神と海の祭 美保神社奉納LIVE@島根県美保神社

神と海の祭 美保神社奉納LIVE
会場 島根県美保神社
開場 17:30 開演 18:00 終演 21:00

出演者
opening act ボウズマンズ
Polaris
フジファブリック
あらきゆうこ(両バンドのドラム出演)

17:50〜18:00 前説
18:00〜18:15 出演者登場、儀式と奉納の歌
18:20〜18:45 ボウズマンズ
19:00〜19:40 Polaris
20:00〜20:50 フジファブリック
20:50〜21:00 あらきさんの挨拶
(時間配分適当)


このイベントは発表になった時から戸惑いだった。発表された時点で既にチケット販売が始まっていて、神と海の祭のサイトを見たらなんか担当者の携帯番号とメールアドレスが載っていて『電話・メールで氏名/枚数/連絡先を伝えるだけ!あとは当日会場特設テントでチケット代金を支払い受け渡し。』って書いてある。早楽チケットと呼ばれるデザインチケットになってて、キャンセル可(それ大丈夫なの?)。整理番号はなし。あっさり取れたけど、これで大丈夫なんだろうか。

当日、天気予報は雨から直前に雨の狭間の曇り予報、良かった!嬉しい!と思ったら快晴の灼熱地獄。いや、いい。それでいい。晴れてる方が絶対いい。夜も島根ってめっちゃ冷えるのかなと思ったら全然だった。ちょうど良くて、半袖でずっといけた。天気や気候に恵まれたライブだった。

境港の鬼太郎ロードに寄ってから美保神社へ。境港から橋を渡って見える景色にワクワクした。行く前に地図で調べて「?」ってなった、そのまんま。そして見える景色が逆っ側になって、さっきまで見てた景色に今度は自分がいるのを実感出来ておもしろい。



端だよー!



会場に着いて早楽チケットを受け取る。今日のステージ見られるのかなーと入り口に巫女さんがいる門の中を覗いたら、いきなりスタッフがいて楽器が置いてあるのが見えた。客席の奥行き狭くてたじろぐぐらい近い。どこからでもよく見えそう。



門から見たステージ


門の巫女さんに言われた通り、入り口でお祓いを受けてから参拝。通常は正面から参拝するんだろうけど今日は正面がステージになっていて楽器が置いてあるから、楽器が置いてあるうしろを通ってお参り。振り返ったらステージの人と同じ目線、楽器のうしろ側。ちょっと貴重な体験。ステージに立つ人間以外がこの景色見ちゃっていいのかしら、と見てはいけないものを見てるような気持ちになってすぐ降りちゃったのでチラッと見ただけであんまりじっくり見なかった。

そのあと美保神社をいろいろ見てまわってて、しばらくしたら遠くからなんか冴えたギターの音が聞こえてきたのでまた境内に戻ったら、サウンドチェックしてる。フジファブリック、いる。公開リハ状態で、普通に参拝する人もいる中、そのへんにいる人がぱらぱら遠巻きにその様子を見ていた。なんという贅沢な時間………。

夜明けのBEAT
流線形
ブルー(短縮版)
透明(短縮版)

夜明けのBEAT、ほ〜らほら〜やっぱり!LIVE OASISの時よりも更に半音?下げ?が顕著になってた!ほんとにオリジナルに近くなってる。歌い方変えたのがどういう意図かわかんないけど、このけだるい感じ、ストレートに歌ってきた山内くんの歌唱的には新しい試みって感じ、そしてその歌い方はLIVE OASISの時より完成に近づいてる気がした。あれだけ聞き慣れた夜明けのBEATがこんなぞわぞわくる曲になるなんてー。今まで歌ってきたやり方も好きだ、でもこっちもすごく気になる。もうちょっと聞いてみたい。オリジナル通りに歌うとただ単に歌をはずしてるように聞こえるからあえて安定感のある音程にしてきたけど、オリジナル通りに歌ってもちゃんと成立させられると思えるようになったからチャレンジしている……の……か?そもそもあの歌い方がオリジナル意識かどうかも定かじゃない。けど、あの変化・・・気になる!!

