ・ゴ・イ・ズムの歌詞に合わせてリップシンクしてるシーンが好き。MVは自分のイメージドンピシャ(破顔のような)か、もしくは楽曲の世界を邪魔せず限定せず余地を残してイメージを広げてくれるようなMVが好き。夜景とか夜明けとかそういうのが好きなので、たりないすくないのMVの夜の街とか東京タワーとかキラキラしたかわいい世界がとても好みだった。
んで、そのMVのイメージに引っ張られて、キラキラしてる時期の離れがたいドライブソングみたいな感覚だったんだけど(それも成立するんだけど)、「だらしない影 揺れる照明 偽りではない僕の証明」ってこの一文あるだけであからさまでなくこの曲がそういう曲だとグッと形付けるのすごいわ。そこから浅き夢みし~も宵の切れ端~も泡沫の夜も全部繋がっていくというか。表現が美しすぎる…。
「燃ゆる」ってかわいいよなぁ
こんな透明感あってかわいい「エゴイズム」ある?
「知ってた?本当の私はちょっとだけずるいよ」のところの歌い方、ほんと天才だと思う…。その歌詞を解釈して声として出す時のその表現力がすごい。(アルバム発売記念YouTubeLIVEでフジファブリックと一緒に歌ったブルーも素晴らしかった)
幾田りらさんはもちろんYOASOBIの曲で聴いてたけど、それまでは聴き馴染みの良い声だなーぐらいだったけど紅白で生で歌ってるのを観てその上手さに驚いた。機械みたいに正確なんだけど感情を揺さぶられる、勢いのある不思議な声で、その紅白の図書館の演出もとても素敵で、見る目変わったのその辺からなんだけど、なので今回コラボアーティスト第二弾で発表されてとても嬉しかった。このタイミングで幾田りらさんを呼んでこれるのもすごい事だと思った。
何曲かある中で幾田りらさんが曲を選んだ、という事だったけど、自分を生かす、そして新しい自分を引き出す、その曲選びの嗅覚もすごいなと思った。だってこの曲幾田りらさんにぴったりなんだもの。もう他の誰の声も想像させないくらい。
今回のコラボでまたYOASOBIや幾田りらさんの歌を聴く機会が増えて、同じ年代の人たちのイメージよりもとても芯が通っていて(詳しくないけど下積みも長そう)良い意味で野望もあって、一過性のものでなく息が長く活躍するボーカリストになっていくんだろうなと思うような人だった。幾田りらさんがこの先歳を重ねてどんな歌を歌うようになるのかも楽しみ。そしてそんな幾田りらさんの変わっていく「今」をこの瞬間に楽曲として切り取れたのは素敵だな。
たりないすくないは曲の性質として一人で歌うのを想像するのがとても難しいなー。サビの高いところで声がもつれあうところはコーラスでは出せないようなニュアンスだし、完全に一人で歌う曲として組み替えないと難しい気がする。やってみてほしいけど。
「知ってた?本当の私はちょっとだけずるいよ」って山内くんに歌ってみてほしい…。そこを山内くんが歌うなら本人としてじゃなくて話していた言葉を思い出す、回想みたいな感じだね。
05. 楽園(Words & Music : 金澤ダイスケ)
アルバムの中でこの曲が入っている事ですごく締まるしバランスが良い。間違いなくI Love Youというアルバムの完成までの勢いを作った曲であります。
Dr.STONEのティザーで初めて聴いた時本当にびっくりした。やっぱり変化していこうとする人 好きだ。
前奏、ベース、未開の"楽園"の色気、2番への入り方、間奏の入りの鍵盤、間奏の暴れ鍵盤、最後の終わり際のギターの音
サビに行く時のデデッデデッデデッデデッっていうの、初めてアニメで聴いて時はとてもアニメっぽいインパクトだなと思ったけど曲の中でまるで違和感ない。というか曲の中で違和感のある部分がない。歌詞もメロディも、凝ってるけどしなやかで強い一本の流れにするする導かれるような感じだった。
完璧な、ど真ん中を行く曲だと思う。
金澤君の作るハードな曲は、これからフジファブリックにとってものすごい武器になるかもしれない。
想像通りというかこの曲はライブでとても映えてかっこいい。「からまって 紐解いて 飛び越えて 歪んだ世界/終わって はじまって 這い上がって 願った時代」のところ、ライブで最初金澤・加藤で歌ってて二回目を繰り返す時に山内くんのボーカルが覆いかぶさるように入ってくるところめちゃくちゃ好き。
