LIVE & ONLINE アコースティックライブ「FABRIC THEATER 3」(夜の部配信の感想)

LIVE & ONLINE アコースティックライブ
「FABRIC THEATER 3」

2020/12/2 EX THEATER ROPPONGI
【昼の部】open 15:00/start 16:00
【夜の部】open 19:00/start 20:00(★配信あり)


オープニングの金澤ダイスケ生誕祭映像懐かしい。大きくなっていく拍手、文字で観客を煽るスタイル楽しい。(最初のプレモルのCM、いつかのプレモルLINE LIVEの時の氣志團のようにフジファブリック出演の特別CMが流れるんじゃないかと少し期待してドキドキしました)

金澤ダイスケ生誕祭映像化はどうなんだろう・・・?笑 他にも映像化して欲しいあれやこれやはあるけれど、落としどころとしては今度の楽園とかアルバムについてくる映像特典あたり?

LIVE泥棒は以前制作した映像かと思いますが、金澤君が作った音楽ちゃんと聴けて嬉しい。(オリジナルで作ったって聞いた時はびっくりしたなー)初回FABRIC THEATERの3人組のイラスト、やっぱり好きだな。


~開演~

ステージにそびえ立つ映画の撮影みたいな大きな4つの照明が雰囲気あって素敵だな~


徒然モノクローム

夏に大阪城ホールでひとり弾き語りした時のアレンジ。あの時は歌にアウトロー感出てる気がしたけど今回はしっとりのびのび歌い上げる感じ。最後のBメロ~徒然しちゃう、のあとにもう一回繰り返す小節が、遊び心効いてる~!洒落てる~!ってなって大好き。

加藤さんてスタイル決まってるからイメチェンとかあまり感じたことないけど、今回の衣装ちょっとだけイメージ違って見えるな~~キャメルの上下かわいいな~~ラコステ似合ってんな~~
フジファブリックはキャメルが似合う!
(山内くんがフォーマルでありながら変わった型の服着てたりカラフルな服着てたりするのもめっちゃ好きです)

金澤さんに「君が配信か!」って見つけてもらえて嬉しかった。笑


ホーランド・ロップ

軽快なトークのあとの、前奏弾いてる金澤さんの音楽に入っていく表情めちゃくちゃいいなー(特に左から映した時の、うっすら笑ってる?みたいなの)
何年経ってもなぜ山内くんはホーランド・ロップの歌詞があやふやなのか?笑
最後山内くんが跳ねてんのがかわいすぎるな…


赤黄色の金木犀

彼や彼の音楽を慕っていた人や憧れていた人がたくさん、愛やリスペクト持って現在もカバーしてくれているのは知ってる。けど、彼の歌をフジファブリックの歌として歌えるのは世界中で一人だけだ。

彼になりたい人や、彼に似た人はいらない。

山内くんが彼になりたい人でそういう素振りを見せていたらたぶんダメだったと思う。普通に好きで応援はしてたと思うけど、今のように深く深く知りたかったり、はまっていなかったと思う。

Mystery Tourで「パッションだけ持って行くぜ」と歌っているけれど、まさにそれで、姿形、歌の形ではなく、曲の中で繋がっていればいい。

なんかほんとにもう、山内くんが山内くんのスタイルで山内くんのままで、フジファブリックでいてくれてありがとう。。

歌が終わったあとの加藤さんのウッドベースの音色、ほんとにいいな~


Small World

今年のFABRIC THEATERはSmall World。
これまではどんなにアレンジが変わってても前奏のコード感やつまびく一小節のメロディーで「あの曲だ…!」みたいな予想は出来たんだけど、この時は頭の中のデータベースフル稼働させたけどほんとに何が来るかわからなくて、歌い出してからも「これは…CHRONICLEの中の一曲だったか…?」と記憶を手繰り寄せて、「足りてないものは…」のあたりでじわじわと「・・・あ~~~~~!!!!Small World・・・・!!!!」ってめちゃくちゃビックリした。

ピアノを主として歌う山内くんの歌めちゃくちゃ好きなんだよな~~すごく贅沢な感じがして・・・

聴いていて、どんどん、オセロがひっくり返っていくような感じ。歌詞の意味が塗り変わっていくような、あの歌詞がこの時代にこんな風に響いてくるのか、わーーー、わーーー、もう・・・・ ほんと、こういう瞬間のために生きてるとか思っちゃうね

