RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO(2) 山内総一郎
24:30-25:30 TAIRA-CREW
眠気の中、出番を待つという経験を初めてした。
時間になって、恥ずかしそうな顔しながら奥の階段を上がってぬぼーっと出てきた。その時なんか軽く笑いがこぼれたような。笑 ギターはステージに3本置いてあった。座りスタイルで。パラパラ、パラパラと焦って譜面?めくってた。ちょっと緊張してたのかなぁ。右手奥の方見て、お客さんがいっぱい見えたのかなー、ニコッと笑った。
山内「…怪談話はしませんよー」
客:笑
そんな雰囲気。
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1曲目 透明/フジファブリック
とーうーめーいー…… ライブで初めて聴く……
山内くんが弾くギターは今まで人の歌に寄り添ってきたけど、自分で歌う時は俺は俺って感じでやってた気がするけど(ギターが。)今は、自分の歌を聴いてくれてる感じがする。自分で弾いてるのに。不思議。
森に、顔に反射するミラーボールの光がチラチラ。
2曲目 すばらしい日々/ユニコーン
いっしょにいたいけれど。とか いつの間にか僕らも。とか、時々プチッと止めるような歌い方してた。バンドで歌う時もたまにするけど。ユニコーン、奥田さんの歌、合ってる気がした。無理なくのびのび歌ってた。
すばらしい日々の切なげなアウトロ、好きなんだけど、その切なさをちゃんとギターで再現してた。
「今のは、ユニコーンですばらしい日々でした。」
終わった後、本人から曲の紹介入るのいいな。
リハーサルで歌ってた時、竹内まりやかなぁと思ったけど、有名な曲たくさんあるからいろんな曲と混ざってタイトルが思い出せず。
山内くんが歌うと曲を再構築するみたいな感覚で、「この曲、こんな複雑なメロディだったんだなー」と思った。結構弾き語り、難しいような。途中で歌詞間違えて一瞬止まって「すいません」って言ってた。笑 最後の「So, I sing this rhapsody for you.」って英語で歌う部分がすごく新鮮!
「今の曲は、竹内まりやさんで純愛ラプソディという曲でした。」
MC
山内「幻想的ですねー」
山内「こんな事もなかなかないんで、今日は好きな歌だけ歌いたいと思います。」(わー)
山内「一応、時間が決まってるんですけど…」
自分の絵の描かれたフジファブリックのツアーグッズの赤いスマホカバーが付いたiPhoneを取り出して
山内「今Siriが起動しました…。」
客:笑
時間を確認したのか、「なるほど」と言ってそのまま譜面台の上にスマホを置いておこうとして、やっぱり台の下に直した。
山内「さっき楽屋裏で松崎しげるさんとすれ違いました。」
客:笑
山内「事務所にスカパラのトロンボーンの北原さんって先輩がいて、サーフィンをしていらっしゃるので黒いんですけど、松崎さんと北原さんがすれ違った時、本物は違うなと思いました。」
客:笑
お客さんは何か声を掛けたりするでもなく、くすくす、くすくす、と声を潜める感じ。その分、拍手に気持ちを込めて。不思議な空気だった。
4曲目 Baby cruising Love/perfume
びっくりしたー!perfume歌うとは!Baby cruising Love連呼めっちゃかわいい。Baby cruising Love〜あぁ〜 の あぁ〜 の部分が素敵。perfumeの歌って男の人が歌っても合うんだよねぇ。サラッとしてるからかな。
「いつも近道を探してきた 結局大切な宝物までなくした」って今まで結構なにげなく聴いてた歌詞の部分が、山内くんという人間に重ね合わさると違う響きになって聞こえた。
声がどんどんクリアになってってる。
ビブラートを修得した山内くんですが、使ってはいなくて、ビブラートじゃなくてただ声を伸ばした時にちょっと揺らぐ感じ、あれがとても好きだなー。
「今の歌は、perfumeでBaby cruising Loveでした。」
客の男の人がその後低い声で「イェァ〜」と言ったので、それを真似して低い声で「イェァ〜」って言ってた。笑
山内「みなさん、アーティストいろいろ見られました?」
客:うなずく
客「フジだけー」(小さめの声で)
山内「くし?」←
山内「ベースの加藤が、帰りたくないと言っています。」
加藤さんがステージのうしろでひらひら〜っと手を挙げて、ちょっとだけ顔を出したのかな?