06. Dear(Words & Music : 金澤ダイスケ)
アルバムの中で吹き抜ける風みたいな曲。金澤君は楽園作ったあたりから覚醒してきてる気がする。
Dearは一番近い存在の自分を愛そうという曲で決してネガティブな曲ではないので話は少しずれるけど、最近金澤君がダークだったり暗めの曲を作る事に関して。
フジファブリックは(特に山内くんは)「暗い気持ちやネガティブなものを音楽で共有したくない」みたいなのがある気がするんだけど(はたから見た自分の印象です)、それもわかるんだけど、それはまた音楽の幅を狭めてしまうというか、暗い気持ちもネガティブもまた人間の持つ感情なわけで、変な話だけどただ誰かが吐き出した暗い気持ちやネガティブな気持ちにほっとしたり安心したり愛おしさを感じる瞬間もあるのです。別の一曲の中に答えなんて見つからなくてもいいと思ってる。ネガティブを共有しよう!っていうんじゃなくて、ミュージシャンに苦しみを全部見せろと言いたいわけでもなくて、でもそのまんま見せてくれたらいいなと思う。やっと最近、見せても大丈夫だと信頼してくれるようになったのかな。その先陣を切るのが金澤君だとは思わなかった。
オンラインライブで初めて聴いた時はDearってタイトルで想像してたハートウォーミングな曲調と全然違ってビックリした!イギリスの音楽っぽい空気を感じる。クールで美しい演奏。間奏と後奏の鍵盤はフジファブリックっぽいなー。
「ビリー……、誰……。」ってその部分が強烈に耳に飛び込んできたけど、そのあとアルバム初回盤に付いてたレコーディングドキュメンタリー観たらそれも金澤君にとってしてやったりだったのかなと。
「くすぶって化石になるの 地球に繋がれたまま」って歌詞好き
影があってクリーンなボーカル。山内くんはほんとにいろんな声が出せるようになったし表現に更に深みが出てきたなー。今、当時歌い切れてないと感じたthe lightとか歌ってほしいな。また違う表現が出来るかもしれない。
07. あなたの知らない僕がいる feat.秦 基博(Words & Music : 山内総一郎)
最後に発表された三人目のコラボアーティスト、秦基博。前に発表された二人、JUJUさん、幾田りらさんはまったく想像してなかったけど、秦君は自分の想像の片隅にいた人。嬉しかった。
アルバム発売から本当に何回も聴いて、何度聴いても鳥肌が立つし、涙腺が緩む曲。アルバムの中で一番聴いてる。
「あなたの知らない僕がいる」を配信ライブで一人で歌っているのを初めて聴いて、本当に涙がこぼれるぐらい素敵な曲で、山内くんの歌がすごくて、どの部分を秦君は歌うんだ…?正直、フジファブリックだけの曲にしてしまいたい、と思った。でも秦君と歌うという思いがあったからこそこんな強く広く伝えようとする曲になったんだろうと思う。
アルバムが発売になって、その日の夜行われるI Love Youアルバム発売記念YouTube Liveを観る前に、「あなたの知らない僕がいる」MVのプレミア公開の前に、「あなたの知らない僕がいる」をアルバムで音だけで聴いておきたくて。2日前の配信ライブがアルバム初聴きみたいなもんだったから、まだ秦君のボーカルが入った歌い分けを知らず全貌を知らないのはこの曲だけで、唯一アルバムで初めて体験出来る曲だったから。
聴き始めて、歌い出しからの山内くんのザラっとした声の感触がすごくて圧倒されてしまった。このアルバムでこれまで聴いてきたどの曲とも違う。人間味溢れる等身大の歌。少し疲れた大人の男性がそこにいて。
「あなたの知らない僕がいる」ってタイトルも珍しいけど、歌い出しの歌詞も珍しい感じだった。ライターが出てきたのは実話だとインタビューで言ってたけど、タバコは…やめてはいないかな。
「ここには自分を騙す~」のメロディがどうしようもなく好き。
そして配信ライブで山内くんが一人で歌った時感じた事を改めて思った。この歌いっぷりといい、歌詞の内容といい、やっぱりこれ一人で歌う歌だ、と。
そして一番を全部山内くんが歌いきって、いつ来るかと思ってた秦君の声が二番に入ってやっと来た時、とても山内くんと似ていて驚いた。歌い出しの「新しい」の「あたら」と「何度も」の「なん」が山内くんの声に激似。インタビューで山内くんが「秦君が曲に声を合わせてくれて」というような事を言ってたけどこのあたりにそれを感じる。「震わせた心を取り戻せない」の高くなっていくところで秦基博歌唱に開放されていく感じがするね。
