GIRLS/フジファブリック

GIRLS(初回生産限定盤)

GIRLS(初回生産限定盤)

自分的フジファブリックあるある
前日フラゲしても必ずニコ生その他いろいろあって(今回はFULL CHORUS)
聴くのがド深夜になる

そして深夜4時

暗闇の中ごそごそと箱を開ける。BOYS箱より開けにくい。
まず歌詞を読む。
全然ひっかかる言葉がないのが気にかかる。
でも事前にシンプルにしたという事は散々言ってたし、曲に乗ればまた印象違うかなと思い。

1・2曲目は既に知ったものとして、3〜5曲目がまるまる初聴き。(←BOYSの時とまったく同じ……)

楽しみにしていた「BABY」を最初に聴く。

・・・・・・・・!?

なにこれ
なにこれなにこれ
なにこれなにこれなにこれ

アレンジも相まって(ちょっとコスモス入ってるし……)
なにこの軽くファンシーな感じは

最後のギターの音好きだから、全編でああいう音鳴ってればいいのに
もうちょっと、アコギのザクッとした雰囲気を想像してたんだけど、、、、、

ヒィィィ と思いながら、初聴き2曲目「キノウ」へ。

味がしない。

フジファブリックの曲の中で一番、というか最近聴いた音楽の中でも上位ってくらい味がしなかった。
この後3回ぐらい聴いたけど、歌唱含め、あとから全然思い出せなかった。

やっぱり創作的な歌詞は全然入ってこないなぁ。
そもそも「夏の大三角関係」の歌詞もちょっと苦手だったのに、(メロディとかアレンジのノリでなんとか聴けてた)
その中の(全然共感もしない)登場人物の発展型の歌詞っていうのが無理だった。

あ゛ーーー と思いながら、初聴き3曲目「裸足のバレリーナ」。

前奏と歌い出しでちょっとワクワクする。
「GIRLSの中の(初聴き3曲の中の)良心……」と思った。
熱のない感じの歌い方良い。
A〜Bメロで期待が膨らんで、サビ。

なんだこのJ-POP感・・・・・・・・・

やり方によってはJ-POP感出ないと思うんだけど、
歌詞とアレンジと声の質の成せる技なんだろうか。

声砕くのPerfumeの「ねぇ」っぽい。
こういうピコピコした感じ好きなんだけどなー
AメロとBメロ好みなんだけど
間奏も結構好き
「安心安定」「ステップのようなスキップで跳ねて」
「伸びる伸びる影が身体から離れそう」あたりの
淡々とした声と言葉の組み合わせも好きなんだけど(「悩める子羊」はちょっと……)

3〜5曲目聴いて えー えー と思いながらフラフラ「夜明け前」を聴く。

ほんといい曲だなーとほっとする。
こっちも同じような「素直な歌詞」なんだけど、違うんだよね
「引っかかる」って言葉はちょっと違う気がする
メロディの側でたゆたって寄り添ってる感じ
メロディもシンプルなんだけど、残る
Bメロからサビになだれ込むのがとても自然に盛り上がる
良い後味を思い出して、繰り返し聞きたくなる
このやさしさはスピッツ雪風ずっと聴いてた影響もあるのかな
キラキラよぞらを ひらひらおよぎ のところ、ほんとにキラキラしてて好き
ほんとに一番最後の「このままふたりで〜」のうしろで下がっていく音階が泣ける程良いな

「夜明け前」はThe Coversで歌ってるの見てもっと好きになったから、
きっとライブで映えるし、お客さんの前でどんどん育っていくんだろうなー。
Light Flightみたいに。
山内くんはこういうの大得意だなー。

「Girl!Girl!Girl!」

いろんな音が入ってて楽しい。
1番で「君まであと少し…」を3回はやるように繰り返すとこ好きだし
2番ではスパッと「滑り込み」に行くのも好き。(ここですごい声張ってんのも好き)
MVでは途切れてたけど、最後のバタ臭いギターもザ・スタンダードな終わり方もすごく気持ちいい。
頭から最後まで曲として完成品って感じで、これが表題曲になったのわかる。
「Girl!Girl!Girl!」も絶対ライブで聴いて楽しいだろうな。