「無限のイメージ」のあと一旦置くとこんなに余韻を含むのか、そこからのサビ、「伸ばした手で掴むよ」を歌い上げないで下げるところとか・・・もう、このアレンジにはそれしかない、というかズレのないものをはめ込まれて、うぅ、となるしかなかった。

Small Wordはポップな演奏に乗せて伸びやかに突き抜けるように高音を歌い上げるイメージがとても強くて、それはそれで当時の雰囲気や宇宙兄弟のアニメの主題歌という役割を全うしていたと思うけど、このアレンジでアルバムに収録されてたりなどしたら、この曲に対するイメージはまったく違ったものになっていただろう。このアレンジは、今だからこそ…だね。

Cメロで空気感変えるのも最高・・・・
(Cメロ入る前の「ア・ァ」も最高・・・・)
はーこういうのとてもFABRIC THEATERらしい。

そしてCメロから最後のサビへ繋ぐ弾き上げるピアノと、サビを歌い終わった後の歌い回しからの明るい希望に満ちた暖かい展開、大好き・・・・・・・・

すごい、このSmall Wordの中にFABRIC THEATERの良さが全部詰まってる。

普通のアコースティックライブって速い曲がゆったりになって音が素朴になる、しっとりとするイメージだけど、フジファブリックはそうじゃない。「アコースティックライブ」という概念を変えてくる。

曲のラベルを剥がすというか、自分の音楽に対する固定概念をひっくり返す。ただ奇抜で全然違うアレンジをしました!っていうんじゃなくて、曲の持つコアを生々しく拾い上げたり、コアに火を付けたりとか、そういうイメージ。そこに新しいアイディアを加えて、その曲の歌詞やメロディの持つ可能性を広げてくれる。違う角度でぶっ刺してきてこんな風にも音楽って聴けるんだよと教えてくれる。

それは完全なるオリジナルがあってこそ。

歌詞やメロディが重要視されるけど、実際そうなんだけど、アレンジって同じぐらいすごいものだと思ってる。曲の世界を決めるのはそれだもの。そしてその世界を想像して、創造する事が出来る人達は本当にすごい。

FABRIC THEATERは通常のライブと対をなすもので、ずっとあって欲しいもの。いつも驚きと感動があって、音楽って、なんなの……!と思わせてくれる、ととても特別な存在なのであります。

山内くんが良い反応を受けた後に照れながらとても嬉しそうに言う「ゔれしい」好き。


赤黄色の金木犀を作っていた当時のレコーディングの話

山内「俺と志村くんだけ泊まってたよ、結構」
金澤「そういうタイプでしょ、あなたたちは」
山内「地続きタイプ」
金澤「ずーっとやってられる」
山内「おたく切り替えタイプ」
(金澤君と加藤さんは切り替えタイプ)

この辺のやりとり好き


金澤君の話から「その行程全部聞かなあかんの」のくだりもおもしろかった 笑
布団に入り、着替え 笑


星になれたら(Mr.Childrenカバー)

おおお、ミスチルカバーびっくり!(高校の時バンドでカバーしたと言っていたシーラカンス聴いてみたいなと思ったことはあるけど。いきなりシーラカンスはやらないか。笑)聴いたことない初カバーに遭遇するのは毎回うれしい。前奏のギターのあの象徴的なフレーズをピアノで表現してたの良かったな。

ポップな原曲のアレンジそのままで山内くんにはまりすぎるぐらいはまりそうなんだけど、FABRIC THEATERのこのアレンジ、全然雰囲気変わるなー、不思議な感じ…なんだけど、好きだな…。こういう解釈、なんか純ミスチルファンの人にも聴いてもらいたいような。

歌い方が桜井さんにまったく寄らないのおもしろいね。

この曲のあとのMCの時の山内くんの中に着てるタンクトップの”はだけてる”感じが気になった・・・(シャツきっちり着てないの珍しいね・・・でも時々突然こういう着こなしする事あるよね・・・(((好きです))