秦君はそこを短く歌ってすぐ長い間奏に入って、山内くんの歌になって、こういう展開の曲なんだな、秦君の声はとても良い、けどこの曲が秦君である意味はあんまりないかもしれない・・・と思ったところで訪れた、畳み掛ける二人の声の応酬、
すごい勢いで柔らかい大きな流れに飲み込まれるみたいで、全部開けていく感じがした。ああ、秦君がいるのはこの瞬間の為のものだった、と思った。
こんな感触の、男性二人で歌われる歌は初めてだった。主をいってハモってユニゾン、溶け合ってめちゃくちゃ綺麗だ。
これまでのコラボと違ってこの歌は誰かと掛け合う歌ではなくて一人の人間の歌で。二人の人間が立っているというより、一人の人間を支えて後押ししてくれて一緒に進んでくれる魂みたいな存在感で、山内くんと一体となっているようなそんな感覚。
「冷えるねって手をつないで」
「ふたり身体押し込んでは」
「髪を嗅ぐのはやめてと笑ってた」
「時計は止まらなかった」
「正午を過ぎたら離れ離れ」
「振り返らずに行った」
この部分の歌い分けが的確というか…
どっちも、その人が歌う事で泣けてしまう。
交互に歌われる事で、走馬灯みたいなんだよ。
前半のあたたかい想い出から、秦君の歌う「時計は止まらなかった」がとても哀しい。
最後のサビが山内くんが誰にも言わず越えてきた人生なんだなと思う。山内くんが自分の苦しい部分をこれだけ歌にしてくれた事あったかな……
「手紙」という曲が山内くんの夢や持っていった思い出を乗せたものだとしたら、「あなたの知らない僕がいる」は手紙と同じ長さの人生の裏側で、切り捨てたり忘れたりしてきたものの歌という感じがする。それすらも山内くんは肯定してあげたいと。
「作り笑いをしながら 誰も傷つけずいたら 何かが邪魔して涙も出ないよ」を秦君が歌う事で保たれるけど、山内くんが歌ったらすごく重いだろうな。でも、歌ってほしい。フジファブリックのライブでこれからも、たくさん。
ダイナミックだけど大袈裟ではなく、心に寄り添って包み込むようなトオミヨウさんのストリングスアレンジが素敵だった。
山内くんが歌詞を書きを終えて息切れしたと言ってたのがグッときた。
大名曲。
08. 手(Words & Music : 山内総一郎)
「手」はすごーく山内くんの個人的な歌詞だね。手紙が更に個に向かったような。見送る~あたりの話は山内くんじゃないと書けないんじゃないかと思う。ご両親が聴いたら泣くんじゃないかな。両親じゃないけど泣いてしまった。
オンラインライブでユーミンみたいな風を感じたんだけど(あと、家族を想う時山内くんはPRAYERみたいな音が鳴るのかなとも思った)、のちにOKmusicのインタビューで「棚から奪ったレコード」(奪ったって表現もめっちゃかわいい)がユーミンのひこうき雲だという話を聞いてうおー、となった。確かにひこうき雲と歌詞には出ているが…。音楽からそれを醸し出すのすごくないですか。あと、この曲からは山内くんのお母さんが掃除しながらアルバムをループで聴いてたと昔インタビューで言ってた竹内まりやの風も感じてます。勝手に。
09. 光あれ(Words & Music : 山内総一郎)
この曲を最初にラジオで聴いた時は項垂れたしどうしようと思ったけど今こうして好きになれて良かったなと。こういう時期だったので、このアレンジでライブでバンバン聴くよりアコースティックでたくさん聴いて和らいでいったっていうのが大きいかな。両国国技館で歌った光あれの弾き語りは本当に素晴らしかった。
ほんとにあのアレンジが苦手だったのです。でも山内くんが望んでああいう90年代とかそのへんに寄せたかったようなので、単に自分の好みの問題だと思われます。正直あのまま小林武史氏と二作目、三作目と続いていったらどうなってたかよくわからない。同じ事をしないのがフジファブリックなのでそれはないと思ってたけど。フジファブリックのファンの人は応援してくれているという側面が強いという事を最近のインタビューでよく話しているけど、もちろん人柄は好きだし応援している、けど結局音楽でしか繋がれないしそれがミュージシャンに対する一番誠実な態度だと今でも思ってる…けど、それもどうだか分からないんです(突然のバウムクーヘン)でも今フジファブリックの作る音楽が最高だと思ってるし応援してる、それでいいと思ってます。