リハのギターがかっこよすぎて、あ〜このギターソロもう聞けないんだなーと思った。まぁまったく同じ演奏が一生聞けないのはリハ本番に関わらずなんだけど。高野山の時のリハの若者のすべても良かったなー。リハの時も山内くんは割ときっちり歌うけどのびのびしてていいなぁ。力のこもった本番ももちろんいいけど。

流線形リハ、Aメロでギター完全放棄して腕組みして考えながら歌ってたのがおもしろかった。流線形歌ってんの聞いて、ますます言葉が聞きやすくなったなと思った。

透明の時、山内くんが歌ってる真っ正面でおばあちゃんとその付き添いの人が賽銭箱にお金入れてお参りしてたのが、山内くんにお参りしてるみたいに見えてちょっと笑ってしまった。山内くんもちょっと笑ってしまってるみたいな。透明(ちょっとやさしい歌)歌ってる時で良かったね。夜明けのBEAT歌ってたらビックリしたかも。

リハ中聞き取れた会話

山内「ダイちゃんの声大きくしてください。」とか言って大きくしてリハしたあと、「ダイちゃんの声大きすぎるかも。やっぱり下げてください。やっぱりいいです(笑)。……いや、ちょっとだけで」って言ってわははって笑ってた。

山内「なんかジーって音してるね。」(スピーカーから?)でもそれは大丈夫って事をスタッフがなんか説明してた。

金澤「山内くんの声をください〜」(って言ったあと、山内くんが声を出すでもない)(この言葉の意味が素人なのでわからない)

リハの時も、普段のライブの時と全然変わらない。

曲の合間、ええ声〜みたいな感じであ〜ああ〜って山内くんが声出ししてた。

スタッフの人に「じゃあこれでリハ終わりでーす」って言われたあとも、金澤君がスタッフの人と話してる間山内くんがそこを離れず、聴いた事ない素敵リフさらさら弾きながら、マイクから離れて左右に揺れながら聞こえるか聞こえないかぐらいの声でなんか聴いた事ないような歌、機嫌いい感じで歌ってた。何て歌ってるか必死に聞き取ろうとしたけど無理だった。新曲とかだったりして。違うか。なんかのカバーとかかも。

リハが終わったあと、あらきさん、山内くんがそれぞれ普通に正面の階段降りてきた。山内くんがそのへんにいる人(参拝客や見物してた人)にぺこぺこすまなそうな顔(?)をして会釈しながら門を出ていった。ふつーーにそのへん歩くんだ……。開場前、金澤君も待ってるお客さんがいる中普通にスタッフの人とど真ん中歩いて行き来してた。


時間があるので周辺をうろうろ。美保関は映画に出てくるみたいな港町だった。風情がある青石畳み通りという短い通り、美保灯台への道の途中の防波堤、停泊しているイカ釣り漁船、水平線、こんな景色しばらく見てなかったなーとのんびりしてしまう。



...


開場1時間前に入場。会場内はロープで真ん中に広い道が作られ、左右に分かれて入る形だった。この真ん中のスペースなんだろうと思ったら、真ん中を出演者が通って入場してからこのロープがはずされて真ん中に人がずれるらしい。なんか不思議なシステム。

開演時間10分ぐらい前に司会の方の前説が始まる。「これから出演者のみなさんが美保館(という近くにあるホテル)を出発してここまで歩いて来ます。そしてまず一曲神様に歌を捧げてからみなさんにライブを行っていただきます。奉納の歌は、フジファブリックの卒業を山内さんに……」ってさらっと言われてまず動揺。歌を奉納?フジファブリックの曲?卒業??を、山内さんが??

