光あれの経過

2020/5/26
山内くんが歌詞みたいなものを突如ツイッターにあげた。内容からこれは3/12オフィシャルモバイルサイトのブログで書いていた新曲の歌詞だなと思った。朝焼けの情景がとてもきれいで透き通っていて、どんな素敵なメロディがつくんだろう、どんな素敵なタイトルがつくんだろうと楽しみに思った。

2020/5/27
各ニュースで新曲のリリースが発表された。新曲が出る事よりもタイトルよりも先に「小林武史プロデュース」という言葉が一番に飛び込んできた。これが一番届くのってなんなん・・・と思いつつ。喜びよりも戸惑いとか不安が先に立った。既に確立されているバンドをプロデュースする時、やや大袈裟すぎるメジャー感、壮大なストリングス、わかりやすく感動を誇張するアレンジ、バンド感は失われるというイメージがあった。小林武史プロデュースの音楽でも好きなものもあるよ、昔の曲ばかりだけど、YEN TOWN BANDのSwallowtail Butterflyとか、プロデュースしていた頃のミスチルの曲とか。

まぁ昔はプロデューサーが一回ついたらしばらくずっと組んで運命共同体みたいなところがあったけど、今はそういう時代でもないし。フジファブリックは曲によって人を呼ぶタイプだし、これからずっと組むようなことはないと思うし。聴いてもいないのに不安に思ってもしょうがないし、うまい具合に作用していい感じになったらいいな、と思っていた。「光あれ」ってタイトルいいなと思った。光をテーマにした曲はこれまでたくさんの人が作ってきた。「光」ってどストレートなタイトルから、「光の○○」とか光に何か言葉のついたもの。フジファブリックは「光あれ」か。

フジファブリックstaffのツイッターでメンバー自宅演奏アコースティックティザー映像が公開されて、本編とはまた違うから別に聴いても大丈夫じゃない?と思いつつ、音を出していないゆらゆら揺れる動画を前に固まってしまった。一部分でも先に聴くのがもったいない、やっぱり全貌にいきなり遭遇したい!という事で6/2の初のラジオオンエアで聴くまで見ない事にした。

2020/6/2
いよいよ新曲ラジオ初オンエアの日!ドキドキしながらいろんな体勢になりながらその時を待った。21時台オンエアでかなり最後の方にその時は来た。

戦場に捧げるメロディーと同じ歌始まりなのに、歌い出しで速攻「??????」ってなった。

曲が進むごとにうなだれていって、最後の方は机の上に頭を伏せそうになった。曲が終わって「んんんんんーーーーーーー?????」という感情でいっぱいになって、なんて言ったらいいのかわからなかった。

聴く前はなんだかんだもう少しなんとかなるんじゃないかと思ってたけど、すごい、小林武史のぐるぐる巻きって感じ・・・すぐティザーのアコースティック映像に逃げてみたけど拭いきれず ここからちゃんとコアに辿り着けるかしら

ティザー映像でほとんど歌ってたんだね。アコースティックだとまだ良いかもしれない・・・けど・・・

アレンジが相当、極限まで苦手だった。90年代?みたいな。文字で読んだ時はあんなにキラキラ透明で刺さった歌詞、朝焼けの描写がアレンジであんな風に大人の気まぐれな遊び、みたいな雰囲気になるのな・・・
一聴目では歌詞もギターの音もキーボードの音も何も聞こえてこなかった。ただただストリングスだけが聴こえてきた。
歌い方も苦手だったんだよなぁ。山内くんの味とかがすっきり整えられてしまったような。あの声の質が苦手な方向に振られてしまったような。(ライブだとまた違うんじゃないかと思うのでそこはあんまり心配してない。音源に限った話)

6/3の0時に配信開始だったのでダウンロードしたけど再生する手が動かず、就寝

2020/6/3
性急に言葉にするのもなんかな、とりあえず聴き倒してしまおうと思って何回か聴いた。3回目ぐらいで歌詞がなんとなく聴こえてきて、間奏のキーボードに金澤くんの存在が…?と感じられた。CメロがLight Flightみたい。

でもやっぱり浮き上がってくるのは「このアレンジ苦手・・・・」という思い。始まり方、前奏、ストリングス、二番への入り方、オーオオーとか最後のウォッオオオとか(本来こういうの大好きなはずなのに)、フェイドアウト、いたるところが好みじゃなかった…。同じメジャーでストリングス使いでも百田留衣さんならもうちょっと違う風に調理してくれたかな~とか。小林武史はこのバンドのこの曲のどの部分が魅力だと思い何を引きだそうとしたんだろう?見えない。でも小林武史に依頼したって事は、この曲をリリースしたという事は、そういうものを求めて、これがいいという価値観がフジファブリックにもあるんだよなーと、そこがすれ違っていたのが残念に思う。大阪城ホールを経て、最初のリリース。