ありえないけど光あれをアルバムver.とかいってアコースティックでやったアレンジで入れてくれたらアルバムのカラーとしてすごく好きな感じになるなーと思った。
LOVE YOU〜SHYNY DAYSの明るく勢いあるキラキラした雰囲気で始まり、赤い果実〜たりないすくないのムードがあってかわいいロマンチックなゾーンを抜けて、楽園からハードモードに突入してDear、あなたの知らない僕がいる、そして手〜光あれの穏やかなやさしい気持ちで終わるという素晴らしい流れのアルバムであります。
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まずこの状況下でI Love Youという傑作を作ったのが本当にすごい。
テンションも上がらないし何もやる気持ちが湧かないみたいな時期、創作してる人にはないのかな(家にこもって作業に集中出来てあまり関係ないのかな)と思ったけど同じように苦しんだ時期があったとのちにインタビューなどで知って、でもそこにとどまってないで何かで自分を奮い立たせて自分を更新して、人の心を震わせるような作品を作った、それはやっぱり普通の人でなく特別な人だなと思うし、だからこうして人前に出るような仕事をすることになるんだなと思う。
またその作戦について 光あれののち楽園というDr.STONEという人気アニメのオープニングソングのそのダークな世界観に驚かされ、何も言わずティザーのイメージ映像をツイッターに流したのちJUJUさんとのコラボ発表、そしてあと2組のコラボ発表、毎週毎週、アルバム発売週まで本当に驚きの連続で楽しかった。アルバム発売というイベントをいつものようにレコ発イベントなど出来ない分、違う方法でずっと楽しませてくれてテンション高くアルバム発売日を迎えられた。
本来はI FAB Uツアーの熱狂の中で刺激を与えられて曲を制作しアルバム発表となったはずがそれが出来なくなった分、違う形で刺激を受ける方法を模索した中でコラボという方法があったのかなと思った。
嬉しかったのは、あれだけの強い三人のボーカリストを迎えて、その魅力を存分に引き出しながら、自分が脇役にまわるのではなく怯まず自分の歌を中心に据えてくれた事。だから三組もコラボ曲が入ってるのにコラボアルバムという企画物的な雰囲気はなく、フジファブリックのアルバムって思える。
単発や企画物ではなく「フジファブリックのアルバムとして」入ってずっと残る声なので自分の苦手な人が来たらキツいだろうなーとは思う。コラボ相手のあらゆる可能性を想像してて(あの人来たら辛いかも)という人はいたし。最終的に曲として好きになるとしても。今回3人とも嬉しい人ばかりだった。そしてその作品も素晴らしいものだった。
ギュッと内容の詰まった9曲。曲数を最初に聞いた時は少ないなー、13曲ぐらい聴きたい、と思ったけどこうしてみると、何か違うものが入ってこの純度が壊れるならこの9曲でいいと思った。ものすごく丁寧に作り上げられた9つの世界観。あの曲を聴いたらこの曲、って全部聴き込みたくなる。飛ばしたり、あまり聴かない曲というのがない。で、こんなに密度の濃い9曲なのに全部聴き終えても圧でしんどくならない。その抜き方、さじ加減も考え尽くされていて最高。
すごいなと思ったのは最近の三人が「メインで作る人がいるから自分はその人のやらないところを」じゃなくて、この役割ならこの人、この曲調ならこの人、みたいに分けておらず、どの曲が得意とか枠を越えてガンガンメインストリームに入るような曲を作ってくる事。だから例えばアニメの主題歌の話が来たら誰が作詞作曲を担当しても不思議じゃない状況になってるし。バラードだって作る、暗い曲だって作る、パンチのある曲だって作る。
I Love Youの中で全員が確実に曲も歌詞も研ぎ澄まされてきてるし自分を更新してきたのが本当にすごい。
そして、I Love Youというアルバムは特に今までにない「色気」を感じるけど、その色気の種類がこんなにもありますか……、どれだけ出してきますか……。っていう。それが「こんな大胆な事歌ったったぜ」みたいなしょーもないものではなく、とても品があって、そこはかとない色気。フジファブリックの表現する「大人」がこんなカッコよくて瑞々しくて艶があって楽しくて、こんなに楽しいなら大人になるのも悪くないなって思える。
