ゴールデンタイム / フジファブリック

アニメBORUTOのオープニングテーマと発表された時はすごい仕事来たと思った。こういうのって海外とかでも放送されたりするのかな?と思ってワクワクした。

少年アニメのオープニング曲に加藤さん作詞作曲というのが意外だった。直近の加藤慎一作詞作曲作品は前進リバティ。笑 ということはないにしろ、加藤さんが王道系を作るイメージがあまりなくて、どんな曲を作るんだろう?と。

2019年3月30日 FEVERMANツアー 金沢エイトホール。
加藤さんが加藤さんの地元で「特別な事をしたい」って言ってゴールデンタイムを初披露した。自分の地元で自分が作詞作曲したタイアップ曲を初めて演奏するなんてとても粋だ!と思ったし、そのサプライズめちゃめちゃ嬉しかったけど、曲を聴いて、ん〜…??ってなって、その感じはオープニング映像と合わさったのを観ても拭うことは出来なかった。

「○○(他のアーティスト)っぽい」って思ってしまったのがつらかった。せめて、Bメロがなぁ……。

いつもタイアップ先に寄り添うけど、今回は特に強く寄り添った作品だと思った。「すごい少年アニメの主題歌っぽい」って思ったもん。

でもまあアニメで初めて出会う他の誰かの心に刺さればいいやーとか思って。そんなこともあるよねとかって。

2019年5月19日 午前0時に配信開始の通知が届く。急だな!

こうやって配信中心になっていって、シングルというのはリリースされなくなっていくんだろうな。何月何日発売!って告知されてワクワクその日まで待つ、みたいなスタイルではなくなって、いきなり降りかかるように新曲に遭遇する。でも結構こういうの、嫌いじゃない。アートワーク見たり歌詞眺めたりするの好きだったけど(そういうのはアルバムではまだしばらく生き残るだろうし)あんまり抵抗ない。(とか思ってたけどすみませんゴールデンタイムはCMで配信日告知してたのすっかり忘れてました…。ワクワクして待ってた人もいたね…。)

新曲だけど、いつもより普通のテンションでヌルーッと聴いて。

ん、

・・・・・かっこいいな。これ、ちゃんと掘り下げて聞き込みたいな。と思った。

配信された作り上げられた完全版を聴いて、ライブで聴いたのともテレビで見たのとも違う新しい感触があった。(ライブでは初披露で演奏も歌も明らかにこなれてない感じがあったし、こっちも初聴きでまともに聴けてなかったけど)

意外とシンプルで、芯のある曲だと思った。

完全版でライブでもテレビでも聞こえてなかった音が聞こえてきて、それが曲のイメージをガラッと変えてた。特にサビで予想外の動きをするキーボードの音に惹かれた。(挙ーげろーとか駆け抜けて〜あたりの動きにキュンとなる……。)ベースの見せ場があって(粋!)そのあとパーン!と弾けて転がり出す間奏に希望と切なさを感じて、加藤メロディをふんだんに取り込んだギターソロがそこからいきなり笑顔が溢れる感じで、チャーミングでとても素敵で嬉しくなった。

メロディ展開もちょっとだけ想像からずれる感じ、それもおもしろかった。アニメのオープニングで聴いた時、Bメロからサビへのつながり方が少し強引に思ったけど、音源で聴くとよい違和感がありつつ馴染んで聞こえる。Cメロ(Cメロもちょっと今までにない感じ)からのサビも飛び石みたいで、この強引さ、結構好きかも。前奏のかっこよさは言わずもがな。それにしてもライブで聴いたの意外と覚えてないもんだなー。全体を聴いた時のビシッとした感じに、○○っぽいという感覚も消え失せた。

そして山内総一郎の歌がいつになく硬派だ。強い顔して歌ってる感じ。そして最後、クライマックスに向かう歌詞と声に心震えるんだよ。潔い、かっこいい声だなぁ。時間だー、のあとの「越えろ越えろ越えろ〜 吠えろ吠えろ吠えろ〜」からそれ以降すべて最高。

いつもよりも滑稽なおもしろさとかかわいさ成分は抑えて、少年漫画フジファブリックって感じ。新機軸。

気持ちが躍動する。
オーバーライトとはまっったく違う方法での夢への進み方。

やあ、やあ、やっぱりフジファブリックは一筋縄ではいかないね。 

2019/5/4 JAPAN JAM 2019 フジファブリック

16:15ぐらいから山内くん抜きでリハ。夜明けのBEAT。あの奥でドラム叩いてる赤いシャツの濃い顔の若者が黒猫チェルシー岡本啓佑さんか。ドラムはうしろ形態。最近は横並びやってないね。うしろ形態のが好き。

 

LOTUS STAGE 16:30- フジファブリック


出て来た時、赤・・・!!!笑
最近の山内くんのデーハー柄シャツシリーズ好み。(Fenderのフリーペーパーの表紙の衣装はあんまり…だけど)華やかでインパクトがあって、それがまた似合ってて良い。パンツ・イン。


東京

珍しい、セッションみたいなのが始まって、何が始まるんだろう!?と期待に胸を膨らませていたところであの鍵盤が。東京ーーーー!!!興奮したー!東京はどこから入ってきてもかっこいいな。

Aメロ最初はハンドマイクで前へ出てきて「毒にもならな〜い ぜぇ〜〜」、金澤君のソロパートの時は左右パンチ繰り出して(←好きですね…)ご機嫌で踊ったり、キーボード弾く指真似をしたり、シェイカー振る動きをしたり(エア楽器がどんどん増えていきますね…)、頭から硬さが全然なくて楽しそうだった。後半はラップとコール&レスポンス。

東京の冒頭があーこういう東京が見たかった、って東京だった。年末RADIO CRAZYで東京を聴いた時、この曲はジャムとかセッションとかで発展していく曲だと思ってて、これからどんな風に変化していくんだろう!?とワクワクした。ツアー中盤名古屋からアレンジがヒップホップ路線に解釈されていって、「ああ、こっち路線に行くんだーー」という戸惑い?もあった。

いろんなフジファブリックの曲のタイトルが詰め込まれたフジファブリックの歴史を詰め込んだリリックには愛情を感じる、新しいチャレンジを見るのは好きだし、名古屋のライブでその瞬間に立ち会えたのはすごく嬉しくてツアー中もめっちゃ楽しんだのだけど。ただ、Everybody Screamー!って煽りがどうにも他人から借りてきたような感じがずっとあって。煽りの数ある定番のうちのひとつなんだけど、なんかフジファブリックにしっくりこなくて。こういう感じのコールアンドレスポンスのある曲ってフジファブリックになかったし、ハナレフジでの経験を取り入れて、お客さんと混ざり合う舞台にこの曲を選んだと思う、けどそういう役割を持たない、曲として追求された東京というのもまた聴いてみたいなーと思った。

東京のアレンジの意図についてはゆるいか#215で話してた。
「東京って曲はみんなのファンキーなアンサンブルの中でダイナミクスがどんどんあがっていく曲にしたくて、Talking HeadsのStop Making Senseのカセットテープ持ってってさ、カセットデッキ持っていって始めるやんデヴィッド・バーンが。なんかあの感じ、一本のライブをあの一曲に集約出来ないかなみたいな事はなんとなく考えてて、みんなのソロパートみたいなんがあった後にラップとかあれば、デヴィッド・バーンはラップはしてないですけど、バンド感出るんじゃないかなーと思ってやりました」

持ってくるところがすごいな…。自分の理解が追いついてないだけかもしれない。それを観た山内くんが飲み込んで解釈した表現、そのインプットにしてこのアウトプットおもしろいなと思った。この話、メンバーは知ってたんだろうか?ラジオの反応聞いてる限り、初耳?まぁ、すべてを説明する必要はないんだけど。

ラップ、弾き語りの時とはまた違ってラフな感じで言葉を発してる感じがした。毎回いろいろ試してるのかな。

最後の「華やぐ東京」をなんて言うかなと思ったら普通に華やぐ東京って言ってた。東京ディズニーランド形式ですかね…。

LOTUS STAGE2個前のBase Ball Bear見た時、ボーカルが「今日はヒップホップをやる面子がいないみたいなんで、そういうの総取りでやらせていただきたいと思います!」とか言ってラップやってたんだけど、いえ、あの、います・・・新人ラッパーが・・・笑 と思った。


「改めまして、フジファブリックです!」って山内くんが言おうとして、改めましてを噛んで3文字ぐらいの言葉になってた。笑 ?と思ってたら「改めまして〜」「改めまして」「改めまして…」って何度も言い直してた。

黒猫チェルシー岡本啓佑さんについて「かわいい顔してめちゃくちゃカッコイイドラムを叩くんです」と紹介。


山内「今日はどこでもやってない新曲をやろうと思います!」
客:オオーーーーー
山内「人は孤独なんですけど、」

ってところでどこでも聴いてない曲!?孤独!?Water Lily Flowerみたいな曲!?とか完全なる新曲を更に用意したのかと思ったら、

山内「それでもひとつになりたいっていう曲です」

を聞いて「O.N.Eだ!」とわかった。
わーーーO.N.Eここで初披露!

山内「聴いてください。O.N.E」


O.N.E

歌詞大好きだしプロモーションMVも凝っててかわいいし、なんだけど、「徒然草の再解釈」「サントリー天然水、緑茶」というイメージから瑞々しい叙情的な曲を(タイトルや歌詞からも)勝手に思い描いていたので、この曲調の最近続く元気路線がこのテーマに対してちょっともったいないかなーと思ったりしてて(崎山蒼志君とかtofubeatsはそれっぽいの作ってきそうだなと想像してしまうだけに)う〜〜んこれは……。とMVで一回聴いた後ちょっと封印状態になってて(MV楽しい、良い、曲の中にも好きなところもある、でも、でも・・・!みたいな)今は大阪城ホールに向けて邁進するような曲ばかりになるのはしょうがないと思うけど、大阪城ホールが終わったらGumみたいな薄曇りな曲もまた作って欲しいなー。その後ラジオで聴いていいかも、と慣れてきてはいたんだけど。

ライブで聴いてめっちゃ好きになってしまいましたわ。この曲すごくライブでぱぁっと開く。A→Bのシンプルな構成が新鮮で、小気味よく流れていく感じが爽やかで、〜やんって関西弁も自然で、歌の間に合いの手のように挟まれるラーラーラーラーが楽しい。ライブで聴くと結構切なさ成分が染み出すね。間奏のギターがめちゃくちゃ良くて、前に出てきてひらひら軽やかに弾いてる姿もちょっと違う新しい感じで、永遠に見ていたかった。

家に帰ってMV見直してしまった。いいじゃーん。


STAR

曲が始まる前に爪弾くギターの調べ(好き)でSTARだ!と思った。今日STARやるとはー。フジファブリックにおける定点観測曲はいくつかあるけど(ブルーetc)、STARもそれだなぁ。エモーショナルでドカーンと行くSTARが、今日はクッキリ一個一個のサウンドがバージョンアップしてて丁寧で、なのに勢いは失われず、更に強靱になった、まさにブラッシュアップ!!って感じ。

研ぎ澄まされると曲ってこんなに透明感増すんだーと思った。強化ガラスみたいなSTAR。ちょっと動き止まってしまうぐらい、感動した。これが2019年の、今のフジファブリックのSTAR!

