ARABAKI ROCK FEST.16(2)初恋の嵐 @鰰ステージ

ARABAKI ROCK FEST.16 2日目
2016.4.30 18:45- 鰰<HATAHATA>ステージ

初恋の嵐
Bass 隅倉弘至、Dr. 鈴木正敏

ゲストミュージシャン
Gt. 木暮晋也(Hicksville)、玉川裕高
Key. 高野勲
Per. 朝倉真司(ヨシンバ)

ゲストボーカル
堂島孝平山内総一郎フジファブリック


いつも野外だと昼間だったりテントの中だったりするので、野外の夜こういう大きめのステージで見るの初めてな気がする。やっぱり野外フェスの醍醐味って日が暮れてからなんだよなぁー個人的には。

外の草のにおいがして、だんだん闇が降りてきて、冷たい空気の中(でもそんなに寒くない)、うしろに木々のシルエットが透けて見える、照明でキラキラする広いステージ眺めてたら、なんだろうなーこのご褒美は……という嬉しい気持ちが今日一日這いずり回って疲れきった体にじわじわと湧いてきた。

背の高いマイクスタンドがど真ん中に来て赤いストラトが置かれたので、最初に山内くんが出てきて歌うんだと思った。その左横に「The Birthday」と書かれたギターケースも置かれたので「?」となった。(事前にスペシャルゲストの出演情報知らなかったんだ・・・)


...


出囃子のあと(アラバキに来て初めて知った!あれすごい好き!)初恋の嵐のメンバー+ゲストミュージシャンが登場。センターは空けてインストで「どこでもドア」。音圧にビックリする。

曲が終わってドラムの音がダンダン響く中、

隅倉「初恋の嵐です」
隅倉「それでは最初のゲストボーカリストを・・・フジファブリック山内総一郎!」

隅倉さんに呼び込まれて、セットの右奥の入り口から山内くんが颯爽と歩いてくる。さっきの東北大作戦の時よりピシッとした雰囲気。

山内くんが真ん中に立って「ジョイント」の前奏が鳴って、きたーーーーーー!!!!と思った。「ジョイント」と「だんだんわからなくなる」はセカンドの中で特に好きでセットで聴きまくってて、その曲を山内ボーカルで聴けるとは・・・・・・・

夢のようなめくるめく展開に頭が真っ白になりながら聴いてた。みっしりとした歌。ギター弾きながらちょっと斜めになって歌う山内版 You can't be singin' my love anymore〜、めちゃくちゃカッコよかった。「アラバキー!!!」って曲中叫んでた(笑)。人の歌でも。さすが。

曲が終わり、聞き慣れたというか聴き倒した前奏が始まって、「あ、とうとうその時が来た。」と背筋が伸びた。2016年に成し遂げたかった事のひとつ、「だんだんわからなくなる」をライブで聴くという事。

「だんだんわからなくなる」はスタンドマイク握って歌うイメージがすごくあって、そういうのちょっと期待してた。(実際は今日歌った全部の曲でギター弾いてた)

生で聴く「だんだんわからなくなる」は、音源聴いてずっと思い描いて恋焦がれていた以上のものだった。前髪の間から見える眼光が鋭くてオーラ凄くて歌が本当に強くて!圧倒された。さっきまでと全然違う人みたいだった。

私、これ聴きにアラバキの地に来たんだと思った。

誰か、陸奥荒吐に向かう道中で偶然通りかかった人、この歌声聴いて誰?って立ち止まってくれてないかな。え、この声フジファブリックなの?って思ってくれないかな。この歌声たくさんの人に聴かせたいなあ。

生「こんーやは つらーぃほど」「あだんだんわからなーくなる〜」が聴けて嬉しかった!ほんとに歌ってた!

「だんだんわからなくなる」、大阪であった初恋の嵐の対バンでも歌ってなかったし、山内くんが初めて歌うまで他のゲストボーカル歌った事ないんじゃないかな。山内くんの曲ではないけど、なんか特別感あったので、初めて歌うの山内くんに取っといてくれて嬉しかった。(とかいってもしかして大阪以外で既に歌ってたらすみません)


隅倉「山内総一郎!」
客:パチパチパチ
隅倉「今年初恋の嵐のセカンドというアルバムが出たんですけど、ゲストボーカルで総ちゃんに参加してもらって。」
山内「ボーカリストとして呼ばれたのは初めてだったので、とても光栄です。どうもありがとうございます。」
客:パチパチパチ
隅倉「そうだね、総ちゃんはこういうのはなかったもんね?ギタリストとして出たりとかそういうのはあるけど。そもそも歌歌ってなかったしね(笑)?」
山内「そうです。」
隅倉「……」←話が途切れる
山内「……」
隅倉「………ね?」
山内「(笑)…ね?」
隅倉「じゃー曲いきますか。」
山内「曲いきますか?」