山内くんのボーカルもこれまでと違うなーと思うし更に表現力が増したと思う。川口大輔さんがボーカルプロダクションが今回「赤い果実」と「あなたの知らない僕がいる」で入ってるけどそれも効いてるんだろうか。山内くんの声とか歌の表現ってとても柔軟で繊細で、言葉や人との出会いや取り巻く状況とか、いろんなきっかけでこれからもどんどん変わっていく気がする。
ただただ年数を重ねれば歌が上手くなるわけでも表現力が増すわけでもなく、そこには山内くんの見せない不断の努力があるわけで。山内くんのすごさは、情報収集して人に聞いて(という片鱗がよくうかがえる)なんでも自分の体を使って試すところと忍耐強くどんなに時間がかかっても待てる事。
今の山内くんの声があるのは、ショートカットするような早く手軽に身に付けられるテクニックで誤魔化すのではなく、自分の持ってる素材をただただ磨き続けてきたからだと思う。それは山内くんのギター道にも通じるんだけど。基礎をひたすら反復するような。そして常に新しい方法を模索して取り入れるような。
最近ラジオで聴いたストローを使ってボイストレーニングしてる話とかも。何かを得ようとしたらなりふり構わず猪突猛進みたいなところ、ほんと尊敬してます。
素直でまっすぐな、とか透明な、という意味を捻じ曲げず受け取ってきたから今の声がある。意外といないんだよ、まっすぐに歌ってる人、まっすぐに「歌える」人、それで説得力がある人って。きっと普通の人はまっすぐという言葉をネガティブに捉えたり、怖くて逃げたりするの。
山内くんの人間性が全部声に乗っかったような、山内くんの歌声が好きだ。
今後、コラボ曲をカンヌの休日などと同じように自分達の曲として育てていく事になると思うけど、アルバム聴いてから配信ライブを見直すと、不思議なもので、自分のパートじゃないところはまだ馴染まない感じがした。「赤い果実」の二番の最初とか、やっぱり一緒に歌ってくれた誰かの存在を感じる。「あなたの知らない僕がいる」は一人で成立してたけど、そのあとであの秦君との掛け合い部分を聴いたら、あの部分はまったく違うものになるね。ならざるを得ないんだけど、それでも山内くんならばそのコラボしてくれた人たちの思いも全部取り込んで、またすごい歌を歌ってくれると思う。楽しみにしてる。
LIVE & ONLINE アコースティックライブ「FABRIC THEATER 3」(夜の部配信の感想)
LIVE & ONLINE アコースティックライブ
「FABRIC THEATER 3」
2020/12/2 EX THEATER ROPPONGI
【昼の部】open 15:00/start 16:00
【夜の部】open 19:00/start 20:00(★配信あり)
オープニングの金澤ダイスケ生誕祭映像懐かしい。大きくなっていく拍手、文字で観客を煽るスタイル楽しい。(最初のプレモルのCM、いつかのプレモルLINE LIVEの時の氣志團のようにフジファブリック出演の特別CMが流れるんじゃないかと少し期待してドキドキしました)
金澤ダイスケ生誕祭映像化はどうなんだろう・・・?笑 他にも映像化して欲しいあれやこれやはあるけれど、落としどころとしては今度の楽園とかアルバムについてくる映像特典あたり?
LIVE泥棒は以前制作した映像かと思いますが、金澤君が作った音楽ちゃんと聴けて嬉しい。(オリジナルで作ったって聞いた時はびっくりしたなー)初回FABRIC THEATERの3人組のイラスト、やっぱり好きだな。
~開演~
ステージにそびえ立つ映画の撮影みたいな大きな4つの照明が雰囲気あって素敵だな~
徒然モノクローム
夏に大阪城ホールでひとり弾き語りした時のアレンジ。あの時は歌にアウトロー感出てる気がしたけど今回はしっとりのびのび歌い上げる感じ。最後のBメロ~徒然しちゃう、のあとにもう一回繰り返す小節が、遊び心効いてる~!洒落てる~!ってなって大好き。
加藤さんてスタイル決まってるからイメチェンとかあまり感じたことないけど、今回の衣装ちょっとだけイメージ違って見えるな~~キャメルの上下かわいいな~~ラコステ似合ってんな~~
フジファブリックはキャメルが似合う!