ひまわりの約束秦基博カバー)

初回のファブリックシアターでカバーしてたのを聴いた事がある。Bメロと「ひまわりのようなー」が秦基博の歌い方っぽい。(この曲は秦基博に歌い方が寄る)

今回の喉のコンディション、高音ちょっときつそうだったなー。いつもだったらもっとのびのび出るんだけどなー!とか思ってしまった。(今日は今日の歌の良さがある)


~ここから1曲出来そうなぐらいやや長いMC~
(山内くんの家に更に機材とケーブルいっぱいの話が良かった)


光あれ

このアレンジが自然で好きだな・・・・
フジファブリックのアレンジが好きだな・・・・
最後のギターソロは絶対にある方がいいな~~

最後、言われるまで何が起こったのかわからなかったけど、山内くんのもうちょっとおねだりはかわいいな!(「何か弾いて」がライブ中に伝わるその呼吸がめっっちゃ素敵、それに応える金澤君も素敵 ウォオウォオ言い出したのおもしろすぎ)


~ここから1曲出来そうなぐらい長いMC~
(オープニングの金澤ダイスケ生誕祭の話、金澤ダイスケディナーセットの話~からの)


恋するパスタ

んおーこれもFABRIC THEATERに映えるやつ!!フジファブリック大得意なやつ!!
Bメロの拍が違って跳ねてるの洒落てる!好ぎ!!

これ、いつもの状態でライブやってたら客席めっちゃ盛り上がって踊り出してただろうなー終わってからヒュ~ーーーッて言いたい…。

今回のライブの何曲かで感じたけど、山内くんは違う歌い方試そうとしている?いつものメリハリ歌いじゃなくて言葉と言葉が曖昧になるような流れるような歌い方を試しているような……(あんまり自分の得意な歌い方じゃなかったんだけど……)
これはこれで後になんらかの形となって現れるのかな……過渡期?(歌詞間違いのむにゃむにゃとの区別がつきにくかったけど 笑)


カンヌの休日

アコーディオンがめっっ!ちゃ効いてる!!!この曲に違う時代の異国の哀愁を与えている…。ステージの端でスポットライト当たってアコーディオン練り歩きながら弾いてる金澤君が非常にドラマチックで絵的で…小劇場の舞台の上のアクターみたい。
(スポットに間に合わないで走り込んでくるのおかしすぎ)

んがあぁぁーーー世界観キマりすぎてかっこよすぎるー~~終わってからヒューーーー~って言いたい・・・・・言わせて・・・・・。


~MC~
ここで大事なお知らせ

I Love Youってアルバムタイトル聴いた時、意外で、どストレートでポッとなった。でもI FAB Uツアーからそこに辿り着いたのはとても自然な流れだった。声で聞いた時は表記はUかな?どっちかな?と思ったけどYouだったのがあぁほんとにはぐらかさないんだなと。フジファブリックが使うから、いいんだよ。


LIFE

今日も探してる~♪「一緒に探しに行こうぜ~」からのギターソロに合わせて低い声で歌ってるのいい、そしてギターソロが終わったあと山内くんが真ん中でポツン…みたいになって、金澤君の方みたらピアノから席をはずして、ドラムの伊藤大地さんが演奏終わったみたいにスタッフの人がまわりうろうろしてて、加藤さんが席でベースを弾かずにニコニコしながら山内くんを見ていて……からのバンドメンバーが全員前に集まってくる演出、めちゃくちゃ素敵だった!!LIFEのあったかさにめっちゃ合ってる、楽団、仲間って感じ!誰のアイディアだよ……素敵すぎんよ……。


アンコール

~MC~

さっき本編最後の曲のあとアンコールでプレモルを乾杯するという段取りを間違えて金澤君が乾杯しようとしたんだけど、その事に対して加藤さんが「ちょっと段取り間違えてテンション低くないですか(笑)?」って言ったのめっちゃおもしろかった。加藤さんに見抜かれてる金澤君かわいすぎ。(ほんとに少しテンション低かったから。笑)
アンコールの山内くんのMCやばかったな~。ハーフアンドハーフ…

