2019/4/26 清水音泉 開湯15年特別興行 「台風一過〜弾き語り三景〜」@大阪城野音
野外ライブの前は一週間ぐらい天気予報ばかり見ている。大阪城野音のある大阪市中央区の天気をじーーーっと見ていた。一週間前は雨予報(まぁずれるだろう)→3日前 曇り(よしよし)→2日前 晴れ(当然)→前日になって雨70%予報。は?当日も1時間おきぐらいに天気予報をチェックしていたけど、だめだ、18〜21時のライブ中だけピンポイントで雨予報。なぜ……。あの中の誰かが雨男なのか。頼む、ずれてくれ。と思ってたけど、直前にはもう悟りを開き。例え雨が降ったとしても、そんな雨空を見上げてきっと山内くんは笑ってるだろうな、って想像出来た。そう考えたら楽しみになってきた。
それにしても、10連休最終日の六本木のフリーライブもなかなか、と思ったけど、10連休直前の金曜日18:15スタートって更に厳しくないかい。普通に考えたら出演順は山内総一郎→ハナレグミ→奥田民生だろうし。沢山の人に観てもらいたいけど、仕事で間に合わない人もいるんだろうなー。
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会場内に入るとSEで昭和歌謡みたいなのがずっと流れていた。雨にまつわる歌謡曲?
18:15 司会の清水音泉の人が出てくる。昨年台風の被害を受けてOTODAMAが中止になった事、そして今回のイベントに素晴らしい3組のアーティストが力を貸してくれた事、そんな説明をした後「それでは一組目のアーティストをお呼びいたしましょう、フジファブリック、山内総一郎さん!」と呼び込んで、もう!?と思う間も無くすぐ出てきた。
まだ外が明るい中、白いテラテラしたブラウス(首ビロビロTシャツon)、それをいつもよりは細身のえんじ?パンツにインしててちょっと煌びやかな王子風情で、最近とは少し趣の違うすっきりとした装いで登場したのに一瞬戸惑い、ちょっと笑ってしまった。
Water Lily Flower
1曲目からWater Lily Flowerか〜〜〜・・・もうちょっとまわりが集中してから聴きたかった気もしたけど、この曲を1曲目に持ってくる強さ。
時間帯の割には結構席は埋まっているように見え、席を移動したりはしていないものの、まだなんとなく落ち着かない中で歌が始まったんだけど、その歌はまるで流れる人波の中でたおやかに咲く花のように凛としていた。清廉。そのうちだんだん空気が落ち着いてきて、人々の意識が真ん中に集中していくのが見えるみたいだった。
やっぱりWater Lily Flowerは特別すぎるよ…。FAB LISTの1曲に選んだのは間違いなかった、と確信。
足元を確認したらバスドラムはあるけどWater Lily Flowerでは使っていなかった。
カンヌの休日
ウ!ヒャ!ここできた、カンヌの休日!
自然と手拍子が起こる。
途中の間奏のギタータイムがすごかった。一人で物語の起伏を作るような、初めて聞く物語に「これはどこへ行ってどんな結末を迎えるのか……!?」とドキドキした。客席に背中を向けて没頭し始めた時は「あ、入った……」って感じで狂気すら感じる。そこはもう野音のステージの上ではない、一人の部屋の中のような。長いギターの間奏が終わった時には、客席からヒュ〜〜〜!!!って歓声が!
最後の歌の余韻、「(山猫のダンサーインザ)ダァ〜〜……ァ・ァ・ァ・ァ・・・・ ァ〜〜〜〜(ファルセット)」みたいな初めて聴くようなの投入してきた。
終わって、拍手喝采。心掴んだ!笑
山内「楽しいねぇ」(声が丸い。笑)
客:笑
山内「清水音泉15周年おめでとうございます!」
客:拍手
山内「僕は今日夢番地代表として来てるんですけど」
客:笑
山内「ここで、カバーをやりたいと思うんですけど」
客:オオー
山内「伝説のバンドの曲をやりたいと思います。サンフジンズで、じょじょ」
!!!!!!!!!!!!!!!
じょじょ(サンフジンズ)
じょじょが……まさか今日じょじょを聴けるとは……じょじょを生で聴ける日が来るたぁ……。
想像もしてなかったです!!!!!!神さまありがとう!!!!!!