(山内くんがフォーマルでありながら変わった型の服着てたりカラフルな服着てたりするのもめっちゃ好きです)
金澤さんに「君が配信か!」って見つけてもらえて嬉しかった。笑
ホーランド・ロップ
軽快なトークのあとの、前奏弾いてる金澤さんの音楽に入っていく表情めちゃくちゃいいなー(特に左から映した時の、うっすら笑ってる?みたいなの)
何年経ってもなぜ山内くんはホーランド・ロップの歌詞があやふやなのか?笑
最後山内くんが跳ねてんのがかわいすぎるな…
赤黄色の金木犀
彼や彼の音楽を慕っていた人や憧れていた人がたくさん、愛やリスペクト持って現在もカバーしてくれているのは知ってる。けど、彼の歌をフジファブリックの歌として歌えるのは世界中で一人だけだ。
彼になりたい人や、彼に似た人はいらない。
山内くんが彼になりたい人でそういう素振りを見せていたらたぶんダメだったと思う。普通に好きで応援はしてたと思うけど、今のように深く深く知りたかったり、はまっていなかったと思う。
Mystery Tourで「パッションだけ持って行くぜ」と歌っているけれど、まさにそれで、姿形、歌の形ではなく、曲の中で繋がっていればいい。
なんかほんとにもう、山内くんが山内くんのスタイルで山内くんのままで、フジファブリックでいてくれてありがとう。。
歌が終わったあとの加藤さんのウッドベースの音色、ほんとにいいな~
Small World
今年のFABRIC THEATERはSmall World。
これまではどんなにアレンジが変わってても前奏のコード感やつまびく一小節のメロディーで「あの曲だ…!」みたいな予想は出来たんだけど、この時は頭の中のデータベースフル稼働させたけどほんとに何が来るかわからなくて、歌い出してからも「これは…CHRONICLEの中の一曲だったか…?」と記憶を手繰り寄せて、「足りてないものは…」のあたりでじわじわと「・・・あ~~~~~!!!!Small World・・・・!!!!」ってめちゃくちゃビックリした。
ピアノを主として歌う山内くんの歌めちゃくちゃ好きなんだよな~~すごく贅沢な感じがして・・・
聴いていて、どんどん、オセロがひっくり返っていくような感じ。歌詞の意味が塗り変わっていくような、あの歌詞がこの時代にこんな風に響いてくるのか、わーーー、わーーー、もう・・・・ ほんと、こういう瞬間のために生きてるとか思っちゃうね
「無限のイメージ」のあと一旦置くとこんなに余韻を含むのか、そこからのサビ、「伸ばした手で掴むよ」を歌い上げないで下げるところとか・・・もう、このアレンジにはそれしかない、というかズレのないものをはめ込まれて、うぅ、となるしかなかった。
Small Wordはポップな演奏に乗せて伸びやかに突き抜けるように高音を歌い上げるイメージがとても強くて、それはそれで当時の雰囲気や宇宙兄弟のアニメの主題歌という役割を全うしていたと思うけど、このアレンジでアルバムに収録されてたりなどしたら、この曲に対するイメージはまったく違ったものになっていただろう。このアレンジは、今だからこそ…だね。
Cメロで空気感変えるのも最高・・・・
(Cメロ入る前の「ア・ァ」も最高・・・・)
はーこういうのとてもFABRIC THEATERらしい。
そしてCメロから最後のサビへ繋ぐ弾き上げるピアノと、サビを歌い終わった後の歌い回しからの明るい希望に満ちた暖かい展開、大好き・・・・・・・・
すごい、このSmall Wordの中にFABRIC THEATERの良さが全部詰まってる。
普通のアコースティックライブって速い曲がゆったりになって音が素朴になる、しっとりとするイメージだけど、フジファブリックはそうじゃない。「アコースティックライブ」という概念を変えてくる。
曲のラベルを剥がすというか、自分の音楽に対する固定概念をひっくり返す。ただ奇抜で全然違うアレンジをしました!っていうんじゃなくて、曲の持つコアを生々しく拾い上げたり、コアに火を付けたりとか、そういうイメージ。そこに新しいアイディアを加えて、その曲の歌詞やメロディの持つ可能性を広げてくれる。違う角度でぶっ刺してきてこんな風にも音楽って聴けるんだよと教えてくれる。
それは完全なるオリジナルがあってこそ。
歌詞やメロディが重要視されるけど、実際そうなんだけど、アレンジって同じぐらいすごいものだと思ってる。曲の世界を決めるのはそれだもの。そしてその世界を想像して、創造する事が出来る人達は本当にすごい。
FABRIC THEATERは通常のライブと対をなすもので、ずっとあって欲しいもの。いつも驚きと感動があって、音楽って、なんなの……!と思わせてくれる、ととても特別な存在なのであります。
山内くんが良い反応を受けた後に照れながらとても嬉しそうに言う「ゔれしい」好き。
赤黄色の金木犀を作っていた当時のレコーディングの話
山内「俺と志村くんだけ泊まってたよ、結構」
金澤「そういうタイプでしょ、あなたたちは」
山内「地続きタイプ」
金澤「ずーっとやってられる」
山内「おたく切り替えタイプ」
(金澤君と加藤さんは切り替えタイプ)
この辺のやりとり好き
金澤君の話から「その行程全部聞かなあかんの」のくだりもおもしろかった 笑
布団に入り、着替え 笑
星になれたら(Mr.Childrenカバー)
おおお、ミスチルカバーびっくり!(高校の時バンドでカバーしたと言っていたシーラカンス聴いてみたいなと思ったことはあるけど。いきなりシーラカンスはやらないか。笑)聴いたことない初カバーに遭遇するのは毎回うれしい。前奏のギターのあの象徴的なフレーズをピアノで表現してたの良かったな。