神様に捧げる歌なので拍手などはしないでください。今回はセットチェンジの間もBGMなどは一切ありません、その代わり虫の声などを楽しんでください。というような説明もされた。

登場を今か今かと待って静かに緊張感高まる会場。司会の人が「登場された時は拍手しても大丈夫ですよー」と言ったので(あ、それはいいんだ)って感じで空気がちょっと和らぐ。登場時も拍手しちゃいけないのかと思った。それからだいーぶしてから(長く感じただけかもしれない)やっと姿が見えてきた。出演者一人ずつ、朱色の傘を差した神社の人?に先導されて登場。先頭は山内くん。そそとした感じで入っていった。一瞬和服着てるのかと思ってヒュウッと思った。(着てないし。黒い襟がなくてボタンがあるジャージみたいなのを着てたんだけど、それが和服の襟元っぽく見えた)行列作って入っていくの、神事っぽくておもしろい登場だったなー。

このイベントの過去の情報が極端に少なかったんだけど、あらきさんが昔の写真を参考にツイッターに載せてて、出演者が歩いて入場してくるんだなーというのは前知識としてあったけど、(でももう会場内にいるからその様子は見られないしぃとか思ったり)、赤い傘差してもらってというのはよく見てなかったので、見た瞬間ワッと思えて楽しかった。事前にイベントの予習していくのもいいけど、あああれねって感じよりこうやって驚ける方がより楽しい気がする。スタッフの人誰か写真上げてくれないかなー。(ライブ翌日あらきさんがツイッターでちょっとだけ写真載せてくれてたけど)

そのまま全員正面の石の階段を登りステージ奥に進んで、その間に真ん中にあったロープが解かれてお客さんがちょっと移動した。神殿の前で運動会もしくは甲子園の入場みたいに各バンドごとに1列に並んでる。(ちょっとかわいい)

一曲みんなで普通に演奏するのかな?もしくは何か伴奏付きで?と思ったら、まさかのアカペラだった。奥(神殿の方)を向いて。姿は見えなかったけど地声かなぁ、山内くんのでっかい声が本殿全体から響いているみたいで、すごく感動した。

卒業みたいな音程取りにくそうな、しかも武道館以来歌ってない歌を初めてのアカペラで、なのにズンと根を張ったような、すごく幹の太い、安定した迫力ある歌声だった。最初の「いつかまた会えるだろう」のあとのおーおーは歌わなかったけど、最後のおーおーおーって伸ばすとこ、低いところから持ち上がるみたいに広く広がっていって気持ち良かった。

卒業の曲調の和って感じがとても場に合ってた。曲の長さも歌詞も。この歌、武道館以外で似合う場所あったんだなー。

なんか、初めての音楽経験だった。今日の出演者を代表して山内くんの歌声でフジファブリックの曲を奉納した事、なんだかとても誇らしかった。

山内くんの歌声は届いただろうか。ちゃんと受け取ってもらえた気がする。山内くんはどんな顔して歌ってたのかな。ああいう場だから、写真も撮ってないだろうな。それもまたいいなと思う。




始まるまでの間、ステージの左右で燃やされてる篝火の煙で燻される。ステージ高いと思ったけど意外と低い。そして前方に柱が二重にたくさんあってなにかと死角がある。奥に引っ込んだら端にいる人見えないかも。リハを後方で見てた時は全体がよく見えた。こういうところでやる時って照明不足しがちだけど、ステージ明るかったなー。

SEが流れてきて、最初はオープニングバンド、ボウズマンズ。ボーカルの男の人、ギター男2人、タンバリン持ったコーラスの女の子、キーボードのコーラス&ボーカル?の女の人、ドラムの人、人がたくさんいた。4曲ぐらい歌っただろうか。最後奄美大島〜とか歌ってたような。奄美大島の人なんだろうか。MCでボーカルの人が「フジファブリックは10年前……いや、15年前ぐらいかな、それぐらい前からずっと見てたので光栄です」「リハーサルの音聞いて恐れ多すぎる、僕達はもう出なくていいですとか言ってたよね(笑)」ってキーボードの強そうな女の人に言われてた。

ボウズマン終了。もうとっぷり日も暮れた。

あらきさんがツイッターで事前にタイムテーブルは公表するのか聞かれて「残念ながらできませんが、18時からミュージシャン入場→祝詞含む開会の儀式→オープニングバンド→ポラリスフジファブリック。21時終演予定です。参考にしてください!」って答えてたのに、どう見てもチャンダイのキーボードが置いてある。加藤さんのセットも??でも山内くんのギター、あれ絶対違う!!