隅倉さんのMC進行がぎこちなくて、そんな隅倉さんに特に口を出さずあたたかく見守ってる風な山内くんが異様に頼もしく見えた。笑 最近は絶対伝えたいという事はちゃんとステージの上から伝えるもんね。(それ以外がどんなにゆるゆるでも…笑)変わるよね人って。すごいね。

次、何を歌うんだろう?「初恋に捧ぐ」の有名どころからかな?と思ったので、「君さえ居れば」を歌ったのは意外だった。「ジョイント」「だんだんわからなくなる」をバリバリ歌うのは想像出来たけど。選曲は誰だろう?自分で選んだのかなー。

すごいややこしいメロディなのに、とても忠実に歌ってた。

山内総一郎の「ごめんなさい」の殺傷力…。
「君が好きだよ ごめんね ちょっとしばらせてくれ」ですよ。

サビの「となりの街の喫茶店で会おう〜」のところを歌う時だけちょっと笑って表情が柔らかくなってんの見てスワァーーーとなった。あーこれThe Coversで「ぼくらが旅に出る理由」歌ってた時「何を書いたかはナイショなのさ〜」あたりで表情柔らかくなったのと同じ現象だ。

地声からファルセットに移る時の差をあまり感じず、ファルセットも分厚くて心地良かった。・・・こんなに歌、上手かったっけ?

だいたいゲストボーカルって2曲ぐらい歌って交代って感じが多かったので、3曲も歌ってくれて嬉しかった。全部歌ってくれてもいいんだけど。

山内くんがここで下がって、
隅倉「次は鈴木君が歌います。」
客:おおーーー
隅倉「総ちゃんの後だと、プレッシャーがすごい…(笑)」
客:笑

なんかこの隅倉さんのコメント、「総ちゃんの(あのすごい歌の)後だと……」っていうニュアンスですごく嬉しかった!

この後、ドラム鈴木さん→ギター木暮さん→ベース隅倉さんがボーカルを取ったんだけど、木暮さんが歌ったのは意外だった。楽しそうだった。笑 鈴木さんと隅倉さんはそんなに歌は上手くないけど、「メンバーが歌う」という事に意味があるんだろうなー…。歌そのものを伝えるにはやはりゲストボーカルの方が伝わるかもなぁ、と大阪でライブ見た時もちょっと思った。これから初恋の嵐がどうしていくのかわからないけど、バンドを継続して成り立たせる歌を歌うというのは大変な事だなぁ。生半可じゃ無理だなぁ。そして山内くんの覚悟を改めて思う。

二人目のゲストボーカリスト堂島孝平さん。アラバキ親善大使なのでみんなに「大使!」って呼ばれてた。SMA界隈でよくその姿を見かけるけど、そういえば堂島さんの歌って初めて聴くなぁ。

堂島さんの歌った「カントリーホーム」と「あの娘のことば」もとても良かった。初恋の嵐で歌い慣れてるというのもあるけど、山内くんが歌った速いカッコイイ系の曲とはまた全然違う、ゆる〜っとして力がいい感じで抜けたかわいらしい感じの曲に声がとても合ってた。堂島さんもすごく丁寧に歌ってたなー。

堂島さんがここではけて、高いマイクスタンドを真ん中に戻したので(笑)あ!と思ったら

隅倉「ここで再び…山内総一郎!」
山内くんがまた出てきたー。
隅倉「そしてスペシャルゲスト…フジイケンジThe Birthday

うおぉ…………!!!(ここでフジケンさん出演を知る)

隅倉「4人ギター(笑)」

「どこでもドア」は、前奏が始まり・・・・・歌わないんかい!!と思ったけど(二番も含め×2)(隅倉さんボーカルだった)、ギターに徹する山内総一郎もやっぱり…非常に…良かったです…。フジイケンジ山内総一郎というなんという贅沢な画!木暮晋也、フジイケンジ山内総一郎、玉川裕高の並びで4人でギター弾いてたけど、山内くんのギターわかる!聞こえる!(感動)必死に歌う隅倉さんの横で、自由に楽しそうに、マイク通さないけど口パクパクしたりフーゥフーゥって歌ったりしてんのが素敵だった。

鰰ステージのトリなので、当然アンコールも期待。すぐ出てきた。初恋の嵐+ゲストミュージシャン+山内+フジケンさん(堂島さん以外)

隅倉「みなさん、お気づきかと思いますが、今日のセットリストはすべてセカンドからです。それもあんまりかと思うので…。」
隅倉「俺と総ちゃんで歌います。」

で「Untitled」(・・・ヒューーーー!!!)