ポップな原曲のアレンジそのままで山内くんにはまりすぎるぐらいはまりそうなんだけど、FABRIC THEATERのこのアレンジ、全然雰囲気変わるなー、不思議な感じ…なんだけど、好きだな…。こういう解釈、なんか純ミスチルファンの人にも聴いてもらいたいような。
歌い方が桜井さんにまったく寄らないのおもしろいね。
この曲のあとのMCの時の山内くんの中に着てるタンクトップの”はだけてる”感じが気になった・・・(シャツきっちり着てないの珍しいね・・・でも時々突然こういう着こなしする事あるよね・・・(((好きです))
ひまわりの約束(秦基博カバー)
初回のファブリックシアターでカバーしてたのを聴いた事がある。Bメロと「ひまわりのようなー」が秦基博の歌い方っぽい。(この曲は秦基博に歌い方が寄る)
今回の喉のコンディション、高音ちょっときつそうだったなー。いつもだったらもっとのびのび出るんだけどなー!とか思ってしまった。(今日は今日の歌の良さがある)
~ここから1曲出来そうなぐらいやや長いMC~
(山内くんの家に更に機材とケーブルいっぱいの話が良かった)
光あれ
このアレンジが自然で好きだな・・・・
フジファブリックのアレンジが好きだな・・・・
最後のギターソロは絶対にある方がいいな~~
最後、言われるまで何が起こったのかわからなかったけど、山内くんのもうちょっとおねだりはかわいいな!(「何か弾いて」がライブ中に伝わるその呼吸がめっっちゃ素敵、それに応える金澤君も素敵 ウォオウォオ言い出したのおもしろすぎ)
~ここから1曲出来そうなぐらい長いMC~
(オープニングの金澤ダイスケ生誕祭の話、金澤ダイスケディナーセットの話~からの)
恋するパスタ
んおーこれもFABRIC THEATERに映えるやつ!!フジファブリック大得意なやつ!!
Bメロの拍が違って跳ねてるの洒落てる!好ぎ!!
これ、いつもの状態でライブやってたら客席めっちゃ盛り上がって踊り出してただろうなー終わってからヒュ~ーーーッて言いたい…。
今回のライブの何曲かで感じたけど、山内くんは違う歌い方試そうとしている?いつものメリハリ歌いじゃなくて言葉と言葉が曖昧になるような流れるような歌い方を試しているような……(あんまり自分の得意な歌い方じゃなかったんだけど……)
これはこれで後になんらかの形となって現れるのかな……過渡期?(歌詞間違いのむにゃむにゃとの区別がつきにくかったけど 笑)
カンヌの休日
アコーディオンがめっっ!ちゃ効いてる!!!この曲に違う時代の異国の哀愁を与えている…。ステージの端でスポットライト当たってアコーディオン練り歩きながら弾いてる金澤君が非常にドラマチックで絵的で…小劇場の舞台の上のアクターみたい。
(スポットに間に合わないで走り込んでくるのおかしすぎ)
んがあぁぁーーー世界観キマりすぎてかっこよすぎるー~~終わってからヒューーーー~って言いたい・・・・・言わせて・・・・・。
~MC~
ここで大事なお知らせ
I Love Youってアルバムタイトル聴いた時、意外で、どストレートでポッとなった。でもI FAB Uツアーからそこに辿り着いたのはとても自然な流れだった。声で聞いた時は表記はUかな?どっちかな?と思ったけどYouだったのがあぁほんとにはぐらかさないんだなと。フジファブリックが使うから、いいんだよ。
LIFE
今日も探してる~♪「一緒に探しに行こうぜ~」からのギターソロに合わせて低い声で歌ってるのいい、そしてギターソロが終わったあと山内くんが真ん中でポツン…みたいになって、金澤君の方みたらピアノから席をはずして、ドラムの伊藤大地さんが演奏終わったみたいにスタッフの人がまわりうろうろしてて、加藤さんが席でベースを弾かずにニコニコしながら山内くんを見ていて……からのバンドメンバーが全員前に集まってくる演出、めちゃくちゃ素敵だった!!LIFEのあったかさにめっちゃ合ってる、楽団、仲間って感じ!誰のアイディアだよ……素敵すぎんよ……。
アンコール
~MC~
さっき本編最後の曲のあとアンコールでプレモルを乾杯するという段取りを間違えて金澤君が乾杯しようとしたんだけど、その事に対して加藤さんが「ちょっと段取り間違えてテンション低くないですか(笑)?」って言ったのめっちゃおもしろかった。加藤さんに見抜かれてる金澤君かわいすぎ。(ほんとに少しテンション低かったから。笑)
アンコールの山内くんのMCやばかったな~。ハーフアンドハーフ…
I Love Youってアルバムタイトルに「フジファブリックがそんなタイトル付けるなんて」みたいな感情はまったくない。
少し不安があったとすれば、ミュージシャン全体そうなんだけど、こういう事態になった時にみんなを元気付けようと明るい?楽曲傾向になったりとか勇気付けるような歌詞になったりとか、テレビで元気ソングの特集が組まれたりとか、そういうのほんとどうでもよくて、ミュージシャンのみなさんは意識してこちらを元気付けようとか考えてくれなくていい、曲が明るかろうが暗かろうがどうでもいい、その作品が心の底から素晴らしければ勝手にこっちは感動して勇気付けるられて明日も生きよう!って勝手に明日への希望を持つから。
だからミュージシャンは自分を貫いて自分の信じる素晴らしい作品を作ってくれ~~~でもこういう世の中を無視出来ない、無いことには出来ない、反映させないわけにはいかない気持ちもわかる~~~!