と思ったら、フジファブリックのセットを左右に(ドラムも横に)置いたままポラリス登場。一瞬順番変わったのかと身構えたわ・・・・ポラリスの人達セットに挟まれて柱と柱の真ん中にギュッと集まってやってた。まぁ3ピースだしね。全身白で、ダッフルみたいな衣装が暑そうだった。(いつもは衣装なんて揃えないらしい。途中でボーカルの人とあらきさんは脱いでた。中も白!)



フジファブリック

登場した時に「ようこそ!」って地元の人?から声が掛かる。しばらくして最初に山内くんが口にした言葉が「・・・・・ようこそ。」(半笑いで。笑)


LIFE

弾き語りじゃなくて普通に始まるバージョン。なんか今日もリラックスモード。ギターソロの時山内くん早速前に出てきてたけど、加藤さんもステージの前の方に出てきて、1曲目から加藤さん前に出てくるの珍しい気がして嬉しくなった。今日山内くんと向かい合ってニコニコ弾いたりとかもしてたなー。最初の「LOVE ME〜」のところで歌入るのが遅れた。最後のいつもやるフェイクで声が裏返り気味になったけど、笑ってたので大丈夫そうと思った。サビでお客さんが手を右、左、にやるところ、神聖な場だからか(?)皆ちょっと控えめ。胸の上辺りで振ってる感じ。いつも地名叫ぶところで「美保神社゛ーーーー!!!」笑 さすが。


robologue

んあ〜やっぱりこのLIFE→robologueのつなぎ好きッッ!かっこいいッッ!「aha」「yeah」とかここでもすんのな。笑 最初は完全におかしかったけど聞いてるうちにだんだんありになってきたのでは……と思ってたけど、やっぱりおかしいわ。笑ってしまった。しかし、フジファブリック初めて見る地元の人とか「ああ、こういう音楽性の人なんだー」とかって普通に受け入れたりしないかしら。しないか。顔でふざけてるのが伝わってしまう。ふざけてるからスライドバー落っことしてしまって、笑いながら慌てて拾ってた。

robologueの跳ねる大人っぽい鍵盤の音と共に心も跳ねる。山内くんも跳ねる。最初のところでもうちょっと山内くんがギターで遊びたかった?っぽいけどすぐ曲に入った。(あーって感じで金澤君見て笑ってた)本日(も?)歌詞に沿ったアクション激しめ。山内ギターソロ→金澤鍵盤ソロ。ほんっっと華あるね。。金澤君の鍵盤ソロの後、(だいたい毎回やってるけど)山内くんが拍手を促す。

ギターソロの時、山内くんが六段ぐらいある石の階段の三段目ぐらいに座り込んでお客さんの目の高さでギターバリバリ弾いてた。初めての行動!石段に座り込んでギター弾く山内総一郎ってレア!(というかこんなステージの形でないとやる機会ない。笑)

地元のおじさん?が野太い声で「あらきゆうこ最高だー!」
山内「・・・・わかるぅーーーー」
客:笑
というやりとりが何回かあった。

客「おかえりー」
山内「・・・・ただいまー」(めっちゃゆる〜っとした半笑いで)
客:笑
山内「お前じゃないって(笑)」
客:笑
というのもあった。

山内「こんな場所でライブが出来て本当にしあわせです。ありがとうございます。」
客:拍手
山内「リハしてて思ったんですけど、木に反響して音がすごくいいんですよね。包み込まれる感じというか。Polarisの譲さんの超低音ベースが響いて、大丈夫かなって思ったんですけど。僕らやかましい曲やってますけど。やかましいっていうか、激しい曲やります」


夜明けのBEAT

あらきさんの「いちにっさん!」のカウントで夜明けのBEAT。リハであ!!!と思って本番ではどうくるかと思ったけど、いつも歌ってるように歌ってた。最後の最後ちょっと下げ気味だったかな〜ぐらい。でもやっぱりバクバクの歌い方が違う。んばくばくってなってる。ギターソロも背面ギターもステージ前に出てきて弾いてた。階段も降りてきてたかなー背面ギターがいつもより近くて生々しい!