そして、山内くんの歌声が去年からずっと絶好調。クリーン。聴いててほんとに気持ちがいい。この人の喉すごいな。今時は肩の力の抜けたひゅる〜っとした雰囲気のボーカルが多いような気がする中で、はっきり聴きやすくわかりやすいボーカル街道を堂々と突っ走ってるなー。


ちょっと距離がありますけど、大阪城ホールでアニバーサリーライブをやります、来てくださいって話をして、最後に手紙。この曲で終わってしまうという事がわかって、今日は最後にオーバーライトで盛り上がりたかったなーと思った。オーバーライトは野外にきっと合う。


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台風一過もそうだったけど、曲の一個一個の世界が違いすぎる。見せ場だらけ。1ライブに1つあるクライマックスが集結したみたいになってる。毎回すごいラインでライブやってると感じる。

新種の東京始まりも良かったしO.N.Eも初めて聴けてそれが良かったし更に上の段階にいったSTARに感動したしで満足していいもん観たーとホクホクLOTUS STAGEを後にしたんだけど、セットリスト改めて見直してみたら、あれ…?5曲しかやってない…?他のアーティストみたらだいたい7曲以上、11曲、12曲やってる人もいる。えっフジファブリック曲数少なすぎない?

まさか初めて合わすドラムの影響…?とか思ったけど、曲の長さの問題なのかな。東京がセッションとかコール&レスポンス入れて長かったから2曲分、と考えても、考えても!O.N.Eとか短い曲だし。え〜〜〜、セットリスト見てから急に不満が。

JAPAN JAMって割と曲数やれるイメージだったんだけどなぁ。時間を短くされたとかじゃなくて、他の人と時間は同じだったと思う。そのあと観たUNISON SQUARE GARDENはMC挟まずガンガン曲いくタイプだったなー。とはいってもMCそんな喋ってた訳でもないし。

オーバーライトもやって欲しかったけど、Fevermanもやってみて欲しかったのよね。あまり知られていないアルバムの中の1曲だろうけど、野外でやったらお祭りみたいで楽しいんじゃないかって。ツアー中みたいに丁寧に振付指導しなくても、加藤さんがひらっひらって手の舞いをしたらきっとみんな適当に合わせてくるんじゃないかと。夏の野外とかでどうだろう。破顔も野外で聴きたい。曲を知らない人にもインパクトのある曲だと思う。この夏、フェスでのセットリストはどんな感じで来るんだろう。

今日のセットリストには満足している。初めて観た人の事はわからない。でも惹かれる時は曲を知ってようと知らなかろうと惹かれるものだと思う。もちろん「知ってる(聴きたかった)あの曲やってくれた!」という喜びや「あの曲やってくれなかった、がっかり」という感情がある事もわかるけど。でもなんとなくイメージを持ってる人に対して気持ちを先に進ませるものって「へーこんな曲もやるんだー」からかもしれない。

黒猫チェルシー岡本啓佑さんのドラムは違和感なかった。でも今回フジファブリックってメンバーにドラムがいないんだなーという事を改めて認識した。それをおもしろさにしているとも思うけど。BOBOさんも豊夢さんも忙しい人で、でもイベントとかにも必ずいてくれて、いつまでもいてくれるような気がしていたけど、BOBOさん今年に入ってから一度も叩いてないし、今までの歴代ドラマーのようにまた別の人に移り変わっていく事もあるかもしれない。今後BOBOさん豊夢さん以外の誰かに変わっていく事とか、あんまり想像出来ない。


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JAPAN JAMは今まで人が少なくて快適フェスだったけど、やっぱりたくさんの人に観てもらう方が喜ばしいので今日のチケットが数日前に完売したと知って嬉しかった。そして完売したので今までのようにはいかないかなーと思ってたけど、ライブ会場にはたくさんの人がいつつ後ろの方ではゆったり観られるスペースがあるし、食べ物ブースそんなに並ばない、飲食・休憩スペースいっぱい、フクダ電子アリーナ空いてる、人が増えても相変わらず快適フェスだった。

天気予報はずっと前後数日間晴予報だったのでなんの心配もせず当日も天気予報を見ず出発したんだけど、京葉線に乗ってる時から今にも降り出しそうな曇天。会場に着いたら雨が降り出した。聞いてない…!と思ったけどフクダ電子アリーナで雨宿りできたし通り雨でそのあとカンカンに日が照りつけたりもしたけど、基本は降り出しそうな曇天で涼しくて快適だった。

フクダ電子アリーナがドローンの拠点になってるみたいで、ドローン飛ばすの近くで見たの初めてだったけど、ブーンとアリーナの屋根の上に上がっていって出動していく様子はおもしろかった。そのドローンはライブ中も遠くの空を飛んでいた。

会場に着いた時、外からLOTUS STAGEのビジョンが丸見えで、これチケット持ってなくても見られるね。フジファブリックの時間帯の時も外に映像が流れていたと思う。それを見た人がファンに……とかあったりしてね。

 

2019/5/4 JAPAN JAM 2019 1日目
フジファブリック セットリスト

東京

O.N.E
STAR
手紙

2019/4/26 清水音泉 開湯15年特別興行 「台風一過〜弾き語り三景〜」@大阪城野音

野外ライブの前は一週間ぐらい天気予報ばかり見ている。大阪城野音のある大阪市中央区の天気をじーーーっと見ていた。一週間前は雨予報(まぁずれるだろう)→3日前 曇り(よしよし)→2日前 晴れ(当然)→前日になって雨70%予報。は?当日も1時間おきぐらいに天気予報をチェックしていたけど、だめだ、18〜21時のライブ中だけピンポイントで雨予報。なぜ……。あの中の誰かが雨男なのか。頼む、ずれてくれ。と思ってたけど、直前にはもう悟りを開き。例え雨が降ったとしても、そんな雨空を見上げてきっと山内くんは笑ってるだろうな、って想像出来た。そう考えたら楽しみになってきた。

それにしても、10連休最終日の六本木のフリーライブもなかなか、と思ったけど、10連休直前の金曜日18:15スタートって更に厳しくないかい。普通に考えたら出演順は山内総一郎ハナレグミ奥田民生だろうし。沢山の人に観てもらいたいけど、仕事で間に合わない人もいるんだろうなー。


...


会場内に入るとSEで昭和歌謡みたいなのがずっと流れていた。雨にまつわる歌謡曲

18:15 司会の清水音泉の人が出てくる。昨年台風の被害を受けてOTODAMAが中止になった事、そして今回のイベントに素晴らしい3組のアーティストが力を貸してくれた事、そんな説明をした後「それでは一組目のアーティストをお呼びいたしましょう、フジファブリック山内総一郎さん!」と呼び込んで、もう!?と思う間も無くすぐ出てきた。


18:20〜 山内総一郎フジファブリック

まだ外が明るい中、白いテラテラしたブラウス(首ビロビロTシャツon)、それをいつもよりは細身のえんじ?パンツにインしててちょっと煌びやかな王子風情で、最近とは少し趣の違うすっきりとした装いで登場したのに一瞬戸惑い、ちょっと笑ってしまった。


Water Lily Flower

1曲目からWater Lily Flowerか〜〜〜・・・もうちょっとまわりが集中してから聴きたかった気もしたけど、この曲を1曲目に持ってくる強さ。

時間帯の割には結構席は埋まっているように見え、席を移動したりはしていないものの、まだなんとなく落ち着かない中で歌が始まったんだけど、その歌はまるで流れる人波の中でたおやかに咲く花のように凛としていた。清廉。そのうちだんだん空気が落ち着いてきて、人々の意識が真ん中に集中していくのが見えるみたいだった。

やっぱりWater Lily Flowerは特別すぎるよ…。FAB LISTの1曲に選んだのは間違いなかった、と確信。

足元を確認したらバスドラムはあるけどWater Lily Flowerでは使っていなかった。


カンヌの休日

ウ!ヒャ!ここできた、カンヌの休日!

自然と手拍子が起こる。

途中の間奏のギタータイムがすごかった。一人で物語の起伏を作るような、初めて聞く物語に「これはどこへ行ってどんな結末を迎えるのか……!?」とドキドキした。客席に背中を向けて没頭し始めた時は「あ、入った……」って感じで狂気すら感じる。そこはもう野音のステージの上ではない、一人の部屋の中のような。長いギターの間奏が終わった時には、客席からヒュ〜〜〜!!!って歓声が!

最後の歌の余韻、「(山猫のダンサーインザ)ダァ〜〜……ァ・ァ・ァ・ァ・・・・ ァ〜〜〜〜(ファルセット)」みたいな初めて聴くようなの投入してきた。

終わって、拍手喝采。心掴んだ!笑


山内「楽しいねぇ」(声が丸い。笑)
客:笑

山内「清水音泉15周年おめでとうございます!」
客:拍手
山内「僕は今日夢番地代表として来てるんですけど」
客:笑

山内「ここで、カバーをやりたいと思うんですけど」
客:オオー
山内「伝説のバンドの曲をやりたいと思います。サンフジンズで、じょじょ」


!!!!!!!!!!!!!!!


じょじょ(サンフジンズ

じょじょが……まさか今日じょじょを聴けるとは……じょじょを生で聴ける日が来るたぁ……。
想像もしてなかったです!!!!!!神さまありがとう!!!!!!