I Love Youってアルバムタイトルに「フジファブリックがそんなタイトル付けるなんて」みたいな感情はまったくない。

少し不安があったとすれば、ミュージシャン全体そうなんだけど、こういう事態になった時にみんなを元気付けようと明るい?楽曲傾向になったりとか勇気付けるような歌詞になったりとか、テレビで元気ソングの特集が組まれたりとか、そういうのほんとどうでもよくて、ミュージシャンのみなさんは意識してこちらを元気付けようとか考えてくれなくていい、曲が明るかろうが暗かろうがどうでもいい、その作品が心の底から素晴らしければ勝手にこっちは感動して勇気付けるられて明日も生きよう!って勝手に明日への希望を持つから。

だからミュージシャンは自分を貫いて自分の信じる素晴らしい作品を作ってくれ~~~でもこういう世の中を無視出来ない、無いことには出来ない、反映させないわけにはいかない気持ちもわかる~~~!

なので最後の山内くんのMC、「音楽っていうのはしあわせな鳴り響き方をしなければならない」「とは言いつつ、絶対にみなさんに驚いてもらえるような作品になると思うので、ぜひ期待してて欲しいなと」って言葉にほっとした。

最後、話をして、各自バラバラと楽器を弾きながら自然に収束していって静かに手紙が始まるのがとても良かった。ほんとに手紙はピアノに歌が映えるなー。自粛期間にゆるいかで金澤君が作ったアレンジも良かったな。とても心にじんわりと残る手紙だった。

---

今回のFABRIC THEATERは、あとから思い出して、暖かい暖炉を囲んだ記憶の余韻を思い出すような、そんなライブだったな。

FABRIC THEATERは通常のライブと対をなすもので、ずっとあって欲しいもの。いつも驚きと感動があって、音楽って、なんなの……!と思わせてくれる、とても大切な存在なのです。

FABRIC THEATERはたまたまとはいえとても配信向きの公演で、いろいろ叶うものならば(これからも年末数回という形式になるのならば)毎回配信もしてもらいたいぐらい。じっくり噛み締めて聴くのが似合う。

山内くんはFABRIC THEATERをツアーでやりたいと言った。この人は口に出したらいつか絶対達成するだろう。その先に、音源という形で残してもらいたいという強い希望がずっとある。

FABRIC THEATERでこれまでリアレンジされたフジファブリックの楽曲、カタチ、ペダル、MUSIC、バウムクーヘン、カンヌの休日、バタアシParty Night、B.O.I.P. etc… 今回ならSmall World。音楽として、まっさらな気持ちで心を動かされたものばかり。人の気持ちを変える力があるよ。一生聴き続けられる作品になるよ。

アコースティックセルフカバーアルバムは、フジファブリックの曲の良さとアレンジ能力と演奏力の高さと楽器の音と山内総一郎の声の素晴らしさを鮮烈に伝える最高の手段だと思う。

不思議なもので、FABRIC THEATERみたいに枠を設けられて逆に自由になるというか、通常の状態にむしろ枠があるような、そんなつもりはなかったけど無意識にイメージ固定してしまっていたのかな、と感じて、FABRIC THEATERをやる時の感覚を通常モードと融合してフジファブリックがより自由になれればいいのになと思った。


---


FABRIC THEATER公演が終わって数日後の帰り道。冬の夜の寒さに冬のライブ前、震えながらライブハウスの前でライブが始まるのを待ってる時の空気を思い出し、「今年最後のワンマンライブ」という言葉とか、フジファブリックが大阪のライブハウスに足を踏み入れない年なんてあるのかよ・・・・と、夜空の星を見上げて悲しくなった。

そして、現場に足を踏み入れた時の感覚を絶対なくしちゃダメだ、と強く思った。


その夜の山内総一郎ツイッター

「昨日のライブがあまりにも楽しかったから、FABRIC THEATERでツアーをする、という目標ができた。達成したい🐘」


・・・・・・。
タイミング、だよね・・・。
欲しいタイミングで欲しい言葉をくれる人を、やっぱり好きだと思ってしまうよね・・・。



ありがとうございました

 

 

追伸 配信のページのバナーで「ザ・プレミアムモルツフジファブリックを応援しています。」と出ていましたが、それならばフジファブリックをCMまたはCMソングで使ってください。