客:おーー
山内「帰りたくないよね。」
これが一番印象に残ってて、一番好きだったかなー。大人っぽいアレンジで、こういうのもいいな、と思った。
ゆらゆら帝国、昔好きなアーティストがDJ(…もどきのただ好きな曲を流すだけのイベント)で流した事があって、その時期ちょこっとだけ聴いてた。いい曲だなーと山内くんの歌で再発見。ちょっとまた聴きたくなった。
ちょっとだけ社会的なにおいがする歌で、でも直接的ではなくてにおうだけ、ってところが良くって、そういう成分、フジファブリックにはまったくないから新鮮で
最初の「無線が切れた」からその無線が切れた感じにとても声が合っていて(オフ感というか)、山内くんの「しずまれ暴力」って相当ドキッとする。「好きな 人 好きな 場所 好きな 星」ってあの声で一言一言ぽつりぽつり歌うのを想像していただけるだろうか。……良い。ものすごく 良い。
2番は「さよなら 緑 さよなら 引力 さよなら 海 野 谷 山 丘」で、これもなんとも言えず合ってて。山内くんの声と自然の風景、って美しい。
「好きな」シリーズもう一回聴きたいなーと思ったら最後にまた出てきた。やっぱり気持ちいい。歌詞が一個ずつころころ転がってくるみたい。アコギの音も暖かい。
山内くんが歌う日本語ってまるくていいな。山内くんの弾き語りには日本っぽさを感じるのです。和とか郷愁とかそういうストイックだったりアーティステックな感じでもなく、ふつーの日本。ふつーの風景。それがなんだか優しくて懐かしくっていいなぁと思うのです。意外とこういう人、いないような。
CDの音がフェイドアウトしていくみたいにだんだん声落としていってマイクから離れて、最後は口だけパクパクさせてて(←ちょっとおどけて半笑い)人力フェイドアウト笑った。
MC
山内「大幅に時間がオーバーしているのですが…」
客:拍手(盛り上がる)
山内「最後の曲です」
客:えーーー
客男「朝までやって!」
山内「え〜朝まで?朝まで付き合う?」
客:(付き合う)
山内「…でもここの都合もあるでしょうし。なし崩し的な…(笑)」
客:笑
あんまり気持ち良くって、もうこのまま永遠に歌い続けて欲しいと本気で思ってしまった。
これ歌うかー……、夏の終わりに、これ歌うかー……。
夏の終わりに「若者のすべて」ってみんなに求められてる気がして、意味背負わなくてもいいから、夏のスタンダードとしてフジファブリックで歌っていってもいいんじゃないかなと思ってた。
ただ、今はちょっと予想してなかったので、フイを突かれて無防備なところに思いっきり受けてしまった。
それまでのほわ〜っとした雰囲気と違って、バリバリ歌うこの人見て、進化してしまうんだなーこの人は。と思った。ぼーっとしてたら周りみんな置いていかれそう。ギターだけ弾いてたあの頃の自分バキッと突き破って、なんかもう、戻れない。私はギターしか知らないギター弾いてるあの人が大好きだったけど、今の人にも会えて良かったと思ってる。
いろんなカバーやって、どの歌詞も素敵だったけど、あの人がどんな頭で考えたかわかんないけど、選び抜いて紡いだ言葉がとても素敵で。好きだったなー。君の言葉。好きだったなー。フジファブリックの歌でも、弾き語る事によって新しい発見があるよ。
「ありがとうございました。」って言って帰っていった。
アンコールの手拍子。すぐ出てきた。笑
山内「すんなり出てきました。」
客:笑
山内「今日は、やる曲とか全然決めずにステージに立って震えてたんですけど。」