YouTubeのじょじょ、至高だと思ってて。山内弾き語りとしてあれは初期だと思うけど、あの頃既にその片鱗は見えてたというか、既に良いっていう。あの物悲しいアレンジ、侘しさ、拗ねたような甘ったるさ、時々ちょっとビブラートも入ったりして。あのメロディと歌詞が山内くんのパーソナルにも声にもあの頃の風貌にもぴったりで、山内くんの為に作られた曲かと。オリジナルかと。間奏のギターアレンジも良い。動画の歌ってる時も終わった後の様子もいいよね。(なんで最後あれ入れたんだろうな〜〜わかりすぎてるよ〜〜。)

んで、2019年のじょじょ。
年数経つとやっぱり違うねー!じょじょさんが大人になった感じ。あの空虚な感じはなくなってて、優しさとあたたかさと大人で出来てます。みたいな感じになってた。わりとあの空虚感好きだったけど、今歌ってる人が満たされて潤ってるからそうなるのもしょうがない。今がモロに出る人だなー。こんなに感触が変わってるとは思わなかった。おもしろかった。


山内「僕はフジファブリックというバンドをやっていて、今年僕らも15周年なんです」
客:拍手
山内「メンバーは今日東京にいるんですけど」
金澤君さすがに今日は来てないか、と思った。笑

山内「僕生まれはこのへんなんです。そこの大手前病院なんですけど」
客:笑(具体名。笑)(聖地)違…
山内「オギャーと生まれてからこんなふうに、大好きな先輩達と大阪城野音のステージに立つ事になるとは想像もしてもいませんでした」


手紙

この日の昼、今日配布されるFenderのフリーペーパー(表紙巻頭!)のインタビューがWebに公開されているのを読んだ。そこには初めて知る志村君が亡くなった日の夜の事が書かれてあった。

「何も考えられなかったですね。バンドのことも考えられないし。その日は夜だったんですけど、朝日が昇ってみんながカフェでお茶をしているような時間まで、ずっと1人で歩いていたんですよね。気づいたら体中、顔も真っ赤になっていました」

12月 真冬の夜。淡々とした言葉に、引き裂かれるような気持ちになった。

金色の光の中で手紙歌ってる姿見て、その描写を思い出して涙ぐんだ。一度は友達もバンドも音楽も夢もすべて失いかけた人。

なんかちょっと、感情的な歌声だった、ような。

最後の「さよならだけが人生だったとしても」を歌う時、マイクから後ろに少しユラっと遠ざかりながら歌ってた。生の声が大阪城野音に響いた。

ツアー最後に東京で歌われた「東京」がすとんと落ちて完了したような感覚になったように、やっぱりその場所を思って作られた歌はその場所で歌われるのが一番腑に落ちる。手紙は大阪で聴くのが一番自然というか、しっくり来る気がする。


山内「みなさん、大丈夫ですか?寒くないですか?曲に関係ない動きとかしてもらっても全然いいですからね?」
(四方八方にパンチするような動き←この動き好きですよね…)
客:笑


LIFE

「僕は旅に出たんだよ、雨の日も風の日もあるけど」の後「…台風の日も〜… 風の日(?)も…」ってポソポソ言っててお客さん笑ってた。

ここでバスドラム登場。したけどあんまりヤな感じはなかった。バスドラムも使いどころが決まってきて、悪目立ちしなくなってきた気がする。さすが機材を操る魔術師。(誰もそんな事言ってない)

間奏のギターソロ終わった後、

山内「あー疲れた。」
客:笑(持ちネタ。笑)
山内「なんか、楽しくなってきた〜〜。楽しい〜〜!!」
客:笑
山内「あ、今まだ曲の途中なんですけどね?」
客:笑
山内「♪やっぱり僕ら思ってた…」
客:笑
山内「歌うんかい、っていう」
客:笑

めちゃくちゃ楽しそう。お客さんを翻弄する感じ、最高。笑

LIFEの手拍子、やっぱり途中で?ってなるな。裏・表とか考えてしまう。


東京

セットリストの最後にあの東京の前奏のスリリングなギターの音が切り込んでくるの、最高にクールでかっこいいな。今日ライブの中で何度も山場みたいな場面があったけど、最後に本当の最高潮が待っていた。

「半端な闇は 毒にもならな〜〜〜い… ぜぇ〜〜〜」ニヤッとする顔が見えるみたいな声、ここの毒っ気にやられる…。

サビ前のギターの旋律歌うの好き。

間奏の入り込むギターがまた素晴らしいなと思いながら聴いていたら、ブレイクみたいな部分に入ったあと、「…YO! YO! YO!」

・・・・・・・・え????

ツアーでやってた東京のラップ、弾き語りで、やります・・・?このファン以外の人がたくさんいる、初めましての人もいる前で、やりま、す・・・・????えーーーーーー。笑 すごいな・・・この人、おもしろすぎない・・・・・?

ラップ部、ツアーで聴いた時よりもカッコよくなってた!余裕があるというか、低温で淡々とした感じ。さすが、なんでも吸収して必ずモノにする男。

「L・L・O・O・V・V・E・E」でLOVEの手の振りしてて、客席がざわつく感じで笑いが起きてた。奥田さんの曲名とか、ハナレグミの曲名もリリックに盛り込んでた。いいなぁ、その場の空気詰め込むの。

清水音泉大阪城野音ハナレグミ奥田民生フジファブリック(みんなでフジファブリック)も入れてコールアンドレスポンス!

最後「大阪城ホールで待ってるぜ。」ってキメて帰っていった。か、かっこよ・・・。笑

持ち時間は50分ぐらいだったかな。
山内くんが歌ってる間中、雨降らず!

今聴きたい曲全部入ったセットリスト。
じょじょというサプライズまで。
いつも以上に1曲1曲の世界の違いが鮮明な、カラフルな弾き語りで楽しかったー!!!


転換短く、すぐ次のステージが始まった。


ハナレグミ

セット見て、マイクもう1本ないから山内くんの飛び入りはないなーと思った。

永積「今日は歌う前に曲名言おうかな?そういうの最近ないよね(笑)?初心に戻って」

曲名言うのいいなーと思った。1曲目のハンキーパンキーは子供のいたずらとかそういう意味の俗語だけど大人の危ないプレイとかそういう意味もある、どちらで取るかはお好きに、って言ってた。笑 「子供いたずら」、かわいいな。ハンキーパンキーは両国弾き語りで山内くんがエレキ持って共演した時に演った星降るアレンジをいつも思い出す。

この人はほんと人の気持ちを掴むのが上手いなぁ。ほらあっという間にハナレグミの世界。

この人が歌い出すとその一声目にいつも泣きそうになる。

大安の続きに今夜はブギー・バックのラップ入れてた。本場の人は上手いな。


永積「去年フジファブリックと一緒に組んだハナレフジでOTODAMAに出る予定だったんですけど、台風で出られなくなってしまって。・・・総くん、一緒にやってみる?」

えっ

突然の呼び込み。もう飛び入りの期待なんてすっかり忘れてたから、不意打ち!!!わーーーー!!!

山内くん登場。
譜面台がなくて山内くんが譜面持ったままキョロキョロ。
永積「誰か、譜面台持ってきてあげて!」
客:笑


宝船(ハナレフジ)

宝船、なつかしい。涙

FEVERMANツアーの時のオーバーライトの歌唱指導の時のように、山内くんが宝船のヨーソロベイベーのメロディをギターで弾いて歌唱指導。オーバーライトの時も、FEVERMANのダンス指導の時もそうだったけど、この時に弾く旋律と歌がめちゃめちゃ優しくて好きなのよなー。

1番永積、2番山内、サビ永積(コーラス山内)。ギター山内。(永積さんは持ってない)
2番を山内くんが歌ってる時、前で永積さんがおかしな踊りを踊ってて山内くんが歌いながら笑ってしまってた。

1本のマイクを挟んで二人で笑い合いながら歌ってるの素敵だ!

1曲で山内くんははけていった。(ですよねー)

永積さんが「またいつかリリースしたいと思っているので覚えててくださいね」って言ってた。ほんとにほんと?楽しみにしてます…。MUSICAも…。

ハナレグミに天気の曲はいっぱいあります!って言って最後は「明日天気になれ」。ハナレグミは弾き語りの時だいたいいつも同じようなセットリストな気がする。くるりの男の子と女の子はもはや持ち歌のよう。

 

奥田民生

マシマロ

「雨降りでも気にしない、雨降りでも気にしない、雨降りでも気にしない・・・・・」ってずっと歌ってた。笑
その後の曲でもそれを引っ張ってた。

俺のギター

初めて聴く曲だったんだけど、「これを他人が弾いてもこうゆう音しない」という歌詞に共感。
「俺のギターと俺のうた 2つでセット〜どっちかだけだとたいした事ない」には?(どっちかだけでも素晴らしいと思います) 

The STANDARD

聴けて嬉しかった。この曲、高野山GACHIのリハで山内くんがギター一本でちょっとだけ歌ってたんだよー。

ハナレグミオリジナル・ラブの接吻をカバーしてたんだけど、ちらっと奥田さんが歌って、会場が歌って〜〜って雰囲気になって、「これ歌ったらあと1曲になっちゃうよ?」って言ってて、もしこれ山内くんだったらえ〜〜ってなってそのやらなかった1曲めちゃくちゃ気になると思う。(結局接吻はちょっとだけ歌って後の2曲も歌った)

飛行機の音かなんかが上空でゴーッと聞こえて、ん?って言って奥田さんが空を見上げて、お客さんもなんとなく後ろを振り返った時、電灯のところを見ると明かりでサーーッと雨が降ってるのが見えて、「雨降ってるじゃん」笑。雨降ってるの気付かなかった。霧みたいな雨が降り始めていて、奥田さんの最後の1曲が終わる頃には本降りに。ほぼ最後まで天気がもって良かった〜。

奥田さんが「もうみんなの心も摑んだし。(あとは流してやったらいいかな)」みたいな事を言っててお客さん笑ってたけど、すごいなと思った。この愛されてる自信。


アンコール待ってる間ザーザー強い雨が降ってきた。

ほどなく三人が再び出てきて、上手から山内、奥田、永積の順番で座りスタイルで全員ギター持ってアンコール。
座ると山内くんのパンツと靴下の間から素足が見える。(素足、初めて見たのでは?)