YouTubeのじょじょ、至高だと思ってて。山内弾き語りとしてあれは初期だと思うけど、あの頃既にその片鱗は見えてたというか、既に良いっていう。あの物悲しいアレンジ、侘しさ、拗ねたような甘ったるさ、時々ちょっとビブラートも入ったりして。あのメロディと歌詞が山内くんのパーソナルにも声にもあの頃の風貌にもぴったりで、山内くんの為に作られた曲かと。オリジナルかと。間奏のギターアレンジも良い。動画の歌ってる時も終わった後の様子もいいよね。(なんで最後あれ入れたんだろうな〜〜わかりすぎてるよ〜〜。)
んで、2019年のじょじょ。
年数経つとやっぱり違うねー!じょじょさんが大人になった感じ。あの空虚な感じはなくなってて、優しさとあたたかさと大人で出来てます。みたいな感じになってた。わりとあの空虚感好きだったけど、今歌ってる人が満たされて潤ってるからそうなるのもしょうがない。今がモロに出る人だなー。こんなに感触が変わってるとは思わなかった。おもしろかった。
山内「僕はフジファブリックというバンドをやっていて、今年僕らも15周年なんです」
客:拍手
山内「メンバーは今日東京にいるんですけど」
金澤君さすがに今日は来てないか、と思った。笑
山内「僕生まれはこのへんなんです。そこの大手前病院なんですけど」
客:笑(具体名。笑)(聖地)違…
山内「オギャーと生まれてからこんなふうに、大好きな先輩達と大阪城野音のステージに立つ事になるとは想像もしてもいませんでした」
手紙
この日の昼、今日配布されるFenderのフリーペーパー(表紙巻頭!)のインタビューがWebに公開されているのを読んだ。そこには初めて知る志村君が亡くなった日の夜の事が書かれてあった。
「何も考えられなかったですね。バンドのことも考えられないし。その日は夜だったんですけど、朝日が昇ってみんながカフェでお茶をしているような時間まで、ずっと1人で歩いていたんですよね。気づいたら体中、顔も真っ赤になっていました」
12月 真冬の夜。淡々とした言葉に、引き裂かれるような気持ちになった。
金色の光の中で手紙歌ってる姿見て、その描写を思い出して涙ぐんだ。一度は友達もバンドも音楽も夢もすべて失いかけた人。
なんかちょっと、感情的な歌声だった、ような。
最後の「さよならだけが人生だったとしても」を歌う時、マイクから後ろに少しユラっと遠ざかりながら歌ってた。生の声が大阪城野音に響いた。
ツアー最後に東京で歌われた「東京」がすとんと落ちて完了したような感覚になったように、やっぱりその場所を思って作られた歌はその場所で歌われるのが一番腑に落ちる。手紙は大阪で聴くのが一番自然というか、しっくり来る気がする。
山内「みなさん、大丈夫ですか?寒くないですか?曲に関係ない動きとかしてもらっても全然いいですからね?」
(四方八方にパンチするような動き←この動き好きですよね…)
客:笑
LIFE
「僕は旅に出たんだよ、雨の日も風の日もあるけど」の後「…台風の日も〜… 風の日(?)も…」ってポソポソ言っててお客さん笑ってた。
ここでバスドラム登場。したけどあんまりヤな感じはなかった。バスドラムも使いどころが決まってきて、悪目立ちしなくなってきた気がする。さすが機材を操る魔術師。(誰もそんな事言ってない)
間奏のギターソロ終わった後、
山内「あー疲れた。」
客:笑(持ちネタ。笑)
山内「なんか、楽しくなってきた〜〜。楽しい〜〜!!」
客:笑
山内「あ、今まだ曲の途中なんですけどね?」
客:笑
山内「♪やっぱり僕ら思ってた…」
客:笑
山内「歌うんかい、っていう」
客:笑
めちゃくちゃ楽しそう。お客さんを翻弄する感じ、最高。笑
LIFEの手拍子、やっぱり途中で?ってなるな。裏・表とか考えてしまう。
東京
セットリストの最後にあの東京の前奏のスリリングなギターの音が切り込んでくるの、最高にクールでかっこいいな。今日ライブの中で何度も山場みたいな場面があったけど、最後に本当の最高潮が待っていた。
「半端な闇は 毒にもならな〜〜〜い… ぜぇ〜〜〜」ニヤッとする顔が見えるみたいな声、ここの毒っ気にやられる…。
サビ前のギターの旋律歌うの好き。
間奏の入り込むギターがまた素晴らしいなと思いながら聴いていたら、ブレイクみたいな部分に入ったあと、「…YO! YO! YO!」
・・・・・・・・え????
ツアーでやってた東京のラップ、弾き語りで、やります・・・?このファン以外の人がたくさんいる、初めましての人もいる前で、やりま、す・・・・????えーーーーーー。笑 すごいな・・・この人、おもしろすぎない・・・・・?
