Guitar Magazine Special Artist Series フジファブリック 山内総一郎

畳みかける展開、無駄なものが何もない。すべてがメインイベント、すべてがクライマックス。一気読みしてしまった。

山内語りから読み始めたけど、二個ぐらい衝撃的な事実が発覚してた。透明ギターを使っていた頃の話は本当にビックリした。そんな事を考えていたなんて想像すらしていなかった。山内くんは志村の音楽や世界を生かす為に一生その身を捧げて生きると決めた人だと思い込んでた。でも人の人生はそんな割り切れるほど簡単ではなかったみたいだ。2009年までずっとしなやかに淡々と生きてるように見えたから全然気付かなかった。

なぜそうしようと思ったか、それについて山内くんは詳しくは話していなかったけど、何か違う、表現したいものがあったのかなというのは想像に難しくない。レコード会社移籍して次のアルバムの話もしてたみたいだし、富士Q終わったらそうするつもりだったのかな。それともその頃にはまた考えは変わっていたのかな。そんないろいろも2009年の事で全部吹っ飛んだのかな。進みたい道もあったけど、結局背負ったって可能性もあるのか。その時考えてた事、すごく知りたいと思った。

対談系+メンバー語り、三方向から攻めてくる全然違う切り口でものすごくおもしろかった!BOBOさんと長岡さんの視点が独特で際だっててアーティストだなーと思った。TAKUさんも同上。+親密だからこその空気感。バンドワゴンで山内くんがTAKUさんの事を楽しげに話してる感じとか、TAKUさんがインスタにハイテンションで山内くんと会った時の事書いてる現場の雰囲気そのまんまだ!笑と感動した。長岡さんとの対談はフェンダーのステージで話していた間(ま)がそのまま引き継がれていた。自分の確固たる美学がある、ブレない感じがすごくおもしろい。P42途中あたりからたかまりすぎてコンフュ状態になってしばらく文字が読み進められなかった。笑

BOBOさんがこうすればいいのにって言った事、TAKUさんが指摘した事、こういう事言ってくれる人がそばに居て良かったなーと思った。空気を通してくれるような存在だ。山内くんが未来について話した事、長岡さんとの対談で話していた事、すごく魅力的に感じて、全力で見たいと思った。全部実行して欲しい。山内くんはもっと自由でいい。やりたいようにやればいい。


■私的名盤30選

ルーツを一個ずつ辿っていきたい。BECK→ジェームス・イハで勝手に山内語作ってんの笑った。(その後J-WAVE のOTOAJITOでもその話してた)


■機材コレクション

ギターがマジックのように次から次へと出てきて、どこまで出てくるのかと戦慄。機材紹介があると知ってこれからはライブ行った時どの曲の時どのギター使ってたとかちょっとは分かるようになるかなーと思ったけど、形状似てるのが多々あってそんな容易な事ではないと思えてきた。笑 現場で咄嗟には無理かもしれないけど映像になったら確認出来るかもぐらいの。持ってるシンセ類も見たかったな。持ってる機材全部は載せきれないか。山内機材コレクションとかいって図鑑みたいな感じで1冊本作ってくれてもいいよ。淡々と機材の写真と説明だけ載ってる本。


■山内評

食い入るように見てしまった。ネットに先に載ってたのよりもっといろいろ書いてあった。楽しみにしてた草野さんのコメントはあっさり。氣志團の綾小路さんのコメント最高。クリープハイプの小川さん想像以上に熱かった。平岩紙さんとの出会いはまさにあの松尾さんの舞台だったのかー、第一印象の表現がかわいい!奥田さんとYO-KING笑った。名越さんの「印象深いエピソード」にホロリ……。


■実物大の手写真

手の写真をみんなにマジマジと見られるってどういう気分なんだろ。笑 左右手の平だけじゃなくて手の甲が載ってるのがおもしろい。指が長いというより手の平が大きいんだなー。これがあの数々の旋律を生み出してる手か・・・
指毛気になりますよね。腕毛とかね。ニコの対バンで最後にみんなで挨拶する時逆光で半袖Tシャツ着てる山内くんの腕毛がファサーッて金色に光ってたの思い出す。(初めての認識)今年のRIJの映像でも捲り上げた腕が。いいよね。生き物っぽくて。


■STARと透明のスコア

本を折って(…)早速譜面をコピーした!STAR弾……けはしないので音を一個一個鳴らしていったら4ページ目ぐらいで肩凝った。当たり前だけど同じ音(正確には"同じ音"ではないが……)が鳴るのに感動する。音の響きが気持ちいい。弾けるようになりたいなぁ。10年ぐらいかかってもいいから。動画必須だな。その前にエクササイズを地道にやるべきだな。基礎練載ってたのすごくありがたい。プロも基礎練やってるんだなーと本を読んで思った。山内くんは練習を苦にしない人なんだっけ。そういうとこほんと尊敬する。


■BOOK

装丁…須藤廣高(THROUGH.design

いつものところの。実際手に取ってみると思った以上にファンシーな仕上がりだなと思った。かわいいけど内容は硬派。

表紙の写真…端裕人(hata hiroto photographer

ありがとうございます!

ヘア&メイク…Cirque(下北沢 Hair Salon Cirque

Salyuとかもやってるみたいなんでたぶんここだと思うけど、山内パーマ張本人を探り当てる事が出来なかった。自分の仕事宣伝したらいいのに。特定したら「なんで巻いた」と言いたい。嘘です。指名して「これと同じパーマで」と言います。(言わない)

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最近、音楽雑誌とか読んでて閉塞感というか(ここに突破口はあるのか・・・?)とモヤーッとしてたけど、この本読んでなんかすっきりした。想像してなかったまた違う角度の未来が見えたような。あとメンバーによる歌唱についてボロクソに思ってたけど、もしそうする事により山内くんのギターの可能性(ライブのパフォーマンスとか)が広がるというのならばやぶさかではない、と思うようになった。(それならインストでいいんじゃない?とは思うけど。)なんだ結局山内かよーって感じなんだけど……そのへんの拘りというか呪縛はちょっと解けた、かな。

2016年の最初と今とは全然違っているように、2017年以降も山内くん及びその周辺はめちゃくちゃ変動していくんだろうなーと思った。山内くんには出来る限りいろんな人や物事に関わって欲しい。ネガティブな部分を晒すようになったのも、変わり目なのかな、と思った。