今日、永積さんも奥田さんも座りスタイルで山内くんだけ立ってやってたけど、山内くんは可能な限り立ちスタイルでやって欲しい。なんか山内くんの弾き語りは立ちスタイルが似合う。好き。(アンコールは別にみなさんに合わせてもらって結構です)

奥田さんが「(OTODAMA)去年中止になったけど、たぶん今年も中止になる思います。」とかめちゃくちゃ酷い事言ってて、山内くんが「コラコラ」って突っ込んでた。山内くん時々先輩に突っ込むよね。笑


ハリケーン(シャネルズ) 

永積→山内→奥田 の順で歌って、サビは三人で。
奥田さんが「めっちゃいい声の低音」で歌っててオチみたいになってた。
三人でわやわやキャッキャ歌ってておもしろかった。

あんなすごい歌声の二人に挟まれながら、山内くんの歌唱パートが来た時「いい声だなー」って思った。ふくよかな声。

最後、山内くんが「ハナレグミ!」ってきっかけ作って、永積くんが「奥田民生!」って言った後、奥田さんが「ソウ・・・」
客:笑

ここでも。笑 しかも言い直しもしない。ちゃんと誰か山内くんの名前を呼んであげて。笑

三人がはけていく時、山内くんが背中越しに奥田さんとカッコイイ握手の仕方をしていた。(記憶が曖昧なんだけど、山内くんが体は向こう向いてて顔だけ奥田さんの方振り向いて右手をあげて、その右手に背後から奥田さんが〜みたいな)


最後に清水音泉の人がささっと出てきて「とっとと帰っていただいて・・・」笑
清水音泉の人の喋りおもしろかった。終わった時点で既に時間オーバーしていたらしい。大阪城野音は終了時間に厳しいんだなー。

でもOTODAMA中止の後のメルパルクのイベントにも参加出来なかった身としては、やっとリベンジ出来たような。このイベントを開催してくれてほんとに嬉しかった。
清水音泉さんありがとう。


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個人的には最高の組み合わせの、ゆるく楽しくとても良い雰囲気のイベントだった。台風で中止になったイベントで、雨が降っても笑える、そういう強さを持った人達だなー。

ほんと、永積さんも奥田さんも、歌もギターもめちゃくちゃいい上に喋りがめちゃくちゃおもしろすぎるよ。ずるいわ。

30代、40代、50代、理想の弾き語りを見ているようだった。

ものすごく大きく区切ればゆる系?の似ているような三人の弾き語りを並べて聞き比べてみて、違うところがくっきりと浮き彫りになった。

山内くんの弾き語りはパンパンに膨らんだ風船みたい。

いつかもっと余裕が出来て、更にかっこいい弾き語りをする人になるんだろうけど、なんかこの年代の今しかないこの感じが愛しく、大切にしたいなぁと思った。

バンドとは別ルートで、山内総一郎の弾き語りめちゃくちゃ好きだわ。
なんか、ざわざわして違う刺激を受ける。
一人だから出来る自由と、みんながいるからなれる自由があるよね。

大阪城ホールの先の事なんてまだ考えられないだろうけど、
Mellowのツアーが実現されればいいなあと思ってる。

 

清水音泉 開湯15年特別興行
「台風一過〜弾き語り三景〜」

日時:4/26(金) OPEN 17:30 / START 18:15
会場:大阪府大阪城音楽堂
出演:奥田民生 / ハナレグミ / 山内総一郎(フジファブリック)


セットリスト

山内総一郎フジファブリック

Water Lily Flower
カンヌの休日
じょじょ(サンフジンズ
手紙
LIFE
東京


ハナレグミ

ハンキーパンキー
PEOPLE GET READY
大安
接吻(オリジナル・ラブ
男の子と女の子(くるり
宝船(ハナレフジ with 山内総一郎
明日天気になれ


奥田民生

マシマロ
俺のギター
コーヒー
野ばら
The STANDARD
接吻(オリジナル・ラブ)一部だけ
ヒゲとボイン
さすらい


アンコール

ハリケーン(シャネルズ)
奥田民生ハナレグミ山内総一郎フジファブリック

フジファブリック 手紙 MUSIC VIDEO FULL Ver. について

MVの最初に出てくる丁寧に書かれた緊張感ある「フジファブリック 手紙」のタイトル文字は山内くんの手書きっぽい。何回も書いた中から選んだのを想像してしまう。

山内くんがツアーファイナルのMCで「手紙のMVの完全版が完成しました!完全版が完成したのに公開されるのはショートバージョンですけど(笑)」って不思議そうな顔で言ってたけど、ほんとなんでショートバージョンしか公開しないんだろう。

手紙のMVのフルバージョンの監督は茜色の夕日とポラリスを撮った山口保幸さん。あの2つは曲のイメージとちょっと違ってあまり好きなテイストではなかったなぁと思ったりとかしてて。

ライブの夜、公開されたショートバージョンを見て「きれいなMVだな」と思った。そのきれいにはいろんな意味が含まれていて、映像がきれい、人をきれいに撮ってくれている、そして「きれいに整えられた」ふるさとの風景だな、と思った。

そして山内くんが茨木の街を歩きまわって撮影した、山内くんの歩行でドコドコ画面が揺れる、とても素朴であったかいトレーラー映像が思い出されて、あれに継ぎ足して完成させてくれても良かったんだけどな・・・と思ってたんだけど、

今日オフィシャルモバイル会員サイト FAB CHANNEL内で期間限定配信されたフルバージョンを観て、ものすごく感動してしまった。

最初は昨日と同じ「きれいだな」という気持ちでボーッと見てたんだけど、山内くんが交差点に立って歩き出した時から景色が急に動き出した。(交差点×山内総一郎っていうサムネイルもいいなぁ)

知らない街の風景が、山内くんが歩いて通りすぎるたびに鮮やかに色付いて命が吹き込まれるみたいに見え、どんどん大切で愛しい風景に変わっていった。

この街が好きだなぁ。君が映り込むこの街の風景が。

この街がこの人を育んだ事が何も言わない背中から伝わってくる。ずんずん、というよりさらっと街を流れていくように歩いていく姿を、表情はあまり映さず背中をずっと追っているのがいい。

そして最後の最後に川縁で立ち止まってゆっくり振り向く、その表情。

時々、山内くんが撮ったトレーラーを下敷きにしたような映像が出てくるのもいい。自分の影とか、揺れるブランコとか、グラウンドとか。やっぱり逃げる猫。笑

公園の小山を登って下る時に、何か人生のような深みを感じてしまった。

高いところからの視点とか、これドローンが山内くんのうしろずっと付いていってる?(かわいい)

歌唱パートで最初は初めて買った青いストラトが最後相棒の赤いストラトに変わってるの、過去から現在へって感じでわかる人にはグッとくるすごく素敵な演出だなー。

これ、このまま山内くんのひとりMVになるのか?いやいや、いくら個人的な作品だからとはいえ、最後にメンバー出てきて欲しい、最後に出てくる、映像が引いて、その隣にはきっと二人が……!と思ったら、パンッと画面が切り替わって山内くんの両側に二人がいる三人の演奏シーンに。「支えてる」っていうのがそれだけで伝わってきてジーンときた。

大袈裟でもドラマチックでもなく、過剰な演出もせず。

またひとつ大好きなMVが増えた。山内くんのルーツと歴史が盛り込まれたほんとに素敵なMVを作ってくれてありがとう山口保幸監督。

だからこそ、なぜこのMVをショートバージョンで公開したんだろう?という気持ちでいっぱい。こればっかりは、フルバージョンで観ないと伝わらない。(実際、最初私は伝わらなかった)山内総一郎は青いストラトだけでは完成しない。

大阪城ホールの看板みたいな存在になるであろう手紙という曲のMVを、このMVこそ、フルバージョンで、たくさんの人に見てもらって一人でも多くの人に大阪城ホールに足を運んでもらうきっかけになるよう配信して欲しい。

2018/12/5 FABch会員限定 フジファブリック プレミアムライブ マイナビBLITZ赤坂

なんかもうフジファブリックのワンマン久しぶりすぎて、定番だらけのセットリストだろうとなんだろうと何でもOKなメンタルだった。それが、今日は新曲だらけなんでしょう・・・ ライブ中蒸発してしまうんじゃないだろうか、と思いながら今日ここにやって来た。

『F』の中で演奏してない曲もあるけど、ほぼニューアルバム試聴会だった。試聴会、アルバムの音源流すイベントとかはあるけど、ライブ試聴会とか、そんなバンド、います・・・・?

対バン相手全員の曲ライブでカバーとか、ハナレフジでハナレグミの曲全部演奏とか、今年はフジファブリックの技術力の高さをまざまざと見せつけられる一年だった。こんな事あったらいいな、みたいな理想を現実にするには音楽的体力がいるよ。フジファブリックは漫画かよ、みたいなビックリするような事いっぱいしてくる。好きになって数年経った今でもいまだに驚きっぱなし。

新曲を聴いて「前向きな方向にとんがってる」と思った。進化だと思ったし、それも自分の望む方向へ、そしてかっこよく、大人になった。

ニューアルバムは、Water Lily Flowerの先の開けた道だった。集大成だけど、ただの集大成にする気まるでない。

胸のうちを全部話しちゃった/聞いてしまった みたいなアルバム曲だった。そして、山内総一郎の今現在のトレンドが色濃く表れてるような曲達だと思った。フジファブリックは今までのようなほっとするような曲もいいけど、ほっとしない曲もめっちゃいい。

乗り越えるんじゃなくて、飛び越えられる。今の三人の無敵感すごい。

そして特筆すべきは、山内くんの歌の進化。見事に曲ごとに歌い方違った。明らかに、いままでの壁をぶち壊そうとしている歌。こんな山内総一郎が見たかった!!!

『F』でいよいよ、山内総一郎が歌で遊び始めた、と感じた。でもアルバムSTARの時いきなりクセのある歌い方したとしても自分のものにはならなかっただろうな。それは今までほんとに長い時間かけて育んできたベースがあってこそ。

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1/365の音に乗って軽快に3人登場。定位置につかず、マイクを持ってステージ前方に3人立っていきなり話し始める。決めてた訳じゃないかもしれないけど仕切りはだいたい金澤ダイスケ。笑

いつものライブと違う状況、明るいライトに照らされて、三人の統一された秋冬仕様のシックな色合い(全員上は黒)の衣装がすごくかわいい。ゆるっとしてるけどいつものダボパンじゃない。山内・金澤組は黒ブラウスにぴらっとしたのが付いてて高貴な感じがとても似合ってる。あの上下、女の人でも着られそう。

金澤「今日はFABch会員限定のライブですけど、同伴の方もいらっしゃるんですよね?」
山内「同伴(笑)」
同伴、同伴ってすごく気に入って使ってた。笑
同伴の人はライブと思ってきたらこんなに喋ってばっかりでビックリしてるんじゃないですか?とか。

FABchですから!!!って言いながらめっちゃ喋るやん・・・・
と思って時計を見たら、5〜10分押しで始まって、既に午後7時20分が経過してた。(そこからまだまだ喋ります)


話の内容は2018年振り返り。

・映画音楽(ここは退屈迎えに来て

山内「今年は曲いっぱい作ったね!」
金澤「いっぱい作ったねー」
山内「何曲ぐらい作っただろう」
金澤「何曲だろう・・・」
山内「サントラの曲とかあったんで、そういうのいっぱい作って」
金澤「僕が作った曲がことごとくボツになって」
客:笑
山内「そんな事あったね(笑)。言わなかったのに」
金澤「渾身の曲が、ボツになりました!!!☆」
客:笑
山内「またいつか(笑)」
出せたらいいね、みたいな。


・始球式

山内「京セラドームの始球式投げたんですけど。いっぱい投球練習しました。いまだに肩が痛いんですけど。僕が投げる前に松井府知事が投げてビシーッとストライク取られてて、どうしようってプレッシャーだったんですけど、実際投げたボールはふわ〜っと弓なりで」
客:笑(うん、見た)
山内「でもストライク入ったんですよね」
客:拍手
山内「それがニュースの記事になって、ネットに写真が出たんですけど、そのダイちゃんの写真(笑)」
客:笑
山内「"フジファブリックと松井府知事が始球式に登場"って説明が書いてあって、僕が投げてる後ろで真剣な顔して立ってるダイちゃんが写ってて、ダイちゃんが松井府知事みたいになってて」
客:笑
その時の再現やってみせてくれた。笑
あの写真は今思い出しても笑える。
スパルタの安部コウセイが写真ツイートしてたの面白かったな・・・

山内「その後Jリーグのハーフタイムショーでライブとかもやって。フジファブリック、いよいよスポーツ界に進出?次は・・・オリンピック?」
客:おおおーーーーー
金澤「規模が大きいな!」
山内「でもやれるもんならやりたいですよ」

始球式のあれでまだ肩痛いって言ってたのちょっと怖いなと思った。ギタリスト、肩は大切に・・・。

山内「じゃあ、曲やる?」
金澤「いきなりもあれなんで、もうちょっと話しましょう!」
っていう謎の引きのばしがあった。

金澤君が喋った後微妙なざわざわが起きた時、金澤君が「かなざわざわダイスケ」って言ってた。今日2回ぐらい言ってた。笑(変なタイミングでボソボソ言うからややウケ)

金澤君がずっと高いテンションで喋ってたので
金澤「こういうキャラだと思われるじゃないですか」
山内「こういうキャラって、キャラ作ってるみたいに言ってるけどそういうキャラやから(笑)」
客:笑

そんな今年を総括するような長いお喋りタイムが終了?し、ドラムの玉田豊夢さんが呼び込まれ(呼び込む時みんなでTT!TT!って言ってた)、いよいよライブが始まる感じ!