Untitled、2012年のRisingSunの真夜中のBOHEMIAN GARDENで山内くんが歌ったって知った時のうわぁぁぁ聴きたかったーーーーって気持ちが今日浄化された(笑)。巡り巡ってこんな事あるんだなー。

wessのサイトに載ってたその時のセットリスト

初恋の嵐 | ARTIST PROFILE - RISING SUN ROCK FESTIVAL 2012 in EZO

SETLIST
M.1:真夏の夜の事(Vo.曽我部恵一
M.2:Good-Bye(Vo.岩崎 慧)
M.3:Body&Soul(Vo.岩崎 慧)
M.4:初恋に捧ぐ(Vo.山内総一郎
M.5:Untitled(Vo.山内総一郎
M.6:星空のバラード(Vo.斉藤和義/Gt.山内総一郎
M.7:Nothin'(Vo.堂島孝平

(斉藤さんボーカル+山内ギターの星空のバラードですか…ゴクリ)
(しかしこれを見た後帰りの足ないからキャンプせざるをえない)
(そういうのも楽しいけど次の日も一晩中見ようと思ったらキツイね)


最初Aメロ隅倉さんが歌って、その後Aメロ〜サビを山内くん、間奏後は隅倉さんが歌った。

初恋の嵐の曲はどれもこれも山内くんの声に合う。そして西山さんが歌ってた曲を山内くんが歌うことで、山内くんの声や歌い回しの個性ってここだなってところをすごく感じられた。なにより大本の、山内くんの声の素材がとても心地良くて好きだと思った。

Untitled歌ってる山内くん見て、どんどんずるずるーって口から次々国旗引きずり出すマジックやってる人みたいに新しいとこ引きずり出されてるのを見た。色気あるなぁ。フジファブリックでもどんどん出してもらって構わないんですが。


そして、かっこ悪いところ見せても平気になったって言うけれど、もっとさらけ出したものを聴きたいな、と思った。


最後の2曲の4人ギターは壮観だった!山内くんは木暮さん、玉川さん、フジケンさん、と笑っちゃうぐらい誰も余すことなく一人一人の方を向いて笑いかけてた。フジケンさんは真横にいるのになかなか気付いてもらえなくて、最後の方で、お、おぅ、と気付いた感じで向かい合って二人でちょっと遊ぶみたいに楽しそうにくわんくわんネックまわしてギター弾き合ってた。


...


東北ライブハウス大作戦ステージと鰰ステージのギャップすごかった。ステージの大きさもだけど、山内くんも。

初恋の嵐の山内くんのゲストボーカル関連はとりあえずこれで一段落かなーと思ってる。初恋の嵐は今年いろんな場所で精力的に活動してるけど、このアラバキの地のゲストボーカルに山内くんを選んでくれて、ほんと感謝してる。でも「ここしかない」とも思ったり。コヤマシュウさんも呼びたかったみたいなので(都合で無理だったらしい)、初恋の嵐的にはセカンドリリースの集大成をここで成し遂げたかったのかなーとも思うけど。自分が聴くのはもしかしたら最初で最後かもしれない「だんだんわからなくなる」を、最高のシチュエーションで聴くことが出来てほんと思い残す事ない。刻まれた。


1日目のキュウソがSEで「桜の季節」流してたんだけど、2016年のARABAKIに志村の声も西山さんの作った曲も響く。素敵だな。


...


地元に帰ってきて高速走ってたらとっても晴れた昼下がりに海辺でパラソル立てて遊ぶたくさんの人達、釣りをする人達、ガランとした工場地帯、道の駅っぽいところに集まる人達とかGWをそれぞれ満喫するミニチュアみたいな姿が上から見えて、なんかそれが下界を見てるECHOのMVみたいだった。地元っていいなーと思ったらペダルが頭の中を流れてきた。志村の曲ってこういうとこある。人の懐かしい思いに忍び込む みたいな。ペダルのBPMって志村の歩く速度と同じにしたんだっけ。すごい早足なイメージだったから意外とゆっくりだなと思った。


セットリスト
01 どこでもドア(インスト)
02 ジョイント(Vo.山内総一郎
03 だんだんわからなくなる(Vo.山内総一郎
04 君さえ居れば(Vo.山内総一郎
05 君が待つ場所(Vo.鈴木正敏)
06 宝物(Vo.木暮晋也)
07 雨やどり(Vo.隅倉弘至)
08 カントリーホーム(Vo.堂島孝平
09 あの娘のことば(Vo.堂島孝平
10 どこでもドア(Vo.隅倉弘至 Gt.山内総一郎フジイケンジ
en. Untitled(Vo.隅倉弘至、山内総一郎 Gt.山内総一郎フジイケンジ