ラップ部、ツアーで聴いた時よりもカッコよくなってた!余裕があるというか、低温で淡々とした感じ。さすが、なんでも吸収して必ずモノにする男。
「L・L・O・O・V・V・E・E」でLOVEの手の振りしてて、客席がざわつく感じで笑いが起きてた。奥田さんの曲名とか、ハナレグミの曲名もリリックに盛り込んでた。いいなぁ、その場の空気詰め込むの。
清水音泉、大阪城野音、ハナレグミ、奥田民生、フジファブリック(みんなでフジファブリック)も入れてコールアンドレスポンス!
最後「大阪城ホールで待ってるぜ。」ってキメて帰っていった。か、かっこよ・・・。笑
持ち時間は50分ぐらいだったかな。
山内くんが歌ってる間中、雨降らず!
今聴きたい曲全部入ったセットリスト。
じょじょというサプライズまで。
いつも以上に1曲1曲の世界の違いが鮮明な、カラフルな弾き語りで楽しかったー!!!
転換短く、すぐ次のステージが始まった。
セット見て、マイクもう1本ないから山内くんの飛び入りはないなーと思った。
永積「今日は歌う前に曲名言おうかな?そういうの最近ないよね(笑)?初心に戻って」
曲名言うのいいなーと思った。1曲目のハンキーパンキーは子供のいたずらとかそういう意味の俗語だけど大人の危ないプレイとかそういう意味もある、どちらで取るかはお好きに、って言ってた。笑 「子供いたずら」、かわいいな。ハンキーパンキーは両国弾き語りで山内くんがエレキ持って共演した時に演った星降るアレンジをいつも思い出す。
この人はほんと人の気持ちを掴むのが上手いなぁ。ほらあっという間にハナレグミの世界。
この人が歌い出すとその一声目にいつも泣きそうになる。
大安の続きに今夜はブギー・バックのラップ入れてた。本場の人は上手いな。
永積「去年フジファブリックと一緒に組んだハナレフジでOTODAMAに出る予定だったんですけど、台風で出られなくなってしまって。・・・総くん、一緒にやってみる?」
えっ
突然の呼び込み。もう飛び入りの期待なんてすっかり忘れてたから、不意打ち!!!わーーーー!!!
山内くん登場。
譜面台がなくて山内くんが譜面持ったままキョロキョロ。
永積「誰か、譜面台持ってきてあげて!」
客:笑
宝船(ハナレフジ)
宝船、なつかしい。涙
FEVERMANツアーの時のオーバーライトの歌唱指導の時のように、山内くんが宝船のヨーソロベイベーのメロディをギターで弾いて歌唱指導。オーバーライトの時も、FEVERMANのダンス指導の時もそうだったけど、この時に弾く旋律と歌がめちゃめちゃ優しくて好きなのよなー。
1番永積、2番山内、サビ永積(コーラス山内)。ギター山内。(永積さんは持ってない)
2番を山内くんが歌ってる時、前で永積さんがおかしな踊りを踊ってて山内くんが歌いながら笑ってしまってた。
1本のマイクを挟んで二人で笑い合いながら歌ってるの素敵だ!
1曲で山内くんははけていった。(ですよねー)
永積さんが「またいつかリリースしたいと思っているので覚えててくださいね」って言ってた。ほんとにほんと?楽しみにしてます…。MUSICAも…。
ハナレグミに天気の曲はいっぱいあります!って言って最後は「明日天気になれ」。ハナレグミは弾き語りの時だいたいいつも同じようなセットリストな気がする。くるりの男の子と女の子はもはや持ち歌のよう。
マシマロ
「雨降りでも気にしない、雨降りでも気にしない、雨降りでも気にしない・・・・・」ってずっと歌ってた。笑
その後の曲でもそれを引っ張ってた。
俺のギター
初めて聴く曲だったんだけど、「これを他人が弾いてもこうゆう音しない」という歌詞に共感。
「俺のギターと俺のうた 2つでセット〜どっちかだけだとたいした事ない」には?(どっちかだけでも素晴らしいと思います)
The STANDARD
聴けて嬉しかった。この曲、高野山GACHIのリハで山内くんがギター一本でちょっとだけ歌ってたんだよー。
ハナレグミでオリジナル・ラブの接吻をカバーしてたんだけど、ちらっと奥田さんが歌って、会場が歌って〜〜って雰囲気になって、「これ歌ったらあと1曲になっちゃうよ?」って言ってて、もしこれ山内くんだったらえ〜〜ってなってそのやらなかった1曲めちゃくちゃ気になると思う。(結局接吻はちょっとだけ歌って後の2曲も歌った)
飛行機の音かなんかが上空でゴーッと聞こえて、ん?って言って奥田さんが空を見上げて、お客さんもなんとなく後ろを振り返った時、電灯のところを見ると明かりでサーーッと雨が降ってるのが見えて、「雨降ってるじゃん」笑。雨降ってるの気付かなかった。霧みたいな雨が降り始めていて、奥田さんの最後の1曲が終わる頃には本降りに。ほぼ最後まで天気がもって良かった〜。
奥田さんが「もうみんなの心も摑んだし。(あとは流してやったらいいかな)」みたいな事を言っててお客さん笑ってたけど、すごいなと思った。この愛されてる自信。
アンコール待ってる間ザーザー強い雨が降ってきた。
ほどなく三人が再び出てきて、上手から山内、奥田、永積の順番で座りスタイルで全員ギター持ってアンコール。
座ると山内くんのパンツと靴下の間から素足が見える。(素足、初めて見たのでは?)