山内「今年はFAB FIVEってミニアルバムを出して、それまで配信で出していた曲をまとめて出せて嬉しかったです」
山内「3ヶ月連続配信て、いろんな事が同時進行だから意外と大変なんですよ」
へー

山内「いきなり新曲っていうのもあれなんで、まずは2018年を振り返るような曲をやっていきたいと思います」



1/365

MCからそれぞれの持ち場について演奏開始。さっきまで話しててすぐ演奏、お客さんもステージもなんかふわ〜っとしてていつもより硬い感じ。

山内くん、歌詞間違う(笑)。(お客さんあ〜あ〜あ〜みたいな反応。笑)

歌い終わった後

山内「さっき新曲ばっかりだから大目に見てくださいって言ったけど、この曲は前からやってる曲だから・・・・(笑)」
客:笑


電光石火

最近、ライブで電光石火の歌いだし聴いてたら泣けてくるんだよなー。声の低さのあたたかさとかかな。包容力みたいなものを感じて。音源とか初めてJスポーツで聴いた時はフジファブリックらしい、明るくてポップで元気な曲だなーと思って、その時にはなかった感情。奥底からあったかい力が湧いてくるような曲に、ライブでなった。


Water Lily Flower

「ちょっと真面目ですけど(笑)とても大切な、これからもずっと歌っていきたい曲になりました」って言葉を聞いてとても嬉しかった。これからこの曲をたくさん聴けるのが、育っていく姿を見られる事を幸せに思う。

セットのうしろに何本もの光の柱が下から上へ向かってすっと立って、山内くんの声のエコーがいつもに増して強くて遠くで声が聞こえる感じが幻想的でいいなぁと思った。はぁ、フジファブリックだけのWater Lily Flowerだ・・・。

2018年、山内くんの歌はまた変わったと思う。曲が山内くんの歌を更に高いところへ引き上げてくれる感じ。まさにこのWater Lily Flowerとか。強い中でより強く、太くなった。昔Green Birdでたまに声がひっくり返りながらも必死に曲に食らいついて歌っていた姿を思い出した。

メンバーはびっくりしてないかな。最初から山内くんがどんな歌を歌おうと信じて応援するつもりだったと思うけど、こんな歌を歌う人になるなんて、想像してたかな。みんな山内くんの歌、大好きなんじゃないかな。今は山内くんの歌が大前提にあって、山内くんの声や歌い方を想定した曲になってる気がする。


山内くんは、自分の歌について具体的に語る事はこれから先もないんじゃないかな、と思った。


最後、山内くんが入って歌うコーラスのところですいっと山内くんがギター抱えたまま前に出てきて、笑顔で、といってもいつもの弾けるような笑顔じゃなくて会場にいる人すべてを包み込むような慈悲に満ちた穏やかな笑い顔で、一緒に歌って(くれたら嬉しいな)、みたいな素振りをした。

ビックリした。

この歌はそういう曲ではないと思っていた。完成されていて、ただただこちら側が美しい世界を茫然と見ている曲だと思っていた。突然山内くんが風穴を開けて、風を吹き込んできた。その風に吹かれて本当にびっくりした。その瞬間にぐぐっとまたWater Lily Flowerの世界が広がった。最後、歌ってるその上に自分の声を重ねてきた。

いつも思いもよらないような事をする。こちらがこうと決めた(決めたつもりはないんだけど、いつのまにか決めていた)線を越えてくる。こういうところが、ほんと毎回驚かされるし、この人への興味がどこまでも尽きない理由なんだろうなぁと思う。

豊夢さんのドラムのWater Lily Flower、豊夢さんのドラムはこう来て欲しい、っていうところにすとんと落ちてくるというか、すごくしっくりくる。


山内「来年出るアルバムの初回盤にDVDが付いてるんですけど、そこにWater Lily Flowerのアテレコっていうのが入ってて、演技とかしてるんですけど、そこにセリフを当てて、おもしろいものになったと思うんですけど・・・・・・あれ、何を言ってるかわかりませんか?」
客:笑
加藤「Water Lily FlowerのPVがありますよね?」
客:笑
加藤「そこでメンバーが演技をしてるんですけど、映像があるじゃないですか、そこに我々が勝手にセリフを当てはめて喋っている、という特典DVDが付いているんです」
客:笑 拍手
山内「……何が悪かったんだろうって今考えてるんですけど」
客:笑

山内「では、ここでとうとう、新曲をやりたいと思います!」
客:おおおーーーーーー

山内「最初にやる曲は、Fevermanってタイトルなんですけど」
客:(どよめき)
山内「これは僕が曲を作って加藤慎一が詞をつけたんですけど、渡す時に祭り、フィーバーってそれだけ伝えて」
加藤「キーワードは祭り、フィーバーと聞いたので、フィーバー!!!って感じで」
客:笑
山内「祭り、フィーバーなのでそういう元気のいい曲なんで、新曲なのでみなさん聴き入るかもしれないんですけど(笑)、好きなように踊ったり楽しんでください」
金澤「みなさんに協力してもらうような局面があります」


Feverman

頭の中では「フィーバーマン」ってカタカナが浮かんでた。チャンカチャンカ、沖縄民謡のような、そうでないような。手のひら打って返し打って返し、みたいな。サビでは♪空をー仰いでいたんだーああ〜〜って突き抜ける感じで歌ってた。

途中で山内くんが手のひらヒラヒラさせてきたので、踊るの?ここで踊るの?って戸惑いながらお客さんがなんとなくパラパラと手の振り。

最後
山内「あ ヨイショ!」「あ どした!」
客:笑(曲の途中です)

去年のファブリックシアターの夜の中へ盆踊りがおおいに着想の元になってる感じー。


曲が終わった後

金澤「みなさんに協力してもらうような局面、どこかわかりましたか……(笑)?」
客:笑(わかったようなわかんないような 笑)
山内「これ、振りとかあったらいいよね。踊ってほしいなぁ。♪手のひら打って返し打って返し…」
歌いながら山内くんがよさこいみたいな手の振りをするんだけど、同時に手のひら前、手のひら返しをしててなんか違う・・・・笑
加藤さんが自分の立ち位置で手のひらヒラッヒラッ返して軽やかに振りをする。加藤さん上手い。
それに気付いた山内&金澤
山内「加藤さんかわいい、顔かわいい」
金澤「目がかわいい」
(確かに目をキョロっとしてかわいい顔して踊ってたけど……笑)
口々にかわいいというメンバーに
加藤「もういいですか(笑)」
客:笑


山内「次の曲は僕の家にみんなで集まってセッションしてるうちに出来た曲なんですけど。最初に作ったのとは全然違うんですけど。どういうジャンルになるのかな〜って考えてどういうジャンルでもない、そんな曲が出来ました。いろいろ試して、いろんな音入れたよね?ルアンも入れたし」
金澤「僕も久しぶりにトランペット吹いちゃおうかな?って」
山内「吹いてたねー」
山内「今回、録りながらレコーディングする感じで。作っては録り、録音したものを聴いてみて『つまんないな』って思ったら壊して。作っては壊し、壊し、壊し(壊しの方が多い 笑)この曲もそういう感じで作った曲です。だから今回レコーディングしててめちゃくちゃ楽しかった。俺、ずっと笑いながらやってたもん」
金澤「あなたレコーディング中ずっと笑ってましたもんね」
山内「そんな風に笑いながら作る作品て最高だなと思って」
金澤「そういうのが盛り込まれた作品です」
山内「今回ギターが多いのよね」
加藤「ギターいっぱい弾いてましたね。この曲ももっと入れる、って言ってましたもんね」
山内「弾きたい盛り。」
客:笑

「弾きたい盛り」ってワード、山内くんてなんでこんなぴったりな言葉思い付くの……。笑

このMC聞いてて、以前、山内くんがラジオで電光石火の歌詞に出てくる「壁」について聞かれて、「今もずっと作ってる音楽だったりするんで、それ毎日毎日ちょっとずつ推し進めてるんですけど、壁にぶち当たった時に放棄しないように、これはあんまり自分がいいと思ってないと思うものを崩さないといけないんですけど、それには労力がいって、それをいつにしようかな〜…(笑)みたいな壁です」って言ってたのを思い出した。

山内くんがこれつまんないって言って壊す瞬間を見てみたい。


曲に行く前に
加藤「タイトル言わなくていいの?」
山内「………LET'S GET IT ON」(←ためてカッコ良く)
客:・・・ヒューーーー!!!(笑)

タイトルを言った時の客席のどよめき。笑
かっこいいタイトル。笑


LET'S GET IT ON

これは何のFなんだろうね。また説明があるかもしれないけど。

もう、この曲聴いて笑ってしまった。あはは。すごいわ。いろんな要素てんこ盛りだった。今までにない歌い方いいなーーー。挑発的。こういう感じ聴いてみたかった。ラップじゃないけど早口になるところとか、突然始まる朗々としたギタープレイとか、何この世界観・・・ッッ 演奏のメリハリがすごかった。ブレイクとか、最近のライブの打上げ花火的な。クールな「レディゴ。」とか「我愛你」とか歌詞に出てくるのおもしろいー。どこかのアジアの雑踏のネオン前って感じ。