何かを歌おうとして、うしろでなにやらこそこそ話した後、「歌おうと思ってた曲があるんですけど、それじゃない方がいいと言われました。」と言ってパラパラパラってちょっとだけ慌てて他の曲探してた。そういうの、最初何歌おうとしてたのかとか、めっちゃ気になる方なんですけど…………。曲を変えたらギターも持ち替えた。
しかし、メンバーのステージ見に来るなんて。保護者か!うしろで見守ってたのか。かわいい。若者のすべて歌う山内くんの背中をどんな表情で見てたんだろうなー。
7曲目 ぼくらが旅に出る理由/小沢健二
アンコールは立って歌ってた。
「ありがとうございました。」って言って、2度ほどペコペコして、階段の向こう側に今度こそ本当に消えていった。
またアンコールの手拍子が起こったけど、スタッフの人が譜面台に付いてた虫の触角みたいなライトを消して、タイラクルのBGMが戻ってきたので、これで終わりだと思った。最後に大きな拍手が湧いた。帰っていくその背中に聞こえてるといいなぁ。
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1時間ぐらいの弾き語り。
タイラクルのトリなので、ちょっとばかり自由がきくんじゃないかと期待しておりました。
去年、シークレットで木村カエラ出たんだっけ。これシークレットで後から知ったりしてたら藁の上のたうちまわってたと思う。今回は告知があってほんと良かった良かった。公録ラジオでもきっちり宣伝してたし。でなきゃたぶんあの森行く事なかっただろうな。でも、ほんとに「たまたま行ったらやってた」って人もいるんだよな……。どんだけ幸運なんだ。タイラクルのまわりでテント張ってて、寝てたらなんか素敵な声がして、近づいていったら森の中から若者のすべてが聞こえてきた、とか、そんなシチュエーション素敵すぎー。(ないけど)(そんなスマートではいられない)
ロウソクの灯が映った目ってなんか特別な感じがする。誕生日ケーキのロウソクを見つめる目とか。ああいう感じ。あの場にいた人達の目は全員そんな感じで輝いていたのかなー。
次の曲を始める前、何かのフレーズをちらちらっと弾いてる時と、前奏弾き始めた時の「次は何を歌うんだ??」というワクワク感が半端なかった。
山内くんのカバーって、あっちゃこっちゃ行ってて予想外で、わりかし自由だなーと思う。昔のニューミュージック系の女の人の歌とか時々入ってくるのがちょっと珍しい。そしてそんな風にカバーしたい!と思った曲いろいろ出来るのは、ギターが弾けるからだろうな。これって強みだなー。伴奏も最高でした。山内解釈って感じ。
「あなたと夜と歌謡曲」の時から感じてるけど、フジファブリックとは違う感じで、山内くんの弾き語りが異様に好きだ。こういう良さ、もっといろんな人に広まればいいのに。
きっと最初は自分の声がとかどーでも良くて、とにかく続ける為に必死に歌ってただけだろうけど、最近はじっくり自分の声と向き合えているのかなぁと思った。
着の身着のままで歌い始めてから、いろんなクセが付き、取れ、声が太くなって、声そのものの良さだけが増長した、ほんといい方向に素直に伸びたいい歌声(歌い方)になったなー。
夏 真夜中の森 ロウソクの灯 ミラーボール 弾き語り 恋の歌 ロマンチック最高か!
一生の思い出作れと言われてるとしか。
SET LIST
透明/フジファブリック
すばらしい日々/ユニコーン
Baby cruising Love/perfume
純愛ラプソディ/竹内まりや
ひとりぼっちの人工衛星/ゆらゆら帝国
若者のすべて/フジファブリック
ぼくらが旅に出る理由/小沢健二