今日、永積さんも奥田さんも座りスタイルで山内くんだけ立ってやってたけど、山内くんは可能な限り立ちスタイルでやって欲しい。なんか山内くんの弾き語りは立ちスタイルが似合う。好き。(アンコールは別にみなさんに合わせてもらって結構です)
奥田さんが「(OTODAMA)去年中止になったけど、たぶん今年も中止になる思います。」とかめちゃくちゃ酷い事言ってて、山内くんが「コラコラ」って突っ込んでた。山内くん時々先輩に突っ込むよね。笑
ハリケーン(シャネルズ)
永積→山内→奥田 の順で歌って、サビは三人で。
奥田さんが「めっちゃいい声の低音」で歌っててオチみたいになってた。
三人でわやわやキャッキャ歌ってておもしろかった。
あんなすごい歌声の二人に挟まれながら、山内くんの歌唱パートが来た時「いい声だなー」って思った。ふくよかな声。
最後、山内くんが「ハナレグミ!」ってきっかけ作って、永積くんが「奥田民生!」って言った後、奥田さんが「ソウ・・・」
客:笑
ここでも。笑 しかも言い直しもしない。ちゃんと誰か山内くんの名前を呼んであげて。笑
三人がはけていく時、山内くんが背中越しに奥田さんとカッコイイ握手の仕方をしていた。(記憶が曖昧なんだけど、山内くんが体は向こう向いてて顔だけ奥田さんの方振り向いて右手をあげて、その右手に背後から奥田さんが〜みたいな)
最後に清水音泉の人がささっと出てきて「とっとと帰っていただいて・・・」笑
清水音泉の人の喋りおもしろかった。終わった時点で既に時間オーバーしていたらしい。大阪城野音は終了時間に厳しいんだなー。
でもOTODAMA中止の後のメルパルクのイベントにも参加出来なかった身としては、やっとリベンジ出来たような。このイベントを開催してくれてほんとに嬉しかった。
清水音泉さんありがとう。
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個人的には最高の組み合わせの、ゆるく楽しくとても良い雰囲気のイベントだった。台風で中止になったイベントで、雨が降っても笑える、そういう強さを持った人達だなー。
ほんと、永積さんも奥田さんも、歌もギターもめちゃくちゃいい上に喋りがめちゃくちゃおもしろすぎるよ。ずるいわ。
30代、40代、50代、理想の弾き語りを見ているようだった。
ものすごく大きく区切ればゆる系?の似ているような三人の弾き語りを並べて聞き比べてみて、違うところがくっきりと浮き彫りになった。
山内くんの弾き語りはパンパンに膨らんだ風船みたい。
いつかもっと余裕が出来て、更にかっこいい弾き語りをする人になるんだろうけど、なんかこの年代の今しかないこの感じが愛しく、大切にしたいなぁと思った。
バンドとは別ルートで、山内総一郎の弾き語りめちゃくちゃ好きだわ。
なんか、ざわざわして違う刺激を受ける。
一人だから出来る自由と、みんながいるからなれる自由があるよね。
大阪城ホールの先の事なんてまだ考えられないだろうけど、
Mellowのツアーが実現されればいいなあと思ってる。
清水音泉 開湯15年特別興行
「台風一過〜弾き語り三景〜」
日時:4/26(金) OPEN 17:30 / START 18:15
会場:大阪府・大阪城音楽堂
出演:奥田民生 / ハナレグミ / 山内総一郎(フジファブリック)
セットリスト
Water Lily Flower
カンヌの休日
じょじょ(サンフジンズ)
手紙
LIFE
東京
ハンキーパンキー
PEOPLE GET READY
大安
接吻(オリジナル・ラブ)
男の子と女の子(くるり)
宝船(ハナレフジ with 山内総一郎)
明日天気になれ
マシマロ
俺のギター
コーヒー
野ばら
The STANDARD
接吻(オリジナル・ラブ)一部だけ
ヒゲとボイン
さすらい
アンコール