金澤「新曲ばっかりでしたけど、みなさん大丈夫ですか?」
はい、大丈夫ですー 楽しいですー

新曲絶賛のお客さんに対し
山内「甘えちゃうよ?」
金澤「甘えちゃうよ、ってすごいね(笑)」

金澤君が今日はしきりに「総ちゃんは?」とか「総ちゃんどうだっけ」とか山内くんを総ちゃん呼びして話振ってるのがかわいかった。

山内「次は、一部分だけ公開してる曲ですけど」
客:おおー(来た来た、恋するパスタだ!)
山内「スマートフォンのCMソングになってて、観た事ある人います?」
客:たくさん手を上げる
山内「僕は未来モンスターの時に観ました。あの番組の時、よく流れてるんです」
金澤「僕らも未来モンスターだけどね」
山内「……未来モンスターにしては年いってますけど(笑)」

この僕らも未来モンスター、ややウケだった気がするけど密かに感動してたんですけど!!!未来モンスター、確かに。とか思ったし、来年15周年迎えるのに今自分達が未来モンスターって言えるの、それに違和感がないの、凄くない?素晴らしくない???(未来モンスターたまに観てる。中学生〜高校生の将来世界で活躍しそうなスポーツ選手に密着する番組)

金澤「この曲は、仮タイトルが"ホーンズ"で、最初からホーンズの音が浮かんでて、スカパラのホーンズのみなさんに入ってもらいたいなと思ってて、スケジュール合わせてもらって」
山内「メンバーが曲を作ってきたらやっぱり見るじゃないですか、歌詞とか。読んでいって、恋するパスタ、マジか、って言いましたもんね」
客:笑
山内「15周年で、アルバム作るぞ!ってなった時、力が入りすぎてしまうというか、ググッとなってしまうじゃないですか。そういう時、メンバーが全然違う角度から曲を作ってきて、そういう時バンドっていいなーと思ったんですけど」

山内「恋するパスタって正気じゃないよね」
客:笑
山内「ハッピーソングやね」
金澤「ハッピーソングですね」
加藤「(山内くんに対し)……今なにか言葉を飲み込みましたか?」(←結婚の事を言ってるのかな)
山内「え?」(←あんまりそういうの考えてなかったような気がする 笑)
加藤「いえ、なんでもないです」
客:笑
加藤「でもこの言葉がどういうシチュエーションでひらめいたのかが気になりますね」
山内「どういう時に出てきたん?」
金澤「サクッと……ある時突き刺さってきたんですね!パスタのように!」
なんか頭に斜め上からパスタが突き刺さるようなジェスチャー。意味わかんない。笑

どこのMCだったか忘れたけど、金澤君が発言した事(曲の説明?)に対し
山内「そうそう。」(目が泳いでる)
山内「……」
山内「え?なになに、今のどういう事?」
客:笑
加藤「わかってなかったんだったら、何で一回飲み込んだ?」
客:笑
というやりとりがあった。笑
加藤さんの柔らかい口調の鋭いつっこみ、好きだなー。笑


恋するパスタ

ボーカルと重ねたコーラスだけで始まる「♪恋す〜るパスタ〜」、イメージと違う歌い出しがすごくいい!A〜Bときて、CMで聴いてたサビに繋がった時の「来た来た来た!」感。CMで一部だけ聴いて想像したり、楽しみを増長してたのがライブで全貌解明、という段階を経てきたので、これまで何回も聴いてきたサビが特に愛おしく思える。この曲といい出会い方させてもらったなぁ。

恋するパスタ、かわいい恋の歌だーと思ってたけど、CMの部分だけ聴いてるうちに「オリーブ色の服、ん、単にパスタの麺を愛でてる歌じゃないよね……?まさかホーランド・ロップを女性の暗喩ですか?と聞かれて『違います、ウサギの歌です』とキッパリ否定した山内総一郎さんじゃあるまいし……」と思ってたけど、良かった、歌詞全部聴いて、ちゃんと恋の歌だった。笑 新曲、猫がよく出てくるなぁ。(さっきのLET'S GET IT ONも)

んで、んで!一番言いたいのは、このサビの山内くんの歌い方だよ・・・・・!!!サビ最後、ういぃ〜〜んと音程を低いところから高いところへ引き上げていくんだけど、加えてきたこの捻り・・・、あの部分すげーーすげーー好き・・・。あれがある事によって曲に味がついた。あと、最後さ〜、歌詞が「恋"せよ"パスタ」になったのが、ニクい、ニクい、かわいい!!!ひねり聴いてておしゃれでカワイイ曲だった。はい大好き。

最初にCM動画で聴いた時は「ふむ、なるほど」みたいな感じだったけど、そこばかり聴いてるうちにだんだん心地良くなってきて、全部聴いてめちゃくちゃ好きになった。


手紙

山内「Fはコンセプトアルバムなんです。アルバムを作ろうってなった時にまずタイトルから決めて。珍しいんですけど。来年15周年という事で集大成になるアルバムにしたい、なんかバーンと自分達を表すものにしたい、と思っていて。フジファブリック、は既に使ってしまっているし。素晴らしいアルバムですね〜」
客:笑 拍手
山内「フジファブリックはFF、なのでF、というタイトルでFにまつわる曲を作ろうって作り始めたんですけど。Fっていろいろありますよね。え〜っと、え〜っと・・・」
客:笑
山内「Face、とかありますね」
客:笑
山内「フルーティー、とか」
客:笑
山内「フルーティな曲は今回ないんですけど。フルーティっていいですね」
客:笑(フルーティーな曲=パッション・フルーツとか思い浮かんだ)
山内「これもFにまつわる曲って事で作って、最初に出来た曲かな?ふるさとの"F"。今こうやってステージに立って音楽やっていられるのは、観に来てくださる方とか、いろんな人の支えがあって立っていられてるんだなって思ってますけど、いろんな人の事を思い浮かべなから作りました。もう会えなくなった人とか・・・・、会って何をしたいかって、ただたわいもない話をしたいんですよ」

一緒に音鳴らしたい、とか音楽したい、とか言うのかなと思ったら、それはとてもとてもささやかな願いで、余計グッときた。

山内「Fというアルバムに入れるにあたって、アルバムバージョンという事で、配信した分が良くなかったとかそういうんじゃなくて、Fに合うアレンジにしようと思って、女性コーラスを入れたり、より広がりのあるものになったと思うんですけど」

女性コーラスって誰なんだろう。女性コーラス入れたの初めてかなぁ。手紙という素朴な山内くんの原点みたいな曲に女性コーラスって合うのかな?と思ったけど、実際の音源聴いて確かめてみたい。

山内「……ちょっと話していいですか?」
客:笑
金澤「どうぞ」
山内「この曲、最初にGコードで始まるんですけど、(♪ジャーン、Gコードを弾く)ダイちゃん覚えてる?この曲作った時、最初に買ったギターで弾いたらいいって言ったの」
金澤「言いましたね。そういう思いで作ったんだったら、あのギターで弾かなきゃでしょ、って」
山内「音源でもあれで弾いてるしね」

赤いギター抱えた後、

山内「・・・あのギターで弾こうかな?」
ざわざわ
山内「持ってきてください〜すいませ〜ん」
山内「楽屋に置いてあるんですけど〜」
客:笑
金澤「家に置いてある、とかだったらどうしようかと思った。どこのスターだよ、と」
客:笑

スタッフの人が青いストラトを持ってステージに登場。拍手。

山内「ありがとう」
山内「チューニング、チューニング」
客:笑
チューニングする

山内「このギター、地元の茨木のびっくりギターズって楽器屋さんに飾ってあって、いいなーと思って、でも学生だからお金ないんですよね。だから父にお願いしようと思って、父はバンドやっててビートルズのコピーとかしてたんですけど、『いいリッケン見つけたんやけど〜』とか言って、全然リッケンじゃないんですけど(笑)うまい事言って買ってもらいました」
客:笑

山内くんが初めて買った青いストラトで演奏される手紙、青いギターがステージに登場するたびいつもこの世の不思議を思う。学生時代、プロになる前の山内くんにずっと寄り添っていたギターが、2018年、こうやってステージでスポットライト浴びてる。いつもは手紙を聴く時山内くんの歌に意識が行くんだけど、今日は青いストラトがど真ん中に立って、青いストラトが主役だった。ストラトが歌ってた。ほんとだ、音源と同じ音がする。

山内「次の曲は、来年放送される3D彼女っていうアニメのエンディングテーマで流れるんですけど。破顔、っていうタイトルで。みなさん、破顔って言葉知ってました?」
パラパラ〜〜っと手が上がる
山内「お?知ってる人とわかってる人で反応の差が……(笑)」
客:笑(それって同じ意味じゃないですか?笑)
山内「にっこり笑うとかそういう感じなんですけど」
金澤「それってどんな顔かやってみてよ」
山内「それはツイッターに載せましたから。ダイちゃんがトランペット吹いてた時の顔」
客:笑

そのあとしばらくしてからライト当たってないとこで山内くんがニーーーッて見た事ないような(笑)ノペッとした笑顔を金澤君の方を向いてやってたけど、あれがもしかして山内くんの破顔……?(気付いてなかったのか金澤君も誰もそれ拾いもしてなかったけど確かにやってた。)

山内「曲聴いてどう思いました?」
金澤「美しい曲だなと思いました。激しさの中に芯みたいなものを感じられる曲だなと」
山内「そういう曲にしたいと思ってたから嬉しい。これ作った時、STAR作った時と感覚が似ていて。STARの時はこれからやるぞー!って感じだったけど、ここからまた、次のところへ行くぞ、みたいな」

美しい曲、STARときて期待度MAX。これ絶対、好きなやつじゃないか・・・?