音のせいか、木のせいか、何か、今日ギターがすごく生き生きしてた。ギター弾いてる姿がほんと全部絵になるなぁこの人。ギター弾きジェニック。畳じゃないけど畳っぽいものの上でギター弾いてんのもなんかカッコイイ。

最後のサビの「始まりの合図さ〜」のあとのドカドカするドラムがなくて、あっBOBOさんと違うと感じた。


流線形

最初隣の女の人がでかい声で歌い始めたのかと思ったら、金澤君のコーラスだった。笑 今日ちょっと金澤君のコーラスの音大きめに聞こえたような。デュオみたいでおもしろかったけど。

ステージの柱によってMVの分割画面みたいに見え、その1マス1マスに入ってる三人が全然違う個性で輝いてて、やっぱりフジファブリックっておもしろいなぁと思った。

魚眼レンズを覗けば」で目をグリッと囲む(よくやる)ジェスチャー。「どうせ一人と心を閉じて」のところでリズム取るみたいにギターをグーでドンドン叩いて、それ見てちょっと手拍子起こる。ギター弾きながら歌詞に沿わせて屋根をよけるように星空をグワーって見上げてた。

流線形のサビ本当に気持ちいい。曲が「今」の声で歌われる事によって生まれ変わるところを何回も見てきたけど、今、すごくそれを感じてる。


山内「虫の声が聞こえるね」
リーリーリーって虫の声が聞こえて、いい空気。

山内「キーボードの金澤ダイスケとベースの加藤慎一、両方とも妹がいるんですけど……、どちらも名前がみほっていいます。」
客:笑(美保神社だから……)

山内「キーボードの金澤ダイスケは神社巡りが好きで」
金澤「好きですよ。」
山内「今日どうですか?」
金澤「……今日リハーサルしてる時、我々の前に賽銭箱が置いてあったんですけど、目の前でおばあちゃんがお賽銭して拝むという、非常に珍しい経験をしました(笑)。」
客:笑
山内「美保神社1800年前のアコーディオンが納めてあるんですよね」
客:おおーーーー
山内「ダイちゃんが一人だけ弾いたんですけど」
金澤「特別に弾かせてもらいました」
山内「どうでした?」
金澤「1800年前の音がしました(笑)」
客:笑
山内「テキトーな感想……(笑)」
客:笑

山内「全然関係ないんですけど、僕学生の頃家でギター弾いてたら家族に"うるさい!"とか言われて(←なんか切なげな顔)家族に迷惑かけちゃいけないと思って、外を歩きながらギターを弾いてたんです。」
客:笑
山内「ドレミファソラシド〜とか(薄く弾いてみせる)……それはどうでもいいんですけど、バーッと前からバイクとか来たら危ないんで、安息の地を求めて、近くの神社でギターを暗くなるまで弾いてたんです。まさにこのギターなんですけど。」(と引っ掛けてる青いギターを見せる)
ついでに裏のギザ魂見せてくれるかと思った。(見せない)


ブルー

しっとりとした神社でのライブにブルーはとても合う。やっぱりブルーの歌声って「重鎮登場」って感じの貫禄ある。どれだけ自分のものにしてるかで競ったら、他の曲がブルーに追いつくのはなかなか難しそう。最後の「まとめた言葉」、やっぱりここでこもる情念がとても好きだ。

山内くんのすごいと思うところは、絶対テクに溺れないところだなー。Green Birdで百田さんにビブラートのやり方を教えてもらって修得してるにも関わらず、あれから全然使ってない。ブルーの最後とか、聴かせたくなっちゃいそうなところ、使わない。まっすぐである事に拘ってるっぽい。「上手く聞こえる風」とかいうものに全然興味なさそう。途中で歌い始めた人がよくそんな焦らず冷静でいられるね。山内くんの気の長さは本当にすごいと思う。腰据えてすくすく自分の歌声育ててる。