破顔は向こうからぶっ刺さってきたしWater Lily Flowerはその中でいくらでも掘り下げてさまよい歩くことが出来る。こんな奥深いものを与えてくれてありがとう。

光あれは、今のところ掻き分けて聴いてる感じ。

とりあえず、自分の好きなとこが全部見えにくくされていた。プロデュースは今回限りでお願いしたい。

いつか馴染む日も来るかもしれないし、ライブで聴いたり時間を経ていつか好きになるだろう。大好きな人達の作った作品だからね。でもずっとこのアプローチで来られたら私の心は静かに弱っていくと思う。

Water Lily Flowerやプレゼントがこの人の手にかからなかった(プレゼントはこの先どういう形でリリースされるかはわかんないけど)事をしあわせだったと思おう。

この曲が音楽番組で歌われたりフェスの映像などで主にオンエアされたり(今年はこういう状況なのでそういう機会もないかもしれませんが…)今後出るかもしれないアルバムのリード曲になるのはちょっとしんどいかもしれないな。

自分達の中でやっていたら新鮮味がなくなる時もある、なにか全然違う外の空気を入れて変化を与えたい、というのは百も承知で。

フジファブリックのプロデュース力はとんでもなく高いと思ってる。歌詞も曲ももちろんとても大切、だけどその曲の空気を作るのもものすごく大切。音像がその曲の命運を左右するかもしれない。フジファブリックが作るその世界観が好き。とても好き。毎回違って細部まで緻密に作り込まれたその世界観が唯一無二でいつもわくわくさせられて本当に楽しみ。

光あれ、フジファブリックのセルフプロデュースで聴いてみたかったなぁ。

帰り道に山内くんのブログでこの曲に込める深い深い思いを読んだ。ものすごく長文だった。この思いが音楽を通じてまっすぐ届いてこなかったのが残念というかさびしいと思った。

夜、20時にリリックビデオがプレミア公開になった。プレミア公開って一回きりって事なのかな?と思って(その後MVはフルで普通にいつでも観られる状態で公開された)時間を合わせて準備を整えた。時間が来てカウントダウンが始まったのはワクワクした。曲に対してまだポジティブでないので、それに引きずられてそれに関するいろんな事に関してもなんとなく心が踊らず消極的になっていた。ジャケ写、MV。気持ち次第で違ったのかなと思う。

どのアーティストでもそうなんだけどいきなり曲から始まらずしばらく何かやっててゴソゴソ音がするようなMVは苦手。すぐ曲が始まってほしい。効果的ならいいけど曲の間に言葉とか声が入るのも曲と一緒にその言葉も刷り込まれてしまうのであんまり好きではない。

内容は、夢を追う人達の群像劇みたいな。東京のMVも同じような感じだけど、東京のMVはクールな世界観で映画みたいな映像の色味がとても好きだった。最後に本人が出てくるのもピリッとして良かった。新しい感覚でフジファブリックを切り取ってくれたんだなーという気がすごくした。今回のMVの出演者は既に名の通った人達、知ってる人も何人かいた。同じ群像劇なんだけど、見知らぬ人のインスタのストーリーを眺めているようだった。そういえば「ファンの人達から写真を募集してひとつのMVを作りました」とかそういう類も苦手なんだった。

フジファブリックのロゴがいいなと思った。
コメント欄を見ていなかったのでメンバーが参加していた事に気付かなかった。

元々3月にリリース予定だったって事は、今までもGreen BirdやWater Lily Flowerがそうだったように、ツアーの途中でお披露目してリリース後ラスト東京でガツンと演奏されて…みたいな感じだったのかな。ライブで先に聴いてたら音源聴いてガーンとなってもまたなんか今とは違う受け止め方してただろうな~~ なんか今の状況でいろいろ運命変わっちゃったな

その後、無になりつつあるのを抑え、まぁこんな事も長い人生で一曲ぐらいたまにはある、いやその一曲も無駄にしたくないんじゃーといろんな感情が混じりつつ、時間とライブ、生演奏がなんとかしてくれるんじゃないかと思ってる。
(そのライブですぐ聴ける状態じゃないからまたしんどい)