金澤氏、ギターを持ち出す。山内総一郎モデルの赤いストラト
客:おおーーー
山内「なんかカッコイイギター持ってるねぇ?」
客:笑
金澤「そうそう、このカッコイイギター、・・・・・ってアーーーーーッッ!!!」
客:笑


破顔

・・・・・・・・今以上好きになれる曲がまた増えるのかよ・・・・・

と、曲を聴きながら、思った。曲聴き終わった後、なんかちょっと動けない感じだった、ね。

今日Water Lily Flower聴いて、本当に今日の演奏も歌も素晴らしくて、今のところライブで聴く最高峰だな、これを越える曲なかなか難しいな、って思いを更に強くしたけど、・・・・

「破顔」ってタイトルから、「♪彼女の笑顔は〜」みたいな、山内くんお得意のアコースティックであったかいほんわかした歌を想像していた。

全っっ然違った。

「恐れる事など何もない」「心配ないよ、さぁ 行こう」

それまでも強い言葉だったのに、最後の最後「闇を切り裂け」「遮るものなど何もない」「さぁ 行こう」で更にグイッと世界を掻き分けて、前へ。目が覚める思いがした。

よくこんな言葉、言い切れたなぁ・・・・・・。

なんていうか、すごい、安心感。新曲、全部聞き取れてる訳じゃないけど、相変わらずシンプルで伝わりやすい言葉を使ってるけど、今回、新曲、言葉の説得力がすごい。君が歌うとそう思う。そう思える。大丈夫だって思える。泣いてしまった。感動して、というよりビックリして。嬉し泣きしてしまった。

ものすごい速さの光の中から、流星が降り注ぐど真ん中で「さぁ 行こう」って手を伸ばす、真っ暗闇からどん底から手を引き上げてくれる、または迷ってる背中を押してくれる手が見えた。実際、山内くんは歌いながらこちら側に手を伸ばしていたかもしれない。

途中の一瞬のブレイクの清らかなコーラスが降り注ぐ賛美歌みたいね。

音の洪水、最後、THE LIGHTみたいだったなー・・・(すき・・・)

この曲は自分にとって光になってくれる、すごく大切な曲になる。と思った。

そして、この曲を説明する時にSTARが引き合いに出された事がとても嬉しかった。STARを初めて聴いた時、何を持ってかとかそういうのは置いといて「フジファブリックの音だ。」って思った記憶は今でも鮮明に思い出せる。その感覚は今でも自分にとって指標というか、とても大切なものになっている。そんな大切なSTARが、今、これからとても大切な曲になる予感がする破顔という曲につながっていってる。

奇跡みたいな事するな、、

決意の歌、だった。


曲終わった時のお客さんの高揚を一番感じたのがこの曲かもしれない。

この曲のあと、力が入ったとか、疲れた〜とか言ってた。


しきりに舌を出して口に手を入れて何かを取ろうとしている山内氏。
山内「勢いありすぎて髪を食べてしまった」
客:笑
何回も口に手を突っ込んでングングやってる。
客:笑
うしろ向いてタオルでングング
前を向く。再び喋り出したあと、また口に手を入れてングング。笑
加藤「まだ食べてますか。」
客:笑


山内「次が最後の曲になるんですけど……」
客:え〜〜〜
山内「この曲はさっき演った手紙と対をなす曲だと思ってて。前ライブで手紙を歌う前のMCで、結構真剣に話してたんですけど、東京がふるさとを作ってくれたと思っていて、そういう話をしててそれが残ってたのかな、『じゃあ、聴いてください・・・』って言ったあと」
金澤「あの時、暗くなってピンスポットとか当たってるような感じだったっけ」
山内「そうやったっけ。こう・・・」
会場が暗くなってピンスポットが山内くんに当たる。笑
客:笑
山内「それじゃあ聴いて下さい・・・・・・・・『東京』」
客:笑
山内「ダイちゃんの突っ込みも早かったよね」
客:笑
金澤「『東京』・・・・でしばらく考えて、そんな曲ねーわ、ってなって」
客:笑
山内「ほんと恥ずかしいなと思って。そんな恥ずかしい場面が、さっき言った初回盤のDVDのドキュメンタリーにも入ってます!」
客:笑 拍手
山内「その後ツイッターで「東京って曲作ります!」って言ったんですけど、でももうあの時ステージを降りる時すでに曲が浮かんでましたからね」
客:おおーーー
山内「メロディとかじゃなくて、構成とか、こんな風にしようとか」
金澤「僕は曲を聴いてビックリしましたよ」
山内「え?」
金澤「自分が想像してた東京ってタイトルの曲調とはまったく違うものがきて」


山内「・・・・・・・それでは聴いてください、『東京』」
客:笑

♪東京

タイトルを言ってお客さんが笑う、もう、この流れが完璧だった。

タイトルを間違えて「手紙」を「東京」って言ってしまった→その後ツイッターで「東京って曲作ります」って(半ばやけくそ気味に)ツイート→東京って曲が完成。→そして今日、同じセリフをもって今度は間違いでなく、本当に!披露。

あのフレパでの言い間違いが美しく回収されて、こんな事、ある???とちょっと感動すら覚えた。自分に巻き起こる事(自分で巻き起こしてる節もある・笑)全部取り込んでよりおもしろいものにして返してくる。山内総一郎はすげーな。

それで歌われた「東京」って曲がさぁ・・・・・、


東京

もう、前奏が流れた時の客席の空気を体感して欲しい。めちゃくちゃおもしろかったから。音として聞こえてきた訳じゃないけど(ちょっと聞こえてきてたかな 笑)もう、ざわざわざわざわ!!!!(東京 笑)(東京…?笑)(え 笑)(東京って 笑)(東京 笑)みたいなのが私の視界の前に蔓延してたから。

私はというと、ビックリした!!!金澤君の前振りあっても、ビックリした!!!

「東京」ってタイトルで今までいろんな人が名曲を歌ってきたけど、郷愁とかそういう感じじゃないですか。山内くんにとっての東京って、こうなのか!!やっぱり山内総一郎っておもしろいな〜〜。

あのモンキーマジックみたいな音何だろう?あれがまた懐かしさとかオリエンタルと怪しさを増し。

ファルセットの使いどころが最高……!連発するんじゃなくて、はっとするようなところで使う。(YOU & Iとかさー)


曲が終わった後

山内「どうだった?シティ感あったでしょ?」
客:笑

確かにシティ感。笑 照明もショッキング紫ピンクみたいな感じでシティ感あったわ。


山内「今回、グッズを作ったんですけど。(客席を観て、誰か掲げた人がいるのかな?)あ、持ってる人いますね。ありがとうございます。いろいろ入ってるハッピーセットっていう。あ、ハッピーセットって使ってもいいのかな・・・」
客:笑
加藤「ここだけの話で」
山内「ここだけの話で」
客:笑
口の前で指シーってやってた。笑

あんな素晴らしいライブを見て、家に帰ったらあんな素敵なお土産もあって、幸せすぎて胸がつぶれそう。(お土産じゃないです)(お金を出して買いました)

グッズが発表になった時、表紙の写真めちゃくちゃいいなと思って、帰ってから中身確認して、あれ、お台場デートじゃないですか。笑 思ってたのと若干違・・・?笑 とりあえず卓上として使おうと思ってたけど、ちょっと照れが……&毎月毎日日めくれるようなマメさがないのでたぶん正確なカレンダーとして機能しなくなる、ので表紙を飾っておくぐらいになるかなー。来年は普通の月と日の入った卓上カレンダーが欲しい。毎年通販でFABch会員が全員申し込んで買えるようにしてくれるといいな。


山内「今日全然豊夢君喋ってないんじゃない?」って言って豊夢さんに話を振った

玉田「アルバムでもたくさん叩かせてもらって、いろんな現場で叩いてるんですけど、出来上がった作品を聴いて、自分で思ってた方向と違う方向に行っちゃったな〜とか思う事もたまにあるんですけど、フジファブリックはもうバッチリで、カッコイイ!」

また豊夢さんがたどたどしく自分の本音っぽい正直な思いを話してくれた(すき)

豊夢さん、フジファブリック好きだよね?自分に合うと思ってるよね??そんな風に感じさせてくれる豊夢さんのドラムだな〜〜〜。。

豊夢さんが次のアルバムでドラムいっぱい叩いてくれてんの、すごく嬉しい!

エンディングトーク?してる時、ニューアルバムの歌抜きらしきものを流してて、話してるけどちょっとだけ耳がそっちに引き寄せられた。


最後、客席を背にステージから写真撮影。

山内「この写真、会場でアルバムを予約した特典でフォトフレームに入れるんですよね。フォトフレームもすごいいいですよ、絵が入ってて」
金澤「すごくいいよね」

カメラマンが出てきて

山内「きくちさんは今回のグッズのカレンダーの写真を撮ってくれたんですよ」

Keisuke Kikuchiさん。ソニーミュージック所属。(とカレンダーに書いてあった。検索したけどサイトとか出て来なかった)人の良さそうなやさしそうな男の人だった。そか、この人があのお台場デート写真を・・・どんな気持ちで・・・

合図どうする?ってなった時、きくちさんが「大きい声出します!」って生声で叫んだ。笑
なんか話の流れで全員手をFマークにする事になった。Fのポーズでハイチーズ。2回。

最後、忘年会の最後みたいに一本締め。

金澤「では、この後二次会行かれる方はのちほど・・・・(笑)」
客:笑 拍手

アンコールはなし。
21時頃終了。

    • -


ライブで9曲って少ないのではないかと思うかもしれないけど、新曲初聴きで充実感があってすごく満足した。全然短く感じなかった。

新曲聴いてる時ニヤニヤしてるかだいたい笑ってた。曲ごとに聴いてる時の自分の顔色、全然違ったんじゃないかなー。そういう曲を、フジファブリックが作ってきた。『F』に対する期待が俄然高まったー!

まだ聴いた事ない曲の概要を先に聞いてから曲に行くってどうなんだろう?と話を聞いてる時ふと思ったけど、金澤君の初めて曲と対面した時の感想がすごく新鮮でおもしろく、同じ経験を自分もするというか、共感出来て(ほんとだーーータイトルのイメージと全然違うーーーみたいな)、本人達によるほやほやの最速レビュー、もしかして雑誌にも載らないかもしれない楽曲制作時の小ネタ、とても興味深くておもしろかった。またこんなライブやって欲しいなぁ。

昔、山内くんの声は鋭角ではない。武器を持っていたとしてもきっと先が丸い。人を鋭く突き刺す事は出来ないかもしれない。けどそこが山内くんの個性でありそんな山内くんの表現方法が好きだ、と思っていたけど、今、山内くんの声は、人を突き刺す武器になりうるかもしれないと思った。感動って心を引っ掻くって事でしょ。感動させるって事は傷をつけるんだよ、人の心に。そういう人に、山内くんはなる。


生セルフライナーノーツ付き新曲だらけのライブも刺激的だったけど、3人の噛み合わせがいつもに増して絶妙すぎて、ああ、フジファブリックのワンマンに来た・・・!と実感してそれがただただしあわせだった。

FABch会員東京のお客さん、ファンクラブ会員ばかりだから熱狂的かと思いきや、始まっても押さないし曲の間は集中して聴くし曲が終わった後驚きや賞賛は思い切り表すし、すごく居心地が良かったなー。

あ・・・最後にいいですか
FABchで募集してたリクエスト曲はどうなりましたかー笑
聞いてみただけ・・・?笑
まぁ、入る隙がなかったとも言えるけど。



FABch会員限定 フジファブリック プレミアムライブ
日時:2018/12/5(Wed)
OPEN 18:00 / START 19:00 / END 21:00
会場:東京都・マイナビBLITZ赤坂