学ランみたいな衣装で学生時代に最初に買ったブルーのストラトで歌うから、まるで学生時代に戻ってるみたいだった。ブルーのストラトの音を聴くたび思う、学生時代に最初に買ったギターでもこんなにしっかり歌ってくれるもんなんだなーって。最初っからこんな信頼できるギターに出会ってたんだな。そんな音を出してくれるのは、山内くんのギター愛の成せる技かな。

ブルーのアウトロは水を掻き混ぜるイメージ。MVの影響を受けてるのかなー。あれよりも蒼くて暗くていろいろ想起させる、神秘的な感じ。とりあえず水を感じる。robologueのアウトロもいいし(robologueのアウトロは赤。情熱の赤)、ブルーのアウトロもいいし、ほんと最高だな……。


透明

今日のライブ、本殿の木が音を包み込んで響かせてるようなすっごい暖かい音がした。どの曲もいつもと違う響きに聞こえた。それが特に相乗効果になってたのが透明だった。

山内くんの表情も丸いし、目も丸いし、歌も丸い、音も丸い。こんなしあわせな時間があっていいんだろうか・・・・・と思った。山内くんの声に心底ほっとするし、いつの間にか山内くんの声が自分にとっての故郷みたいになってる。

山内くんが歌う事によってフジファブリックに持ち込まれたもの、私はとても愛している。


ブルーの時だったか透明の時だったか、金澤君が最初ずーっとずーっと山内くんの事見てた、山内くんが歌い出すまでの空気見てた。歌い始めたらすっと目線をはずして自分の世界に戻った。それにすごくグッときた。時々金澤君が山内くんの呼吸を読み取ってる目線にはっとする。ああいう時の金澤君て、すごく鋭くて艶やかで息を飲む。


前奏聞いて、へっSurfer King?美保神社で?ちょっと合わなくない?笑 と思ったら


ニヤニヤ煽るみたいな表情して手拍子催促。通常「ワーン、ツー、ワンツースリー」で入るところを「ワーン、・・・、ツー、・・・」って間を空けてタイミングはずして演奏陣を翻弄し、あらきさんの方見て笑ってた。

「虹が曲がってる」ってところで激しくシュッシュッと虹を描くジェスチャー。「みんなで空を持ち上げましょうか〜」って最近大人っぽく落ち着いて言うようになってるから困る。(持ち上げてぇーー!!!って叫んでた子供時代が懐かしい)

金澤君がいつものようにキーボードを足蹴に。笑 神様の前なので、今日はやらないと思った・・・さすがだ。早口で「ギター山内総一郎!」すんごい早弾き、会心の早弾き、壊れてるみたいなのに華麗にまとめ上げられたギターソロ、めちゃくちゃ良かった!!


「ありがとうございました」っていったん引っ込んでアンコールの拍手が始まったけど、楽屋戻らず(脇で留まってるのが見えてる)すぐステージに戻ってくる。


地元のおじさん「あらきゆうこ、最高だー!」(また……)
山内「わかるーーー」
客:笑
あらき「ありがとう」(照れくさそうに)

山内「こんな場所でライブが出来てとても嬉しかったです。あらきゆうこさん、ありがとうございました。」

なんか話をしていて山内くんと金澤君がかぶって、
山内「何?今なんか言おうとした?」
金澤「いえいえ。いいんです。」
山内「でも何か言おうとしたでしょ」
金澤「いいんです。僕の話なんていつもこんな感じだから」
客:笑

山内「歌を奉納という事で、アカペラで歌ったんですけど……今までで一番緊張しました……(笑)」
客:笑

ライブの最中、最後に本音をぽろっとこぼしてくれたみたいで嬉しかった。

ひとつずつ経験値積んでいくなー。山内くんの初めてに遭遇するのは、とても嬉しい。


若者のすべて

なんか、歌が別の何かになっていくのを見ているような。

スライドバー取ったり掛けたり忙しそう。間奏のギターソロが終わってスライドバーを掛け終わった瞬間、意識がすごい勢いで歌に移行していくのを感じた。


山内「一本締めってここが発祥の地なんですよね?俺達は打ち上げで今まで軽々しく……(笑)。最後にお手を拝借。あらきさん、前に来て」って言ってあらきさんを前に呼ぶ。あらきさん、山内くんの高いマイクスタンドに背伸びして「よーお!」って言ってんのかわいかった。