「夜明け前」も「Girl!Girl!Girl!」も最初からすんなりってわけではなくなにかしら乗り越えて好きになったけど
それでもやっぱり、この2曲はダントツだったなと思う。


明けて、結構もやもやしてしまって「物申したる」的な気分でいっぱいだったんだけど(←ここまでBOYSと同じ流れ……)

まず、そこまでフジファブリックが「手癖をなくす」「自分らしさを消す」事に腐心した意味がよくわからない。

今までの形では広がっていってないから、全然違う層に聴いてもらえるようにしたというのはわかるけど、
そうした結果、フジファブリックを今まで聴いてきた人からしたら
「今までのフジファブリックと全然違う!」って驚きだろうけど、(しかもその驚きが喜びかどうかはわかんない、)
知らない、フラットな状態の人からしたら巷に流れてる音楽と一緒ってならないだろうか。

そして、もともとなかったJ-POP臭をあんなに塗りつけるのはなんでなんだろう。
山内くんがそういうのが大好きというのはなんとなく感じつつあるが……、

でも、自分にはわからないけど、聴きやすくなった事で初めて届いた人もいたのかもしれない。
シンプルに「この曲好き!!」って言われてるの見ると、ものすごーく嬉しくなるんだけど……。

山内くんの歌の表現、3・4曲目に関しては
アルバム「STAR」を初めて聴いた時以来の感覚が久々にあった。
乗り越えたと思ったらまた壁が。(次々来るなー。)
今度はどうやってどのタイミングで乗り越えるのかな。

それにしても1枚の中でファルセット使う曲多すぎる気がする。
当たり前になるのはちょっと。
ここぞという時だけ使って欲しい。(Green Birdみたいな)

メロディと歌詞を除いて、最初は混ざっていた
なんかわからんけど感じるフジファブリックらしさというものの
「志村が担っていた部分」と「三人の色」が徐々にはがれて、
三人だけの特色というのが時間の経過と共に見えてきた気がする。

キラーサビメロディー(?)を作るのはほんとに難しいんだろうなーと思う。
フジファブリックに限らず、全ミュージシャンが苦労している事だろうけど。

別にバンドが全員作詞作曲する必要はない思う。
最初に3人でやり始めたから……というのがあるのかもしれないけど。

言葉に関しては、山内くんはたまに書く長文がとても良くて、
わかりやすい言葉で でも山内くんが生きてきて自然に得てきた独特の感性で
柔らかい感触をもって伝える事が出来る人だと思うので、
そういうのをうまいこと作詞に落とし込めたらいいなーと思う。
既に出来てるんだけど。(Gumとかはじまりのうたとかああいうの好きじゃー)

ラジオとかでも言葉のチョイスとか言い回しがすごく好きで
山内くんってよく音楽雑誌の人などに支離滅裂とか話がまとまらないとか言われてるけど
(音楽雑誌の人は記事をまとめるのに苦労するのかもだけど)
MC聞いたりラジオ聞いたりしてる中で言ってる意味がわからないと思った事はないなー。

歌詞は書いた人にしか分からない永遠に解けない謎ぐらいのが丁度いいのかな、と思うけど

今回は出来るだけ削ぎ落としてシンプルってコンセプト。

それでもやっぱり、攻撃的な曲やあばんぎゃるどな曲を聴きたくなるのです。
「まぁ待て待て」って言われてる気がしないでもないけど。
(そしてそれは早急に結論出す人に対して自分が思ってきた事なのだけど)


OKMusicのインタビューで

まだやってないことがいっぱいあるので、今後やりたいと思ってはいるんですけど、まずは新たな自分たちのスタンダードを提示しないとダメだなと思うようになりました。やってないこともたくさんあるけど、それもやりながら“楽しいわー”だけじゃなくて、次は自分たちのスタンダードになり得る作品を作らないといけないと思ってます。

と言っているので、次出てくるのがほんとのところかなと思ってる。

正直、このインタビュー読んでほっとした。
このまま自分達が今までやっていない事、自分達らしくない事をやり続けて
フジファブリックらしさを消していったらどうしよーと思っていたので。

今度こそ、自分達のスタンダードかー。
楽しみにしてる。