なので最後の山内くんのMC、「音楽っていうのはしあわせな鳴り響き方をしなければならない」「とは言いつつ、絶対にみなさんに驚いてもらえるような作品になると思うので、ぜひ期待してて欲しいなと」って言葉にほっとした。
最後、話をして、各自バラバラと楽器を弾きながら自然に収束していって静かに手紙が始まるのがとても良かった。ほんとに手紙はピアノに歌が映えるなー。自粛期間にゆるいかで金澤君が作ったアレンジも良かったな。とても心にじんわりと残る手紙だった。
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今回のFABRIC THEATERは、あとから思い出して、暖かい暖炉を囲んだ記憶の余韻を思い出すような、そんなライブだったな。
FABRIC THEATERは通常のライブと対をなすもので、ずっとあって欲しいもの。いつも驚きと感動があって、音楽って、なんなの……!と思わせてくれる、とても大切な存在なのです。
FABRIC THEATERはたまたまとはいえとても配信向きの公演で、いろいろ叶うものならば(これからも年末数回という形式になるのならば)毎回配信もしてもらいたいぐらい。じっくり噛み締めて聴くのが似合う。
山内くんはFABRIC THEATERをツアーでやりたいと言った。この人は口に出したらいつか絶対達成するだろう。その先に、音源という形で残してもらいたいという強い希望がずっとある。
FABRIC THEATERでこれまでリアレンジされたフジファブリックの楽曲、カタチ、ペダル、MUSIC、バウムクーヘン、カンヌの休日、バタアシParty Night、B.O.I.P. etc… 今回ならSmall World。音楽として、まっさらな気持ちで心を動かされたものばかり。人の気持ちを変える力があるよ。一生聴き続けられる作品になるよ。
アコースティックセルフカバーアルバムは、フジファブリックの曲の良さとアレンジ能力と演奏力の高さと楽器の音と山内総一郎の声の素晴らしさを鮮烈に伝える最高の手段だと思う。
不思議なもので、FABRIC THEATERみたいに枠を設けられて逆に自由になるというか、通常の状態にむしろ枠があるような、そんなつもりはなかったけど無意識にイメージ固定してしまっていたのかな、と感じて、FABRIC THEATERをやる時の感覚を通常モードと融合してフジファブリックがより自由になれればいいのになと思った。
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FABRIC THEATER公演が終わって数日後の帰り道。冬の夜の寒さに冬のライブ前、震えながらライブハウスの前でライブが始まるのを待ってる時の空気を思い出し、「今年最後のワンマンライブ」という言葉とか、フジファブリックが大阪のライブハウスに足を踏み入れない年なんてあるのかよ・・・・と、夜空の星を見上げて悲しくなった。
そして、現場に足を踏み入れた時の感覚を絶対なくしちゃダメだ、と強く思った。
その夜の山内総一郎のツイッター。
「昨日のライブがあまりにも楽しかったから、FABRIC THEATERでツアーをする、という目標ができた。達成したい🐘」
・・・・・・。
タイミング、だよね・・・。
欲しいタイミングで欲しい言葉をくれる人を、やっぱり好きだと思ってしまうよね・・・。
ありがとうございました
追伸 配信のページのバナーで「ザ・プレミアムモルツはフジファブリックを応援しています。」と出ていましたが、それならばフジファブリックをCMまたはCMソングで使ってください。