またアンコールの手拍子が起こったけど、すぐ進行の人が「今日はシャトルバスの時間などもあるので、ちゃんと21時に終わるよう、出演者の人達がセッティングを急いでくれたりして全曲演奏できるよう努力していただきました。」と言って止めた。フジファブリックの面々はステージ脇にある楽屋スペースの建物に懐中電灯で先導されながら帰っていった。

「そしてこのイベントは今回で5回目になるのですが、あらきさんには初回から毎回このイベントに尽力していただいてます」と言って最後にあらきさんの挨拶。

「私は出身が境港で、境港は鳥取で美保関は松江なんですけど(笑)この美保関が大好きで子供の頃からいつも来てて、この美保関に私の関わった素敵なアーティストを紹介したい、そして今日県外から来られた方もいらっしゃると思うんですけど、この美保関の素晴らしさをもっと知ってもらいたいと思っています。これからもフジファブリックPolarisともどもあらきゆうこをよろしくお願いします。」

お客さん拍手。
最後にあらきさんと客席で記念撮影。

今日はあらきさんの声いっぱい聴いた。かわいい声だった。


...


帰り道は真っ暗で、見上げると星が綺麗だった。境港の街の灯りが遠くに見えて、陸地を挟む海は真っ暗でイカ釣り漁船の光がぽつりぽつりと見えて、この暗闇が、夜が暗いのが心地良いなと思った。

寺社みたいなところでのライブは、一度浜崎さんのイベントで高野山で山内くんの弾き語りを見たけど、それとはまた全然空気が違った。高野山の時は寒くて(日付調べたら9/26で、このイベントよりも前だった)、人数もすごく多かったし、いろんなアーティストのお客さんがいて、弾き語りという事もあってピーンと張り詰めた空気があったけど、美保神社はふんわりゆる〜んとした空気に包まれてた。あと、すごく「木!!!」って印象がある。木の生命力、瑞々しさ、ぬくもり。ギターの木も喜んでるような。弾き語りでやるのとバンドでやるのも全然趣が違った。

今日はLIVE OASISをアレンジしたようなセットリスト。私、LIVE OASISのセットリストがめちゃくちゃ好きでね……。透明大好きってのもあるんだけど、今この瞬間、このタイミングにバッチリな旬のセットリストって感じがする。

「昨日フジのリハでした。なんと、私の知らない曲が3曲も追加されました!最近やってなかった曲もあるようです♪そして、メンバー3人にとっても今回のイベントは未知の世界のようで、たくさん質問に答えました。」ってあらきさんがイベントの前にツイッターで書いててなんか珍しい曲やるのかと思ったけど、これはあらきさんの演った事ない曲って意味だった。(robologue、流線形、透明のことかな?)

神社だからしっとりめの選曲でくると思ったら、意外と激しいめだった。まぁソロの弾き語りじゃなくてバンドだもんね。そしてこういう場所で激しいめっていうのも結構映えるもんだなと思った。自分の想像超える感じ。欲を言えば、この響きの中でGreen Bird聴いてみたかった。もし演ったとしたら、どんな風に聞こえたかなー。

そして何よりも印象に残ったのは、やっぱり奉納された卒業のアカペラ。

帰りにスタッフの人がイベントのポスターみんなにくれた。「輪ゴムもありますよ!」って細やかな気遣いに笑った。スタッフの人もすごく雰囲気良くて、今日のイベント成功させようって気持ちを感じた。

ほんとに素晴らしいシチュエーションで、このイベントがなければここに来る事なかったかも。こんな素敵なところに連れて来てくれてありがとうあらきゆうこさん。



SET LIST

フジファブリック

奉納曲:卒業(アカペラ)
1.LIFE
2.robologue
3.夜明けのBEAT
4.流線形
5.ブルー
6.透明
7.虹
en.若者のすべて