セットリスト

1/365
電光石火
Water Lily Flower
Feverman
LET'S GET IT ON
恋するパスタ
手紙
破顔
東京

J-WAVEで弾き語ったWater Lily Flowerについて

2018/9/28 J-WAVE MARTIN GUITAR SOUND HOLE UNIVERSE 最終週で山内くんが弾き語りしたWater Lily Flower、ちょっと手に負えない歌声というか、この出来事はもうちょっとした事件で、衝撃的すぎたのもあり、もったいないのもあり、ハナレフジのツアーとかもあってしばらく聴いてなかった(というか封印してた)んだけど、その後Water Lily Flowerをライブで何度か聴き、ツアーも終わり落ち着いたので、宝箱を開けるようにぽつぽつ聴いている。この時の歌、一番好きかもしれないなー。


Martinのギターの音が好きすぎるよ。山内くんはフェンダーとエンドースメント契約を結んだけど、それに縛られる事もなくその後も自由にやってる感じで(Martin冠の番組にも出られるし)良かった。

前奏のギターの音からほんといい。弦の上を滑る指の音が生々しい。感情が入った歌のようなギターのギュッとした音、4小節目で違う音入れてくるのすごくいい。(フリーライブの手紙の前奏でもこういうのあったなー)

歌い出しからいつもと違ってハッとなる。全く声を張ってない、なのに軽くないし か細くない。豊か。クリームを塗り広げるみたいな。なめらかで、大人っぽい。

山内くんの歌は、いつまでもこなれない美しさがあるな。いつまでも素人っぽいというのとは違う。ちゃんと追い求めるものがあって向上しようとするけど、誰かに"上手く"見せようというのがすっぽ抜けてる。いつだって思いが向かう先は楽曲の事だけ。

一番驚いたのは、サビ。今年一番びっくりしたかもしれない。前のツアーとか音源で聴いてきて、まだライブのWater Lily Flowerに聴き慣れてない状況で、まぁ当然バーーーン!と来ると思うじゃないですか、サビ。


心地良く聴いていてさぁ来るぞ来るぞと思ったら、その第一声目に  ふわっと包まれて、構えてたのと全然歌い方で、来て、「!?!?!?!?」って、ほんっっとに心の底から動揺した・・・・・・・


「瞬いて」の声が至高。


音源みたいにリバーブがかかってないシンプルな歌声なのに、声の中に物語があって、誰にも似てないし誰にも習ってない、独自に編み出した方法論で、山内総一郎で溢れてて、とにかくなんというか、ものすごい歌声だな・・・・・。

サビになると同じリフでも流れるようになって自然と歌を前面に出すのね。

間奏明けCメロの"今"を深く愛おしむような歌とパリンパリンと一音一音はじく弦の音の後の、「明けて……」がさっきの「咲いた」よりも更に信じられないぐらい優しい歌い方になって、歌に合わせてゆっくりハープみたいな可憐な響きになるアルペジオ、最後に向かってまたスピードが上がっていくギター、高まっていく歌、引きずるような「離さないで」、最後一人で歌うコーラス部「あ〜」、な、な……………………?


この歌を聴いてラジオを切った後、「今、私は一体何を聴いてしまったんだ……………………?」と呆然としてしまった。

その歌声の瑞々しさと生命力に圧倒されてしまった。直接人の心に触ってくるすごい声になってた。


山内総一郎がすべてを司る、山内総一郎の意思でどうにでもなるWater Lily Flower弾き語りのおそろしさ


この弾き語りのWater Lily Flowerによってそういう表現方法に気付いたのか、のちのライブでのパフォーマンスの元になったのかもしれないと感じる。最近ライブで聴くサビの「咲いた……」とか「明けて……」がすごく柔らかくなった気がする。

Water Lily Flower / フジファブリック

Water Lily Flower

Water Lily Flower

Water Lily Flower / フジファブリック


初めて聴いた時からこもった熱が抜けない。リフがずっと頭の中を鳴っている。

パッションとかエネルギーが渦巻いてる。 Cメロあたりからは地響きがしてくるみたい。歌詞の一言目に「轟音はカーテンを揺らす」という言葉を置いてきたのもすごい。いろんな想像を掻き立てられる。

Water Lily Flowerは絵画みたい。ライブで初めて聴いた時から森の中の深緑と淡いスミレ色と光を感じている、けど金澤ダイスケ撮影のジャケットを見てからイメージに海の要素も入ってきた。曲を聴いているといろんなイメージが浮かんできて、それは少しずつ変わってきてる。

音、演奏、ボーカル、音源として完璧すぎる。
いくらでも掘り下げる事が出来る音源ってあるけど、Water Lily Flowerはまさにそれ。

前奏からコーラス入れたの、天才か。ここで既にこの曲のイメージを形作ってる。

ドラムが入ってくるところ、ベースが入ってくるところ、完璧すぎる。野生の生命力みたいなリズム隊、めちゃくちゃ気持ちいい。

最初の方に右側から聴こえてくる鍵盤の音が、硝子瓶の中を転がる硝子玉のようで、ポチポチ点滅する滲んだ光のようで、遠くで聴こえる船の汽笛のようで、差し色みたいですごく印象的。

この曲は鍵盤の音を強く感じる。で、ギターは控えめなのかといえば、いつもと違って思いっきり前に出てる訳じゃなく、抑えつつも絶対にそこにいなくてはならないという独特の存在感放ってて、こんな表現もあるのか・・・とグッとくる。

山内総一郎の歌声が別人みたいだ。あったかい山内総一郎そのものみたいな手紙とはまったく違ったアプローチ。

朗々としない、感情を抑えめのボーカルで無駄なものが何もない。淡々としてるけど内側に静かな情熱を感じる。完璧。よくこんなボーカル録れたな。こんなテイク録れてみんな嬉しかっただろうな。

特にCメロの歌声にドキドキする、もっといえば「紛れも」。その声と"紛れもない今"という歌詞もあいまって、自分にとってはこの部分が一番響くようになってしまった。誰………!?って混乱するし、ここにいろんな感情が渦巻いてぎゅっとなる。

ほんと、どんどん人を惹きつける、素晴らしい歌声になってくね……。

逆をいってる。歌に癖がなくなって、つまらなくなるんじゃなくてどんどん核心に迫って強くなっていってる。

なぜ焦らない。普通なら自分の歌を一刻も早く確立させたいと焦るはずなのに、なぜ。

最初から自分の歌を信じてた……とかじゃなくて、ただその時点で自分に出来る事をひたむきにやってきた結果なんだろうな。そこもまた最初からボーカルとしてデビューした人とは成り立ちが違う。でも口に出して言わないからわかんないけど、今はちょっとは自分の歌で誰かの心を動かせる事を、信じてるんじゃないかな。

「ああ」がいいよね。この瞬間が来るのを心待ちにしてしまう。歌詞に載ってるのもいいよね。

サビでたくさん声を重ねてるのも幻想的で気持ちいいー。

山内総一郎が高いところを歌い切る時の特徴の、そこまで本当に丁寧に歌ってるのに最後の最後で投げるように乱暴なところがほんの少しだけ語尾に残っちゃってるのが好き。隠しきれない感情みたいで。(Light Flightでも見られる。どうでもいいけどLight Flightってタイトルめっちゃいいよな……)

音源ではこうだけど、ライブだとつい感情が入っちゃう瞬間もあるんじゃない?そうなった時もすごく楽しみだな。。

間奏の入れ込みようもすごい。間奏の中だけでも幾つかの段落があって、違う世界観と物語があって、間奏だけでひとつのインストが作れそう。

全員がガーッと目の前の、自分の音を鳴らす事だけに集中して、魂が抜けるみたいに演奏している人から音が飛び出して、勝手に合流して会話して混ざり合ってグルーブになっていくみたいな。

美しさの中にほんの少しの狂気が混じってる。以前サタデー・ナイト・クエスチョンを提供された中島愛さんがインタビューの中でフジファブリックのレコーディングを見学させてもらった時の話をしてて「本人達は優しく穏やかで気の良いお兄ちゃんみたいな感じなのに、楽器を手にすると目の色が変わって本能がガッと開いたような、音楽が好きすぎて好きすぎて狂気さえ感じる」って言ってたけど、それを思い出した。

この曲を構成する一つ一つの音がこの曲の事しか考えていなくてこの曲の為にだけ機能していて、ここまで音の曲に対する思いを感じた事はなかった。音、とはひいてはそれを出す人、につながるのかもしれないけど。人、というより音、そのものが独立して感情を持っているような。その音の一つ一つに織り込まれた思いに、泣きたくなってしまう。

キーボードの音とギターの音どちらかが前へ出たり引っ込んだり、相手を感じながら、遊ぶように、絡まりそうで絡まらない距離で近づいたり離れたりしながら軽やかに併走するようなこのバランス……ッ、全然違う個性同士のこの呼吸、これチャットモンチーの「きらきらひかれ」カバーの時も感じたんだけど、フジファブリックの最大の強みのひとつでもあり、悶えるほど好きだ……!!

インストの(あっ違う)間奏の最後の章のギターの音が音の合間をすり抜けるように、海の中を悠然と一頭で自由に泳ぐイルカみたい。海中の表面にその姿が透けて見えるのを空から見ているみたい。

ライブで聴いた時は憂いとか暗さを感じたけど、(フェイクという言葉の強さもあるかも)音源で通して聴くとまた印象が違う、音源では開けていく感じ、希望の方が前面に出ているように感じた。

人に見られることによって人の顔が変わっていくみたいに(山内くんみたいね)曲も人に聴かれて変わっていくんだと思う。人も曲も、誰かに愛されてそのものになるのです。ってチャットモンチーの曲みたいだな。

ちなみに、自分が思う、フジファブリック山内総一郎作曲によるサビで開けていく曲ベスト3(発売日順)

・efil
・FREEDOM
・Water Lily Flower(New!)

カラーは全部違うけど全部好きすぎる〜。

番外編:サタデー・ナイト・クエスチョン

最後のサビで山内くんがどんなリズムを刻むのか、ライブで確認したい。

ほんとに好きな曲に出会うと、ウワーッてなってエンディングまでに気持ち保てなくて最後までまともに聴けない。Water Lily Flowerも最初そうだった。

アウトロ、最後の余韻の音まで完璧。

ライブで金澤ダイスケの鍵盤の音がブルーみたいに切り裂いてくるんじゃないかと、どんどん変わっていくであろうアウトロを楽しみにしてる。


...


サビを大きな声で歌いたくなるような曲でもある。(ライブで、という意味ではない 笑)山内くん、歌ってて気持ちいいんじゃないかなー。

この曲は遠いところまで届くんじゃないかと、この音源を早くいろんな人に聴いてもらいたくてウズウズするけど、今は先行配信、まだ焦る必要はない。映画、FAB FIVE、映画のサントラとあとから時間差で弾けるものが控えているのは幸せな事だと思うし、聴いてもらえさえすれば響く自信がある。じわじわとでもこの生まれた素晴らしい曲が浸透する事を願ってる。